「さあ始まりました.まんぷく農家メシでございます.よろしくお願いします」
「おねがいします」
「ちょっとですね.見てる方,分かりますか?風がかなり強いところにやって来ました」「はい,はい」
「これ,九十九里浜ですね.後ろ」
「だから,あのね.たまには怒りなさいよ.おればっかりじゃなくて,こいつらに」「なにおですか?」「『農家メシ』に海,関係ねえだろう!」
「ちょっと言わせて頂いて良いですか?特別に?」「はいはい」
「今回,九十九里選んで頂いて,有り難うございます.これからも,東野幸治,よろしくお願いします」「あなたは,ひきょうな男だね!」
私もそう思います.
どうも友近です.
今回頂くのは,夏に欠かせない“とうもろこし”.
定番の茹でたとうもろこしはもちろん,海の幸とのコラボレーション料理や,ヘルシーで簡単なスイーツまで.おいしさいっぱいのレシピが満載です.
黄金色に輝く,甘いとうもろこし.たっぷり頂きます.
▽とうもろこし~千葉県山武市(さんむし)・横芝光町(よこしばひかりまち)
千葉県はとうもろこしの生産量が全国で2位.
作物統計調査 作況調査(野菜) 確報 平成28年産野菜生産出荷統計 野菜調査 2 野菜指定産地の作付面積、収穫量及び出荷量 年次 2016年 |
https://www.alic.go.jp/content/000127160.pdf
特にこのあたり(山武市,横芝光町)が一大生産地なんです.やわらかくてみずみずしいとうもろこしが取れるそうです.
さあ今回頂く農家メシは,こちら.
1軒目「生でもイケる!超~甘とうもろこしを召し上がれ!」
「これはいけるでしょう」
2軒目「芯まで使っちゃう!?お子様コーンプレート」
「心まで使っちゃう?」
3軒目「九十九里の海の幸とコラボ!とうもろこしおつまみ」
「いよいよ来ました.海の幸とのコラボでございます」「おれがずっと言って事が分かるだろう!」
「寒い.風が」「おれはね,だんだん毛が薄くなってきてるんだよ.後ろから,え---.後ろからけが来たらどうするんだよ」「わーわーわーわー風が.わー」
「女優さんなら,今頃,『やってられないわ』って言うよ」「絶対なります」
海だから仕方ないですね,それでは出発しましょう.
一軒目は
「生でもイケる!超~甘とうもろこしを召し上がれ!」
「あ〜,とうもろこしですか?これが.千葉県のここのとうもろこしがおいしいという」
「あ〜こんにちわ.よろしくお願いします」「お世話になります」「どうも,梅沢です」
とうもろこし農家37年,石橋滝夫さん.
「とうもろこしって,北海道のイメージなんですけど,何でこのあたりはとうもろこしに適してるんですか?」「やはりね,あの〜,海岸っぺりで温度がちょっと高いんですよ」
「土はどうなんですか?」「土はね,やはり海岸に近いんで,サラサラ,要するに砂ですね.大雨が降っても,下にすぐしみてって.たまらないから,作物的にはすごく良い土なんですよね」「いいんだ.逆に」
海岸に近いこのあたりは砂地.そのため,とうもろこしの実に余分な水分が行かないんです.だから,味が薄まらず,甘みがギュッと詰まってるんですって.
「大変なんですか?とうもろこしを作るっていうのは?」「そうですね.朝早いんですよ.大体4時頃から収穫して--」
「何で4時から収穫するんですか?」「一番水分を吸い上げてるときがいいんですよ」
石橋さんの家では早朝4時から収穫をはじめます.とうもろこしが一番みずみずしいのは朝方.夜の間に水分や糖分をため込みますが,日が昇ると活発に呼吸して,それらを使ってしまうんです.そのため,収穫は時間との戦い.朝4時から6時ごろまでの2時間で,多いときは3000本も収穫するんですって.これは大変です.
それではちょっと収穫させて頂きましょう.
「これなんか旬です」「これ?そういうふうにすればいいんですか?」
「これはね.梅沢さん.下の方へ,こう,ちょっと強く落とします」「落とす---.はい.これを. うわ!早い.早っ.一気にいった.もうね.『農家メシのトミー』と呼ばれてるんですよ」
「ははははは.ちょっと剥いてもらっていいですか?」「いいですよ.これね,この上から,(絹糸けんし:ひげ を)こう割って.こういう状態です」
「うわ〜うわ〜,すごい」「それでね,梅沢さん.この毛とね,粒の数は同じなんですよ」
「えっ,何で」「これ(茎の先端の穂)が,雄花で」
「これ雄花?」「うん,雄花.花粉が飛びます.そうするとこの毛に受粉して,粒が,1個1個,全部なるんですよ」
とうもろこし栽培(育て方)/農業しよう!野菜栽培(育て方) トウモロコシのひげは何?|JAグループ福岡
茎の先端にある雄花の花粉が,下にあるこちらのひげ,めしべに受粉すると実がついていくんです.
熟す前のとうもろこしを見てみると,たしかにひげと粒がつながっていますね.
https://item.rakuten.co.jp/chii/young-corn-50p/
実は,このとうもろこし.生でも食べられるんです.
「生でも食べられるんですか?」「食べられます」「ちょっと梅沢さん,かじって下さい」
「私,とうもろこしかじるための歯なんですよ」「はははは」「ウサギの歯みたいに」「あなたの歯は,もうとうもろこしかじるための歯?」
「ちょっと前歯が前に出てて---」
「ええ音出すわ.どうですか?」
「うまい」「甘いっすか?」「甘くてうまい」
「食べたい.いいですか?---おいしい.」「おやっさん.うまいやんか」「全然生でいける」「九十九里浜のとうもろこし.こんなうまいと思わなかった」
「これ今日当たりですよ」「当たり」「毎回当たりなんですけど,毎回当たりなんですけど.これ,皆さん.持って帰って下さい.一人三本」(笑い)
「これはいい」「うまいでしょ?」
「じゃ,生以外でもちょっと,とうもろこし料理.お父さん」
ご自宅に移動して,とうもろこし料理頂きましょう.
「立派なうちじゃないの」「だまされたわ,何?これ.すげえ」
出迎えてくれたのは長女の守部恵さん.
「結婚は?」「はい,しました」
「このあたりで?一緒に住んでるの?」「近くに住んでます」
「旦那さんのお仕事は?」「会社員をしております」
「えっ.やってないの?農家?」「私がやってます」「娘さんがやってるの?」
お父さんのようにおいしい野菜を作りたいと,昨年,農家を次ぐ決心をした恵さん.年内にはお子さんも生まれるそうですよ.
「今日はとうもろこし料理ですけど,何を作ってもらえるんですか?」
「茹でてお塩をかけてそのままで」「めっちゃうまいと思いますよ」「茹でたら,甘みがギュッと出ておいしいんじゃない?」
料理1: ゆでとうもろこし
材料: とうもろこし,塩(適量)
作り方:
(1)沸騰したお湯にとうもろこしを入れ,3分ほどゆでる.
(2)とうもろこしをお湯から引上げ,少し熱を冷ましてから塩をふる.
「ええ色.ちょっと色の違いね」
黄金色が更に鮮やかになりました.
ここでお塩を振る---と思いきや.うちわが出てきました.
「すこしあおいで」
「これ,塩今かけないんですか?」
「今かけてしまうと,表面がしわしわになるので,少し熱を取ってから」
※ ワンポイント:ゆでてすぐ塩をふると,実がシワシワになり,張りがなくなるので注意.
「早い,今日も上機嫌やわ.おいしいですか?」「うん,うまい」「うまい」「うまい.まいりました.まいりました」「ホントに参りますよね」
「ゆでたら,やっぱりね.1個1個がちょっと,皮がちょっと張り出して,かんだらプチップチッと,こうね」
「来た甲斐あった.もう,これもらって帰るしかないわ」
「つっこんだら,おならでた.恥ずかしい.すみません.農家メシの農家に向けておならするなんて.ほんと申し訳ございません」「大丈夫です」「ちょうどおならに位置とお腹の位置が」「何してんの」「ホント申し訳ない」
お腹の子もびっくりしますよ.
生でもおいしい,甘〜いとうもろこし.ごちそうさまでした.