外国人への大ギモン!なぜ外国人は○○するの?
2月19日 日曜日
司会 鴻上尚志 リサ・ステッグマイヤー,ご意見番 荒俣 宏
Risa Stegmayer (@risastegmayer) | Instagram photos and videos
「なぜ外国人は○○するの?です」
「外国人の皆さんが,日本人の行動に疑問を持つように,我々も身近に接する外国人の方々に疑問を持つ,と言うわけですね.荒俣さん?」
「もっと言うと,不可解なのが多いね」
さあ,
日本人が抱く外国人への大疑問!まずは日本人のサラリーマンから出た大疑問です.
外国人と仕事をするビジネスマンはどんな疑問を感じているのか.海外との仕事も多いという精密機器メーカーで,アンケートに協力してもらいました.
まず出てきたのは,時間に関する疑問.
「大体,アポの時間からおくれます.この傾向は,国って言うよりも気候の違いで,南の方へいくと顕著になりますね.だから,スタート時間より,30分,1時間遅れるってのは結構あります」
「as soon as possibleとメイルに書いてあるのですけど,さほど急いでない.これ書くのアメリカ人ですよね.日本人,そう書かれると,徹夜で資料出したりするんですけど,あんまり,急いでないみたいだなと.ちょっとその最たるものが,一生懸命対応したら,(相手が)長期休暇になって,out of office=休暇中.あんまり急いでなかったんだな,と」
こちらもアメリカ人への疑問.
「ハグしたりしますよね.あれが--.そういうのが日本人は慣れてないので,皆さん,どのレベルから,握手からハグに進むのかなと.ちょっと嫌だなって思う相手だったりした場合も,どうするのかなと」
「アメリカ人の体感温度が自分と違うなって思うことが結構あって,とにかく夏は室内の温度の設定が低すぎて,何度かちょっとよく分からないですけど,本当に寒いです」
また,ミスしたときの対応にも違いがあるようです.
「再発防止とか,多分,日本だと考えて,次回はこういうことが起きないように--うんぬんみたいなことがオフィスだと多いような気がするんですけど,そこまでギシギシ追求しないというか.まあ分かってるんだろうから,もう言わないよみたいな雰囲気があるような気がします.逆に追求されるのも多分,嫌がるというか---」
ビジネスにもいろいろなカルチャーギャップがあるんですね.
海外にクラス日本人にも聞いた結果,今回はこんな疑問に注目.
『外国人への大疑問!なぜ外国人は謝らないの?』
皆さん,そんな経験あるのか,新橋でサラリーマンに聞きました.
◎外国人は遅刻しても謝らない?:4人中4人ともYES
「謝らないですよね.理由は説明するかもしれないけど」
では
◎外国人は仕事でミスしても謝らない?:2人中2人ともYES
「日本人は『すみません』が入るけど,アメリカ人は『お願いがあるんだけど』って入ってくる」
「やっぱり,立場をどう強くするかっていうところ,すごく考えてますね.彼らはね」
一方,こんな意見も.
「あんまり言わないけど,本当に悪いと,言う.パーソナルな関係の間では『ごめんなさい』って言う」「ああ,そう.パーソナルは言う!言うけれど,会社のオフィシャルなところでは,『ごめんなさい』は言わなかった」「なるべく言わないように---」「言わないようにしている」
「日本人が謝りすぎなんじゃないですかね」
では,こんな質問
◎日本人は謝りすぎだと思う?
:4人中3人がYES / 3人中3人ともYES
「直ぐ謝る」「自虐的なところがある」「とりあえず謝ったほうが得みたいな」「たしかに」
◎なぜ日本人は謝るんでしょうか?
「形が大事だもんね,日本の人っていうのはね」「謙虚さを示すみたいな」「自分は悪くなくても相手に迷惑をかけちゃった時とかっていうのは,やっぱり日本人は,そういうところにも気がつくんで、謝るんですよ.多分」「そういう意味では.日本人の相手のことを思いやって,相手がどう思ったかまで踏み込んで,その上で謝れるっていうのは美徳だと思います」
スタジオの皆さん,どう思いますか?
鴻上「いろいろ出てきましたね.VTR見ている間のスタジオがうるさい事うるさい事」
◎「なんでミスをしても謝らないのかということを言っておりましたけれど.
当てはまる.私の国も基本的にはミスをしても謝らないと,原則そうだって言う方は
----アメリカ,フィリピン,中国,イタリア,ブラジル
(フランス,ニュージーランド,イギリスはNO)」
「おっ.フランス,謝る?」(笑い声)
サンドリア(フランス)「大きなミスをしたら謝りますよ」(大きな笑い声)
「ほんとに?」
サンドリア(フランス)「何をミスというかが問題ね」
アーロン(ニュージーランド)「普通は謝るけれど,法的な問題になるのなら我慢するよ」
「そうかそうか」
「それでは,外国の皆さんはどんな場面だったら謝るのか.いくつか例を挙げて聞いてみましょう」
◎バスが遅刻して待ち合わせに遅刻した.謝りますか?:
YES:6,NO:2(フィリピン,中国)
シュエ(中国)「悪いのはバスよ」
「それはフィリピンも同じなんだね?」
ミジュル(フィリピン)「マニラは渋滞がひどいのよ」
「そうか,いちいち謝っている場合じゃない」
「あれ,イギリス?ロンドンの地下鉄が遅れても誰も謝らないよ」
トーマス(イギリス)「その通りですね.でも,僕はロンドン出身じゃないんです」
「ほんとかな,みんな.be honestよ.正直に答えてよ.サンドリン、本当?」
サンドリン(フランス)「謝るわよ.本心じゃないけどね」
フラビオ(イタリア)「どれ位遅れたかによるよね」
「ああ,そっか.5分だったら謝らないとか」
フラビオ(イタリア)「もちろん,謝らないよ」
「それ,グッドクエスチョンだね.ちょっと待て待て,5分遅れても謝る!」
◎5分遅れても謝る?:
YES:1(ニュージーランド),NO:7
「ウワー,来たね,来たね,フラビオ,今の良い質問だね!グッドクエスチョンだね!.OK.10min. If you are late」
◎10分遅れたら謝る?:
YES:1(ニュージーランド),微妙/大体:4, NO:3(中国,ブラジル,フィリピン)
「ああー.なるほど.10分位が大体になってくる訳か」
サンドリン(フランス)「5分でも外の寒い場所で待たせたら謝ると思うわ」
「そか,でもカフェとかだったら?」
サンドリン(フランス)「カフェだったら15分でも謝らないと思うわ」
「じゃあ,×じゃないか.サンドリアン.それは×だよ」
続いてのお題
◎自分のせいで取り引きに失敗した.同じチームの人に謝りますか?
「おっ,おっと来た!おお来たな!」
:YES:2(フランス,ニュージーランド), NO:6
「謝らない?」
ピーター(アメリカ)「僕は謝るけど,多くのアメリカ人は人のせいにするんだ.私のせいではない,彼が失敗したんだ!と」
「人のせいにするんだ」
ピーター(アメリカ)「そのとおりです」
「例えば,この番組の収録の時間が1時から3時に変わりました.みんなに伝えといて下さいねって言ったのに,それを忘れてしまった.で,ピーター『何で!お前が連絡しなかったからだ』って言ったら,ピーター何て言うの?」
ピーター(アメリカ)「僕のせいではないです.なぜか分からない.『みんなにメール送ったのに,届いてない?』って」
全員「そんなのウソよ」
ピーター(アメリカ)「僕はしないよ!でも,一般的にはやるんだ」
「それを,ウソをついてまで謝らないんだ」
ピーター(アメリカ)「多くの人はやるんです」
サンドリン(フランス)「フランスで,そんな事言ったらケンカになるわ」
ピーター(アメリカ)「僕は,フランス人じゃないから」
「イタリアも謝らない」
フラビオ(イタリア)「謝罪の扉を開けるのはとても危険なんだ.もし開けると,ボコボコにされるよ.だから,誰も確認できないことを言い訳にするんです」
ハファエレ(ブラジル)「謝るのは難しいわ.弱さを見せる事になるからよ.とても危険な事なの.日本では理解してもらえるけど,ブラジルで謝ると罰を受ける事になるわ」
「なるほど.中国も謝らない?」
シュエ(中国)「中国で謝るとメンツをつぶす事になるんです.中国はメンツを大事にしているので,同僚の前でメンツをつぶされるのはイヤなのよ」
「なるほど,そうか.ということは,皆さんは小さい頃から,親に『悪い事をしたら,ちゃんと謝るんですよ』っていうふうには,教わってきたわけ?」
全員うなずく「教わりました」
「教わってきたんだね」
◎「なぜ,仕事では謝らないの?」
ミジュル(フィリピン)「もし,私が謝ってしまったら,相手は許さざるを得ないわ.それも良くないですよね」
「うーん.なるほど」
フラビオ(イタリア)「イタリアでは,家族や友人など,親しい人には謝ります.でも,学校や職場はお互いを食い合う競争社会です.まわりは全部敵なんです.謝罪したら負けなんですよ」
シュエ(中国)「親や友人を見て,どうやって自分のメンツを保つか学ぶの.メンツは一度失ってしまうと,取り戻すのはとても難しいの」
◎日本人は謝りすぎだと思いますか?
:YES:5, NO:3(イタリア,フランス,ニュージーランド)
シュエ(中国)「謝りすぎだと思うわ.日本の企業で働いていると,同僚が謝る事があります.それは,追求を避けるために謝っているように思えるわ.尋ねたい事があっても,『ごめんなさい』で会話を終わらせるの」
「『(手を挙げてお辞儀して)申し訳ない』みたいな?
シュエ(中国)「そのとおり.(手を挙げて)ソーリー,ソーリー.日本の学校に通う息子もよく謝るの.習慣のようになってるわ」
「なるほど.トーマスも謝りすぎだと思う?」
トーマス(イギリス)「日本人は---ある日本人は,本当に思っていなくても『ごめんなさい』と言いますよね.自動的に言っちゃうんだと思います.頼むときも『申し訳ございませんが』が定型文なんです.イギリスでは『ありがとう』と言います」
うなずく鴻上
サンドリン(フランス)「日本は攻撃的な国ではないわ.誠実に謝るからよ.フランスではどなり合いのケンカになるの.でも,誠実に謝罪すればそんな緊張は解けると思うの.だから,日本のほうが穏やかに暮らせるんだと思うわ」
「うーん.なるほど」
「それでは今回はいつもと逆に,日本人の鴻上さんと荒俣さんが外国人の主張に納得したか,聞いてみたいと思います.よろしいですか?」
◎謝らない外国人はクールですか?それともノットクールですか?
鴻上:NOT COOL
荒俣「難しい,こっちかな?」:COOL
「分かれた」
鴻上「本当に自分が悪いときに,ビジネスにおいてですよ.どう考えても自分が悪いんだからっていう時は,やっぱ,謝っとかないと,次に進まないじゃないか,っていう気が,僕なんかはしますからね」
「続いて荒俣さん」
荒俣「はい,何かね,よくあるんですよ.確かに海外に行くと.特にトラブルがあると向こうは絶対謝らない.ホテルでミスがあっても客のせいになるっていうんで,何度ケンカしたか.でもね,全然,改善しないんですよね.それを経験しているうちに,だんだん可愛くなってきました.この人たち,逆に大変だと思うんだよ.私は悪くないってやってるのは.なにか気の毒だなっていうのも含めて,一番,賢い方法だと思います」
「わかりました.何か,大人の意見ですね」
荒俣「そう,大人なの.大人なんです」