様々な調理に用いられるヤーコン.
成分としてはフルクトオリゴ糖(フラクトオリゴ糖)が多いことから,様々な機能を持っているのではないかと,沢山の研究が行われているようです.
今日はその内容について調べようと思っていたのですが,その前に,
私が大きな勘違いをしていることに気づき,その訂正に追われて,昨日目指したブログを書くところまで到りませんでした.
私の勘違いは2つもあって---
勘違い1.イヌリンとフルクトオリゴ糖の異同について
イヌリンとフルクトオリゴ糖は,ともに1つのグルコース(ブドウ糖)にフルクトース(果糖)がつながった化合物です.
私はフルクトースが沢山付いたものをイヌリン,少ないものをフルクトオリゴ糖と呼ぶのかと思っていたのですが---
これは大間違い(*).
「イヌリンは,フルクトース(フラクトース,果糖)の重合体(つながったもの)で,様々な長さのものが混ざった物質に付けられた名前です.植物の(エネルギー)貯蔵炭水化物として,自然界に広く見出されます」
「フルクトオリゴ糖(フラクトオリゴ糖)は,イヌリンの一部で,(糖鎖の)重合度が10以下のものです(*)」
https://academic.oup.com/jn/article/129/7/1402S/4722577
Inulin is a term applied to a heterogeneous blend of fructose polymers found widely distributed in nature as plant storage carbohydrates.
Oligofructose is a subgroup of inulin, consisting of polymers with a degree of polymerization (DP) ≤10.
https://academic.oup.com/jn/article/129/7/1402S/4722577
(*フラクトオリゴ糖をイヌリンに含めるのは,かなり一般的になっているようです.しかし,私と同じように,フラクトオリゴ糖とイヌリンを別として扱っている研究論文もいくつかあります.執筆者がどのように扱っているかを注意深く読んでいく必要があります.
同様に,フラクトオリゴ糖の定義:重合度10以下,についての異説もあるようで,例えば3つまでとしている研究者もいました)
勘違い2.キクイモのイヌリン
ヤーコンは,分類上,キクイモとかなり近い植物です.
このキクイモ.「イヌリンが多い」事でよく知られていますが,ゴボウより少ないと思っていました.
また,私はこのイヌリンはフルクトースが「沢山」つながったものだとばかり思っていました.
しかし,これらは正しくないことが分かりました.
▽キクイモのイヌリンの量として,とても高い値を報告している例がありました.
新鮮な根100グラム中に11グラム!
▽そして,その平均重合度は3.9と記載されていました.
かなりのフルクトオリゴ糖が含まれている!
キクイモとヤーコンとは,植物分類上で近いばかりか,フルクトオリゴ糖の量とその重合度もかなり近いということになります.
一昨日のブログ,さらには1年ほど前のキクイモの記事の訂正に追われた夜でした.