まだあまり名前を知られていないヤーコン.
「未利用野菜」とまで呼ばれていますが---
日本調理学会誌の研究論文
「未利用野菜ヤーコンの成分と特徴(著者 奈良井(金山)朝子 麻生慶一)」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience/45/4/45_313/_pdf
レシピを検索するかぎり,ジワリと人気が出てきているのでは?と思われます.
ヤーコン2 どのような調理法があるのでしょうか? yachikusakusaki's blog
日本では,農研機構を中心に新品種も開発され,
ヤーコン種(Smallanthus sonchifolius (Poepp. & Endl.) H. Rob.) | 農研機構
その成分,特にフルクトオリゴ糖(フラクトオリゴ糖)が,「腸内細菌増殖」効果を持つとして,
「ヤーコンは新たな“機能性農産物”となる可能性がある」
と宣伝されています.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/104/9/104_1819/_pdf
そこで,
まずは,ヤーコン中のにフルクトオリゴ糖がどれぐらい含まれているのか?
ネット上で調べてみようと頑張ったのですが---
ヤーコン中のフルクトオリゴ糖
私が求めるデーター=「生のヤーコン塊根中のフルクトオリゴ糖含量」は,意外にも,あまり見つかりません.
乾燥試料中の含量であったり,フルクトオリゴ糖ではなく,より重合度が高いものを含むフルクタン( ≃ イヌリン)であったり----.
私の調べ方が悪いのでしょうが---
仕方がないので,この数字を用い,
“アメリカ人に食べられている野菜中のイヌリンとフルクトオリゴ糖”(ここにはヤーコンはなかった)の一覧
に加えたのが次の表.
イヌリンはフルクタンと同じと考え,フルクトオリゴ糖は,イヌリンの中で,”重合度”(つながっている糖の数)が10以下のものとしたとき
ヤーコン3 勘違いの訂正に追われた夜でした.- yachikusakusaki's blog
のデータです.
文献A1:https://www.agriculturejournals.cz/publicFiles/52863.pdf
文献 B:http://cipotato.org/library/pdfdocs/RTA58114.pdf
文献 C:https://naldc.nal.usda.gov/download/34692/PDF
ヤーコン中には,確かに沢山のフルクトオリゴ糖が含まれています.
しかし他の野菜と比較した場合,それほど高くない!?
この表では,チコリー,デンダライオン(タンポポ若葉),キクイモの値は明らかにヤーコンの上をいっています.
ニンニク,リーキ,タマネギの値は,より小さいけれど,ヤーコンと同程度ともいえる.
私の調べ方が悪いのか?文献Cの他の野菜のデータが高すぎるのか?
ヤーコンは甘い?
そもそも初めにフラクトオリゴ糖が注目されたのは甘味料として.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/eiyogakuzashi1941/44/6/44_6_291/_pdf
そして,ヤーコンには,単糖もかなりの量含まれています.
ブドウ糖 0.3 g / 100 g
果糖 0.9 g / 100 g
しょ糖 1.4 g / 100 g
文献 B:https://naldc.nal.usda.gov/download/34692/PDF
これにフルクトオリゴ糖を加えれば,かなり甘いことになります.
甘み成分のトータル(ブドウ糖+果糖+しょ糖+フルクトオリゴ糖(上の表の“フラクタン”:ほとんど全てフラクトオリゴ糖))=8.8 g / 100 g
一昨日のブログで英語圏の料理を調べたところ,ヤーコンシロップを用いたお菓子のレシピが見つかりましたが,そのような利用法にも納得.