植物分類でのダイコンの位置づけ
https://www.sakataseed.co.jp/product/search/code00925002.html ダイコン [大根] - みんなの花図鑑(掲載数:3,406件)
1.大根もラディッシュも種としては同じ
大根基本情報1( http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2019/01/24/021914 )で記したように,
「ダイコンの発祥には諸説あるものの,一般にはカフカスからパレスチナ地帯原産と考えられ,発祥地から西へ伝播(でんぱ)したダイコンは、ヨーロッパでハツカダイコン(ラディッシュ)、クロダイコン、小ダイコンなどに発達して栽培され,東に伝えられたダイコンは、中国の北部と南部に分かれて入り、著しく分化・発達しました.ダイコン(だいこん)とは - コトバンク 」
日本に今ある大根は,世界レベルで見ても「著しく分化・発達」した結果.
そして,種としては,ヨーロッパのラディッシュなどと同じ!
アブラナ目 Brassicales
アブラナ科 Brassicaceae
ダイコン属 Raphanus
ダイコン,ハツカダイコン(ラディッシュ) R. sativus
大きさ,色の違いを知っているので,なかなか信じがたいことですが.
ダイコン属のワイルドラディッシュ(セイヨウノダイコン)は,栽培種であるダイコンやラディッシュとは異なる種とされています.
そして,日本に生育しているハマダイコン(ノダイコン)は,栽培種のダイコンが野生化したものとも言われてきましたが,ワイルドラディッシュと同一種と報告されています.
アブラナ科は野菜の宝庫
アブラナ科には,ダイコンの他にも沢山の野菜が.
野菜の宝庫です.
そして,「ダイコンとハツカダイコンが同じ種」などはあまり驚くことではないのかもしれません.
アブラナと同じ種の野菜,キャベツと同じ種の野菜のバライティーの豊富さは,ビックリするものがあります.
ただ,このアブラナ科における属の分類は,将来,変えられる可能性があります.
遺伝子レベルでの解析が世界中で行われており,新しい属の提案が必要になってきているからです.
例えば,次のような系統樹を見ても,属の名前が入り乱れてしまっていることが分かります.
Edinburgh Journal of Botany Volume 72, Issue 1 March 2015 , pp. 1-11 Molecular phylogeny indicates polyphyly in Raphanus L. (Brassicaceae) Ziffer-Berger, N. Hanin , T. Fogel, K. Mummenhoff