アルテミシア Artemisia.
ヨモギ属のカタカナ名にして,ラテン名です.
ギリシャ神話の女神アルテミス;ローマ神話ではディアス,英語名はダイアナ,アポローンの妹),からとられた名前.
ギリシャ神話の中でも最も勇敢で,カッコイイ女神です.
Greek goddess Artemis - Google 検索
“狩猟、貞節と月の女神”
ただし,もともとは狩猟・貞潔の女神のみだったようで,
その後,月の女神・闇の女神,出産の守護神,さらには,子供の守護神ともされるように. アルテミス - Wikipedia
ヨモギ属になぜ,この様なステキな女神アルテミスに因んだ名前が付けられているかは諸説あるようで,---
日本語のサイトでは,出産の際にヨモギ属植物を用いたため,出産の女神アルテミスの名前を属名としたという記述がありましたが,英語のサイトではこの説は見つかりません.
そのかわり次の二説が:
1. アルテミスに因んだ名前を持っていたギリシャの女王アルテミシア一世または二世から.アルテミシア二世は園芸家にして医学研究者だったそうです.
2. ギリシャ語のヨモギの名前から.アルテミスに捧げられる草であったため.
https://en.oxforddictionaries.com/definition/artemisia
いずれにせよ,ギリシャ神話の女神,しかもオリュンポス十二神の一柱アルテミスの名前を付けられている!
ヨモギ属はヨーロッパでもハーブ・生薬として,そして鑑賞用としても大切にされてきたようですね.
そして,近年このヨモギ属の名前を一躍,世界的なレベルで高めたのが,
Artemisia annua.
日本語名は“クソニンジン”
やはり植物には良い名前を付けてあげるべき.
なぜなら,この植物からとられた化合物(アルテミシニン/アルテスネート/アルテメター)がマラリアの特効薬だった!
発見者屠 呦呦(と・ゆうゆう 中国)は,大村智博士と同じ年にノーベル賞を受賞(2015).
ヨモギ属の植物は,古来ハーブ・生薬として使われてきましたが,この様な薬の発見につながるとは誰も思いつかないことでした.
改めてヨモギは
キク目 Asterales
キク科 Asteraceae
キク亜科 Asteroideae
ヨモギ属 Artemisia
ヨモギ A. indica var. maximowiczii
日本に自生するヨモギ属には,鑑賞用の種も.
そして,欧米で香料や苦味として今も用いられている種も.