NHKBS梅沢富美男と東野幸治のまんぷく農家メシ!7月14日は,「とうもろこし」.
千葉県山武市(さんむし)・横芝光町(よこしばひかりまち)のとうもろこし農家三軒を訪れ,様々な農家メシを頂きました.
一軒目は昨日取り上げましたが----
yachikusakusaki.hatenablog.com
二軒目を紹介する前に---
日本の食用とうもろこし「スイートコーン」について,少しまとめてみました.
スイートコーンとは:
https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/yasai/0908/yasai1.html
とうもろこしには,様々な品種があります.
主に穀物として利用する硬粒種(フリント種).
家畜の飼料とする「馬歯種(デント種)」.
ポップコーンに利用するのは,「爆粒種(ポップ種)」.
そして,
未成熟トウモロコシを生食用や加工用に用いる「甘味種(スイート種)」.
これが,スイートコーンと呼ばれている品種です.
改めて定義すれば:
スイートコーンとは,「野菜として利用している生食用甘味種の未成熟トウモロコシ」.
種として使えるまで熟すのが完熟.食用は未成熟なんですね.
日本における食用とうもろこし品種の変遷
北海道のとうもろこしにはどんな種類があるのでしょうか? | 北海道野菜(シエラ ファーマー)
とうもろこしは、16世紀後半にポルトガル人によって長崎へ伝来.当時はかための「フリント種」でした.
明治時代になると「スイート種」である「ゴールデンバンタム」がアメリカから導入され,北海道開拓とともに栽培が盛んになりました.
第二次大戦後になると「ゴールデンクロスバンタム」が入り,さらに昭和40年代に「高糖型(スーパースイート種)」の「ハニーバンタム」が人気となりました.
そして昭和60年代に「ピーターコーン」が登場したことでおやつとしての需要が急増しました.これらのスーパースイート種の登場により,フリント種や当初のスイート種はほとんど姿を消してしまいました.
スイートコーンの糖濃度.
スイートコーンの糖度はどれぐらい?とネット上で調べてみたのですが----.
残念ながら今日のところは確実な数字を手に入れられませんでした.現在手に入った値は,バラバラ.
例としていくつか記載しておきます.しいていえば,最後のハニーバンダム・ピーターコーンのしょ糖濃度約9g / 100g が,今のところ最も確からしい値です.
▽サカタのタネの新品種のブリックス値(しょ糖濃度%をほぼ反映): 18.5
▽日本食品成分表「スイートコーン」100グラム当たり
: ブドウ糖2.4g,果糖2.2g,しょ糖3,3g
▽各種“加工用”スイートコーンの総糖量: 3.56〜7.01g/100g
http://www.food-tokachi.jp/research/h09result/kako_corn8-9.pdj
▽ハニーバンダム・ピーターコーン(Super Sweet系 )のしょ糖濃度 :
約9g / 100g (グルコース,フルクトースは各約0.5g,約0.4g//100g)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk1995/44/3/44_3_186/_pdf
スイートコーンの品種
北海道のとうもろこしにはどんな種類があるのでしょうか? | 北海道野菜(シエラ ファーマー)
日本各地で現在多く栽培されている品種
▽北海道 出荷7~10月
品種:ゴールドラッシュ,ゆめのコーン,メローゴールド,ひふみコーン,ピュアホワイト,キャンベラ
▽千葉 出荷5〜8月
品種:ゴールドラッシュ,味来14,恵味,味甘ちゃん,ランチャー,アメリカンドリーム.
▽茨城 出荷5〜9月
品種:味来早生130,味来390,ゴールドラッシュ,サニーショコラ
各品種の特性
北海道のとうもろこしにはどんな種類があるのでしょうか? | 北海道野菜(シエラ ファーマー)
▽イエロー系:実が黄色の甘味が強い品種
・味来
比較的こぶりですが,とうもろこしの中でも非常に糖度が高く,皮が薄く実が柔らかいことから人気となりました
・ゴールドラッシュ
https://www.sakataseed.co.jp/product/search/code00921206.html
とうもろこしの王様と呼ばれ,実がぎっしりと詰まって甘みが強いことが特徴.粒皮が非常に柔らかいため,口の中に皮が残りにくく、後味さっぱり!生でも食べられるほど甘いとうもろこしです
・サニーショコラ
別名「フルーツコーン」と呼ばれ,糖度が非常に高い.粒皮もとても薄く実が柔らかいため,生で食べても美味しく,その美味しさはフルーツ並み.
・恵味(めぐみ)
強い甘さが魅力の生でも食べられるとうもろこしです.鮮やかで光沢のある粒色と粒皮の柔らかさが特徴.糖度の低下が遅い品種で,同種で恵味ゴールドや恵味キュート,などもありますよ
・ミエルコーン
粒の皮が薄く、糖度の高い品種で生食可能.ミエルとは、フランス語で「はちみつのような甘さ」という意味で、名前のごとく甘いです
・ピクニックコーン
かなり小ぶりな品種で.小さなお子様や女性が1本食べきるのにちょうど良いサイズ.しかも、かなり糖度が高くて美味しい.
・キャンベラ
ピーターコーンの後に出た品種.昔懐かしいとうもころこしを食べたい方は
このキャンベラがおススメとのこと.粒の硬さがしっかりとしていて,甘みと旨みも十分あってこれぞとうもろこし!!という味,とのこと
・ハニーバンタム
昭和40年代に日本で人気となった品種.その後、ピーターコーンが登場して以来,姿を消しつつある.
▽バイカラー系:白色と黄色の実が混ざっている品種
・ピーターコーン
https://www.sakataseed.co.jp/product/search/code00921202.html
北海道では生産量が最も多い.道民に最も親しまれる品種と言ってよい.黄粒と白粒が3:1の割合で混じるバイカラーのとうもろこし.
甘くて粒皮がやわらかく食べやすい高糖度型の代表品種のひとつで,昭和60年に登場.
・ゆめのコーン
黄色と白色の粒が3:1で混ざる「バイカラー品種」.糖度の高さ、粒皮の柔らかさが特徴ですが見た目のインパクトで人気があります.糖度の低下が遅い品種です.
▽ホワイト系:実が白色で甘味が強い品種.
・ピュアホワイト
https://www.snowseed.co.jp/products/pd-0231920/
真っ白なとうもろこし.収穫時の平均糖度は15度と,とても甘く生でも食べられるとうもろこし品種.
北海道以外での生産は少なく、希少品種.一粒一粒が甘くクリーミー.
・ロイシーコーン
ピュアホワイトや白い味来よりも,さらに真っ白なとうもろこし
・白い味来
その名の通り、味来が白くなった品種.ロイシーコーンが透き通るような真っ白であるのに対し,白い味来は、真珠のようなクリーミーな白さ.