「日本は,ギリギリの状態でなんとか踏みとどまっているという状態」「保健所とか,感染症研究所,地方自治体の皆さん,さらに地方衛生研究所,クラスター対策班の若手の研究者.こういった人たちの不眠不休の努力で,なんとかクラスターを見つけて,それを最小限に抑えている.それによって,なんとか大規模な流行につながらないような状況をつくれている」「今までの対策を続けているだけでは,第二波は乗り越えられないと我々は考えています」厚労省クラスター対策班押谷仁氏 NHKスペシャル

この土曜・日曜(3/21,3/22)は温かい春の陽気.

土曜日は鎌倉海蔵寺,日曜日は藤沢の携帯修理店へ(8年使用したiPod touchの電池交換:この機種だとうまく交換できるかどうか分からないと言われました).

この時期の土日としては,人出は少ないものの,かなりの人数の方々が,観光に,買い物に,思い思い楽しんでいる様子.

これからピークを迎える新型コロナ感染.この土日のような光景が途絶えることなく(=“オーバーシュート”することなく),収束にむかって行ってほしいもの.

期待してもいいのか?

専門家会議の記者会見をテレビで見て,彼らを見直しました.

信ずるに足るだけのデータを蓄積し,議論を重ねている!

 

西浦北大教授

「今回の日本全体の評価に関して,皆さんには,希望の光を見出して頂きたいと思っています」

「流行はパンデミックを起こしているので,一定の期間,長く行動が変わらないと,流行が拡大してしまうっていうのは事実です.

今,私たちがなんとかして『日本モデル』で活路を見出そうと思っているのは,社会経済機能をなんとかして維持できる形で,皆さんの行動の無駄な部分をできる限り省いて,そのしわ寄せを受ける社会的弱者を助けながら何とか持続可能な道を探れないかということを,科学者がより合ってクラスター対策班っていうのを組織して必死に模索しています.

おそらく,そこにoptimalオプティマルな答えがあると信じて,まだ見ている」

 

専門家会議の方々にも増して,各地方の保健所・衛生研究所で日々防疫の業務に励んでおられる方々に感謝.

 

尾身副座長「---厚労省が持っているデータというのは,地元から来るんですよ.厚労省が天からもらってくるデータなんてないんで,全て現場の方から(来る).

そういう意味では,一番感染の状況を知っているのは現場なんですよね.クラスタサーベイランスも現場でやってますから」

 

まだまだ新型コロナ感染者は増えるでしょうが,専門家の言葉を借りれば

実効再生産数(感染症の流行が進行中の集団のある時刻における、1人の感染者が生み出した二次感染者数の平均値)が,1を割っている限りはいずれ収束の方向へ.

メガクラスターがなければ,中国・欧米のようにはならないのでは---

 

ここまで書いたところで,テレビを見るのを忘れていたことに気づき,チャンネルを合わせました.

 

NHKスペシャル.“パンデミック”との闘い.〜感染拡大は封じ込められるのか〜

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NHKドキュメンタリー - NHKスペシャル「“パンデミック”との闘い~感染拡大は封じ込められるか~」

 

冒頭は厚労省クラスター(感染者集団)対策班の映像が流されていました.

新型ウィルスについての様々な報道を追う中,この方々は信頼できると勝手に思っていた専門家お二人,東北大押谷仁教授,北海道大西浦博教授の姿も.陣頭指揮は押谷氏.

その緊迫した映像から,私の楽観的な思いは吹き飛ばされました.

対策班の方々の険しい表情.日々出されてくるデータは,かなり厳しい日本の感染状況を示しています.

 

ナレーション

“今月に入って,クラスターとの関連が不明で,感染源が特定できない患者が増えていました.それは,監視下におかれていない未知のクラスターが存在する可能性を意味しています.

クラスターを見逃した状態が続くと,予兆のないままの爆発的な患者の急増=オーバーシュートが発生し,事態を制御できなくなってしまうのです----”

押谷教授

「ポツンポツンと出るやつがあちこちに出るってう事は,その裏にあるものを僕らは見ていないことになるので,そういう意味で非常に危ない状況.

孤発(感染源が不明な人)がたくさん出てくると,もう危険な状況になっているということになります.

多分,ウイルスの生存戦略としては,一番正しい生存戦略なんでしょうね.見えないようにして,あまり重症化しないようにして,そうすると見つからないので,そういうウィルスなので,SARSとは全く別物のよく出来たウイルスです」

ナレーション

“今月13日,対策班は,緊張感に包まれていました.西日本の都市部でクラスターとのつながりが不明な感染者が相次いで二人確認されたという情報が入ってきたのです.都市部で感染源が不明なケースが発生する事態を最も警戒していました.人が密集し,出入りも多い都市部では,オーバーシュートにつながる可能性が高いからです.

更に東京でもクラスターとつながりが分からないケースが相次いで報告されました”

押谷教授

「東京をつなげないといけない」----

対策班メンバー

「30くらいかと思ったら20.たくさんですけど」

押谷教授

「20はでかい.20が本当につながっていなかったら,もう終わりですよ」

「リンクが分からない感染源がわからないのがいっぱい増えてきている」

ナレーション

“その後の調査で,東京では感染者のつながりが判明するケースも出てきています.

しかし,各地で感染者が増える中,予断を許さない状況は,依然として続いています”

押谷教授

「どういう状況なのか,まだよく見えていないところがある.まあ,ちゃんとやらないと---.かなり厳しい」

ナレーション

“19日行われた政府の専門家会議でも,強い危機感が示されました.”

尾身副座長

「ある日突然爆発的に患者が急増する“オーバーシュート”が起こりうる」

(対策室で)

西浦教授

「この感染症に関しては,無駄な接触を回避する.人と人とが会って接触してしまうことを避ける努力をすることが出来ると防げると言うことも中国から学ばせてもらったことですし,日本でもそれに相応する実績が出つつある.

全ての接触を100%とすると,それが80%,90%くらいに減ったところで,微々たる効果しかありません.

もっと一気に劇的に,それが半分以下に減るような,そんな行動変容が起こらないと,流行対策は成功しないと思います.

皆どうやってこの流行に対応するのかというのは,ただ単に政策論者であったり専門家が決めることじゃなくて,皆と向き合いたいなと思っています」

ナレーション

“日本が直面している厳しい状態が,国民に十分伝わっていないのではないか.押谷教授は焦りを感じています”

押谷教授

「今はなんか日本は落ち着いているみたいにみんな思っているので,そこらへんと,僕らが思っている気持ちとのギャップはすごくある.だから,そこら辺がこのウィルスのすごく難しい所ですね」

 

スタジオで

押谷教授

「日本は,ギリギリの状態でなんとか踏みとどまっているという状態だと私は思っています.

保健所とか,感染症研究所,地方自治体の皆さん,さらに地方衛生研究所,クラスター対策班の若手の研究者.こういった人たちの不眠不休の努力で,なんとかクラスターを見つけて,それを最小限に抑えている.それによって,なんとか大規模な流行につながらないような状況をつくれていると.そういう状態だと私は思っています」

クラスターもクラスター連鎖も監視下に置くことが出来れば,それほど大規模な流行につながらないと我々は考えています.---

クラスターに繋がらないようなものが多発してくると,その裏には見えていないクラスター連鎖があるはずなので,その規模感が我々には全く分からないということなるので,非常に危険な状況と言うこととなります」

司会者

「感染者数はこの後どんなふうになると---」

押谷教授

武漢を中心とする湖北省起源のウィルスの第一波の流行では,日本は幸いなことにほかの国で見られたような大規模な流行にはつながらないで,ギリギリ踏みとどまってきている.

しかし,第一波の流行が大都市圏を中心にまだまだ制御しきれていない中で,既に第二波の流行が始まってきてしまっていると.そういうのが今の日本の状況だと」

「(第二波とは)今,パンデミックの状態になっているので,特に中東,ヨーロッパ,さらにアメリカの大都市を中心にして,非常に大規模な流行が,残念ながら起きてしまっている.

最初に第一波の流行では,ほとんど湖北省から感染者が流入していた.それを遙かに上回る規模で第二波の流行では感染者が日本に流入する.在留邦人が帰国してくる.さらに,既にヨーロッパ等の旅行者等を起点とする感染連鎖が始まっている可能性が非常に高くなっている.

今までの対策を続けているだけでは,第二波は乗り越えられないと我々は考えています」

 

 

 

 

接触が半分以下に減るような,そんな行動変容が起こらないと,流行対策は成功しない」

「今までの対策を続けているだけでは,第二波は乗り越えられない」

 

接触を半分以下に抑えるような対策を求められるのは避けられない.そんな気持ちを抱かせる番組でした.

 

強制力を持った指令が出される?

それとも,市民の自覚を更に促す形で新しい提案が?

 

強制的な指令はなんとか避けて頂けたら.

 

自覚を促す提案でしたらできうる限り従いましょう.

我が家の庭の草花からも元気をもらいながら.

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