実は,だだちゃ豆が枝豆と言うことを,私は知りませんでした.
知らないことばかり! ということで,続きの紹介の前に,今日は枝豆についていくつか調べたことの羅列で.
枝豆基礎知識1
https://www.alic.go.jp/content/000138391.pdf
まずは
品種と種類
子実用の大豆を未熟なうちに収穫したものが枝豆とばかり思っていましたが.
基本はその通りでも,最近は枝豆用の大豆品種も多いようですね.
農畜産業振興機構の「枝豆の種類と特徴」は次の通り.
えだまめは,大豆の未成熟な豆を食用とする野菜です.もともとは子実用の品種の若さやを食していましたが,現在はえだまめ専用の品種が400品種以上あるといわれています.
主に市場に出回っているえだまめは,粒が中位の大きさで,毛が褐色の極早生(秋田・奥原系),中~大粒で褐色の毛を持つ早生(白鳥系),やや大粒で白い毛を持つ中晩生(白毛系)の3グループに大別できますが,流通の大半を占めるのは白毛系のえだまめ( ‘錦秋‘’奥原早生‘’サッポロミドリ‘’おつな姫‘’湯あがり娘’等)です.
そのほか,地方野菜として根強い需要のある山形県のだだちゃ豆,福島県・秋田県の五葉豆,新潟県の茶豆等,さやや豆が茶色豆系の品種や,丹波地方の黒豆等,地方には独自の品種がいろいろあります.
https://www.alic.go.jp/content/000138391.pdf
だだちゃ豆は地方独自の品種としてはとてもよく知られたブランドなんですね.“枝豆 ブランド”で検索した,他のいくつかのサイトでも必ず取り上げられている品種.
ネット通販でも人気ダントツで,楽天サイトでのランキング(週間)では,ベスト20のうち15がだだちゃ豆!
【楽天市場】枝豆 | 人気ランキング1位~(売れ筋商品) - 週間ランキング
このランキングの残りの五つは,
新潟黑埼茶豆 2
兵庫/京都 丹波黒のえだまめ 3
だだちゃ豆,黑埼茶豆,丹波黒のえだまめ がネット販売での三大ブランドと言うことでしょうか.
その他,“青森の毛豆”も,枝豆の品種を紹介しているほとんどのサイト(ブランド枝豆 枝豆の総合情報サイト えだまめ日和 等)で取り上げていました.
2016年毛豆栽培記録 Archives - 青森毛豆(枝豆) 青森毛豆研究会
枝豆の歴史
https://www.alic.go.jp/content/000138391.pdf 消費者コーナー|農畜産業振興機構 野菜ブック〜食育のために〜|農畜産業振興機構
第2章 食文化にみる大豆こばなし|本の万華鏡 第21回 大豆 -粒よりマメ知識-|国立国会図書館
えだまめを成熟させた大豆の原産地は,東アジア,主に中国北部といわれています.大豆は,日本へは縄文・弥生時代には伝来し,「古事記」や「日本書紀」には米や麦とともに五穀のひとつとして記されています.
しかし,未成熟な豆をえだまめとして食すようになったのがいつ頃か,正確には分かっていません.17世紀末の江戸時代に,枝に付いたままの状態で茹でてそのまま食べ歩く,ファストフード感覚の食物となっていました.
正徳2(1712)年成立の絵入百科事典『倭漢三才図会』の「大豆」の項に「黄大豆」があり,莢が若いうちに食べられることが書かれています .
また,『守貞謾稿』(1837〜)巻6には「江戸は豆の枝を去ず売る故に枝豆という.京坂は枝を除き皮を去ず売る故にさやまめという」 とあり,当時は江戸と京大阪で枝豆の呼び方が違っていたことや,売り歩く際も江戸は豆に枝が付いたまま,京大阪では枝から外した莢の状態だったということがわかります.
第2章 食文化にみる大豆こばなし|本の万華鏡 第21回 大豆 -粒よりマメ知識-|国立国会図書館
なお,未成熟大豆としてのえだまめを食べるという食習慣は,長い間,日本独自のものでしたが,近年の健康志向に伴う日本食ブームや冷凍技術の普及により,北米,ヨーロッパ等海外でも塩ゆでしたえだまめが食べられるようになっています.
古くは田植えの終わったあぜ道に農家の自家用として作っていたので,「あぜまめ」と呼ばれていました.その後,枝付きで売られていたことにより,えだまめが一般的な呼び方となりました.
枝豆のゆで方
昨日とりあげたまんぷく農家メシでは,鶴岡市のだだちゃ豆農家富樫さんのゆで方を教えてもらいました.
http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2018/09/01/013354
yachikusakusaki.hatenablog.com
ゆで時間は「豆の合わせ目が切れ始めたらゆであがり」ということでしたが----
豆が小さい一般の枝豆の場合には合わせ目が切れないことも多いようにも----
富樫家の方法とかなり近い茹で方が,「毛豆のゆで方」として記載されていました.
▽毛豆(青森在来枝豆)のゆで方
毛豆(青森在来枝豆)の茹で方 - 青森毛豆(枝豆) 青森毛豆研究会
ゆで時間は6〜8分とのこと.
なお,この「毛豆のゆで方」で使用する塩分は富樫家3%に対し,4%とかなり多い!
手順
1.鍋にお湯をわかし,お湯の量に対して4%の塩を準備する.
2.毛豆のさやを洗い,水気を切ってボウルに入れる.
1の塩を少々取ってふり,毛をこすり落とすように揉む.
(さらに美味しく!
バットに広げ,5~10分おく.水分とともにアクが出て,汚れも取れる.
アクを水でさっと洗い流したら,沸騰させた湯に残りの塩と豆を一気に入れる.
3.沸騰したお湯に残りの塩を加え,再沸騰したら2を一気に入れて,6~8分程ゆでる.
この時,弱火~中火に保ち,沸騰させない.
(ゆで時間が長いと旨味成分が流出するので,6分を超えたら硬さをチェック.
さやの口が少し開いたらゆで上がりのサイン.
お好みで!やわらかく仕上げたい時はさらに1~2分ゆでる.)
4.ざるにあけ,うちわで扇いで,手早く冷ます.
美味しくゆでるポイント
・収穫,または購入したらすぐにゆでましょう.
・ゆでる前に塩でもみ,うぶ毛を取る
・食べる時の口触りを良くするために余分なうぶ毛を取り除きます.
・ 湯を沸騰させない: 沸騰させないのがコツ.じっくり火を通すことで,デンプン質がゆっくり糖化し,甘みが出ます.
・手早く冷ます.余熱で火が通り,食感や風味や色味が変わってしまわないように手早く冷ますのがポイントです.
・ 冷まして1~2時間おくと,糖化が進みうまみが増します.
▽“枝豆のゆで方”グーグル検索トップのアマノフーズのゆで方では 意外と知られていない!? 「正しい枝豆の茹で方と茹で時間」 | アマノ食堂
・両端を切る
・塩もみ用とはじめからお湯に入れる塩合わせて40g/1リットル
・3〜5分固めにゆでてざるに揚げ,予熱で柔らかくする
との記載が.
▽杉並区の居酒屋.店主の浅倉鼓太郎さん「絶対うまいゆで方」
以前このブログで取り上げた
“NHKBS,食材探検 おかわり!にっぽん選「えだまめ~秋田・大館市~」”
yachikusakusaki.hatenablog.comで紹介された方法です.塩をどれぐらい入れるか,メモし忘れましたが----,
ここでも
・沸騰させない.
・ゆで上がったらすぐに風で冷ます(ただし,熱々で食べてもおいしい)
とのことでした.
①まずは,鞘の両端をカット.この一手間でグーンと味が変わる.
洗って水気を切った枝豆に,たっぷりの塩を振りかけも〜みもみ.
;産毛がとれて滑らかな口当たりに.色つやも良〜くなります.
②火加減も大切.沸き立つ前のお湯に枝豆を入れて,中火でコトコト.
「沸騰前,90℃のお湯でコトコト煮るべし」
;ゆで上がる途中,枝豆に含まれる酵素の働きででん粉が糖に変わり,甘みが増すそうです.
ゆで汁にとけた塩味が先ほどの切り口から豆に入っていきます.
③ゆで時間は4分から6分ほど.お好みのかたさでどうぞ.
④すぐに風で冷ますことで,豆に余熱が入りすぎないようにします.番組では扇風機を使用.
(ただし,朝倉さん曰く「冷ましてもいいし,このまま熱々で食べてもいいです」「熱々の方が香りはする.塩でしめたいときは扇風機で冷ます.お好みで」)
▽追加情報
以前,NHK ためしてガッテンでも,「加える塩は40g /1リットル」を推奨し,
「枝豆の中には塩分が入らないから」と説明していました.
割れるまでゆでたり,両端を切ってゆでた場合には,40g /1リットルでは塩分が多すぎる可能性があるように思います.
実際,両端を切らずに40g /1リットルでゆでた場合でも,「塩味が強すぎる」という方が何人かいました.
私の結論(暫定)
・できるだけ新鮮な枝豆を使用.
・塩もみをしっかり行う.
・たっぷりのお湯でゆでる.
・加える塩はお好みで.
3〜4%(30g〜40g/リットル)が目安.
・ゆでている間,お湯を沸騰させない.
・ゆで時間の目安は4〜8分.お好みの堅さまで.
(必ず堅さを確認.
豆がしっかり入っている枝豆の場合は,半分ほどのさやの口があいたら,ゆで上がりのサイン.
新鮮でない豆の場合はさらに長時間かかります)
・ゆで終わったら,すぐに風でさます
(うちわ or 扇風機).
お好みで熱々でも召し上がれ.