街頭で選ばれたニュースを東京国際大学の留学生が“驚き”を基準に採点.
“驚いたニッポンのニュース”トップ25が決定.
一体何に驚いたのか?
23カ国30人の外国人がスタジオに集結.ニッポンのNewsを徹底討論
新春クールジャパン.
世界が驚いたニッポンのニュース.新春スペシャル2020.
【出演】荒俣宏,【司会】鴻上尚史,リサ・ステッグマイヤー,【語り】日高のり子,中井和哉
25位〜20位
http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2020/01/04/222523
19位〜17位
http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2020/01/05/222218
16位〜14位
http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2020/01/06/223314
13位〜11位
http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2020/01/07/235000
「トップテンの発表です」
「さあ,後半も盛り上がっていくぞ!」
(歓声)
「お前ら,待て.人の話を聞け!」
「はい,いきましょう」
外国人が驚いたニッポンのNEWS
第10位 衝撃!ニッポンザルの謎の行動
電線を渡るサル むつ市 - Google 検索
YouTube
電線を器用に渡るサルの大群.中には落ちそうになりながらも必死に渡っていくサルも.その数,少なくとも20匹.
下北半島のニホンザルは,世界でも最も北に生息し,北限のサルと呼ばれる国の天然記念物.
そんな北限に生きるサルも,やっぱり雪が冷たかったんですかね.
外国人が驚いたニッポンのNEWS
第9位 ノーベル化学賞 吉野彰さん
2019年のノーベル化学賞を受賞した吉野彰さん.
吉野さん「もし,順番が来たら,絶対にとりますよということは,以前から申しておりました.が,まさか,まさか!でございます」
笑顔の印象的な吉野さんは,現在,様々な電子機器に使われているリチウムイオン電池の生みの親.従来の電池に比べ,小型で軽量.繰り返しの充電に強いことから,スマートフォンやカメラなど,現代人の生活には欠かせないものになりました.
大学院を卒業後,民間の企業に入り,研究開発を続けた吉野さん.80年代に,リチウムイオン電池の電極に特殊な炭素を使うことで安全性が高くなることを発見したのです.
吉野さん「苦しいときは本当に苦しいんですけれど,必ずどこかにゴールがありますよと.そこには必ず宝物がありますよと.これさえ自信を持てればですね,途中どんな苦しいことがあっても,何とか乗り越えることができる」
日本企業の底力を感じるニュースでした.
外国人が驚いたニッポンのNEWS
第8位 キラキラネーム 改名認める
去年3月,甲府家庭裁判所が,キラキラネームで苦しむ男性の改名を認めました.
その男性のかつての名前は“赤池王子”様.
それを,肇に改名したのです.
https://annneme.net/akaikeoojisama-hajime-yamanasi-kaogazou-3417
Twitter@KenkenSushi
これまで,学校で自己紹介をするときなど,様々な場面で笑われてきたといいます.
平成に入ってから急増したと言われるキラキラネーム.
(不思議ふしぎ,澄海すかい,心愛ここあ,天愛ティアラ,騎士ナイト----)
最近子供が産まれた人に,このニュースの感想を伺うと,
「本人が選べるわけじゃないですね.名前は.なので,大人になったりとかして,自分で名前を決めるっていうのも,一つの権利として許されるなら,あった方がいい.できるならですね.ちょっとさみしいけど」(赤ちゃんの名前は“麻莉杏まりあ”ちゃん)
「子ども---何らかの,やっぱ,愛情を持って決めてるので,最初はね.それでも嫌かどうかっていうのは,物心ついて,それでも嫌だったら,変えればいいと思うし」(赤ちゃんの名前は“新波しんば”くん)
「今って,なんか,相当な理由がないと変えられないじゃないですか.だから,一旦,その仮の名前にしといて,後で自分で決められるようになったら,ちょっと話し合って決めるみたいな制度があればいいな」
キラキラネームの改名.外国人の皆さんどう思いますか?
外国人が驚いたニッポンのNEWS
第7位 新宿駅 案内板が話題に!
去年,新宿駅周辺で撮影された個性的な案内板が,ネットニュースで話題になりました.
その案内板がこちら.
SNSには,
「昔から大好き」「すごい職人技」「日本のバンクシー」などのコメントが.
実はこの案内板,ガムテープで作られているんです.
去年6月には,新たな巨大看板が続々登場.話題となっています.
なかなか個性的な案内板ですが,一体,誰が? どうやって?
作っているのでしょうか.
新宿駅のサラさ〜ん.
サラ(イタリア)「はい,現場のサラです.話題の案内板の秘密に迫りたいと思います.
あっ.ありましたね.話題の案内板です」
工事車両の出入り口に,話題の案内板がありました.
サラ(イタリア)「安全第一,出入り口ね.本当にガムテープなのね.皆さん分かりますか?驚きでしょ?」
サラ(イタリア)「皆さん!来ました!彼がガムテープ文字のデザイナーです.初めまして」
佐藤さん「今日は」
ガムテープで文字を作った佐藤修悦さんです.
佐藤さんは,工事現場で,通行人や作業員の安全を守る誘導員.仕事の合間を縫って,案内板を作っているそうです.
独特な丸みがあるこの文字.佐藤さんの名前にちなみ,修悦体と呼ばれています.
佐藤さん「ここが私の作業現場になります」
誘導員の休憩所が,佐藤さんのアトリエ.さっそく簡単な案内板を作ってもらいました.
先ず,文字の縦線になる部分を張っていきます.
続いて横の線.
佐藤さん「テープはこれでおしまいになります」
サラ(イタリア)「まだ分からないわ」
次に余分かカ所を切り取ります.下書きをしないで一気に作るのが佐藤流.
ここで一工夫.切り取った角を内側に貼り付けます.
修悦体独特の丸みが出てきました,
読む人に優しい印象を与えたいと考えたものです.
佐藤さん「はい,これで完成です.どうですか?」
スタジオ拍手歓声.
「すばらしいわ」「出口と矢印ね」「ホント,独特な文字だわ」
(代わりにYouTubeから)
10分ほどで完成.
こうして佐藤さんが作った案内板は,今までに500以上に上ります.
サラ(イタリア)「なぜ,ガムテープで案内板を作ろうとしたのですか?」
佐藤さん「新宿駅の改良工事が15〜16年前に始まったんですけれども,地下通路が狭くなったり,急に通れなくなったり.利用される方が,次から次へと同じ質問をしてくるわけですね.
『何番線から出ますか?』とか『出口はどこですか?』と.朝から晩まで,それをくり返すと,もう疲れはてて---」
そこで,身近にあったガムテープで,ホームの番号と矢印を大きく書いたところ,そうしましたら,お客様が目の前に来て質問することなく,自分の判断で右と左に流れたんですよ.
しめたと思いましたね.はい」
駅長さんにも大受け.いろんな場所の案内板をリクエストされました.
サラ(イタリア)「私も佐藤さんにお願いがあるんです」
佐藤さん「デート!?」
サラ(イタリア)「違います」
それは,特大の年賀状.どんなものができるのか?完成品はスタジオで.
「すごい」
「まあ,まず,サルの映像はすごかったですね.あれは話題になりましたね」
「ねえ,かわいいですね」「ノーベル賞も,やっぱりね.これから先---.今は,昔の遺産で大丈夫なんだけど,これから先は,日本の基礎研究とかは,どうなるかって,みんな心配してますけどね」「はい」
「さあ,まずはガムテープ文字からいきましょうか」「ほう!」
「現場で見てきたサラさん.いかがでしたか?」
サラ(イタリア)「すばらしい体験でした.だって,佐藤さんは,面白くてステキな人なの.驚いたのは,彼が案内板を無償で作ってる事よ.イタリアだったら,自分の仕事以外はしないわ」
「みんな,どう思いましたか?What do you think?」
「アメージング」「すばらしいわ」
「すごいね」「彼はアーティストよ」
エレナ(スペイン)「これは,美術館レベルよ.現代アートだわ」
オクサナ(ロシア)「多くの日本人と同じように,佐藤さんも真剣に仕事をしている.それを自分のためだけでなく,他人のためにやってるのがスゴイ」
「そうね.あんだけのことやりながら,金もらってないって,どうよ?」
「じゃあ,皆さんに聞いてみましょか」
「自分の仕事以外のことでもする,という人は金.しないという人は赤をあげて下さい.それでは一斉にどうぞ.
ニッポンのNEWS
自分の仕事以外のことでもする?
金:する 17, 赤:しない 13
「お〜.あっ,ちょっと分かれたか」「半分ぐらい」
「ヘザーとピーター(二人ともアメリカ)が分かれるのがいいね」
ヘザー(アメリカ)金「私のような善良なアメリカ人は多いわ.でも,仕事以外のことをするのは,出世のためよ」「なるほど.ピーター」
ピーター(アメリカ)赤「善良なアメリカ人も中にはいるよ.でも,一般論として,無償で会社の清掃を頼んだら,答えは『NO』だ」「うん,なるほど」
「あれ,中国,分かれましたよね」
カイリン(中国)赤「中国なんて,給料をもらっても,100%の仕事すら,しない人がいる」(笑い)
「ちょっと,言ってる---シュエ,どうよ」
シュエ(中国)「私は,違う意見よ.特に高齢者の多くが無償で仕事をしているわ.社会から必要とされたいという理由でね」
「あっ,そう.じゃあ,何で佐藤さんはするんだと思う?ノーペイ,ノーフィーなんだけど」
リア(バルバドス)「効率の問題よ.仕事がやりやすくなるからなの.文字はステキだけど,目的は仕事を楽にするためよ」
ハイケ(ドイツ)「趣味なのよ.趣味として楽しんでると思う」「なうほどね」
「さあ,それでは,どんな年賀状が出来上がったのでしょうか.見て見ましょう!お願いします」
拍手・歓声
荒俣さん「おお〜良くできてるね」
「すごい」「すごいね」「門松もテープだよ」「すごいな」
「あの人は,あれだね.やっぱり好きだったんだね.そして,濁点の表し方がすごいね」
「アートですよね」「この手があったかっていう」
ジニー(オーストラリア)「売ってくれる?」(爆笑)
ヘザー(アメリカ)「佐藤さんのステキな笑顔を思い浮かべながら,この文字を見ていると,いとおしくなっちゃうわね」
フラビオ(イタリア)「日本では,手書きの文字を見なくなったよね.今では何でもデジタルで作ってしまう.佐藤さんの文字を見ると懐かしい感じでいいよね」
「次は,キラキラネームのニュース」
「はい,ちなみに,辞書によりますと,キラキラネームとは,『通常の名付けの型にはまらない名前.漢字の特異な当て字によるもの(大辞林)』だそうです」
「キラキラネームという,一度,ちょっとだけ,クールジャパンでも言いましたけど,皆さんの国でもありますか?先ず質問しましょう」
「じゃあ,聞いてみましょう.一斉にどうぞ」
ニッポンのNEWS
皆さんの国に,キラキラネームはある?
金:ある 21 , 赤:ない 9
「ほぼあるんだ,みんな!アメリカは?For example?」
ピーター(アメリカ)「『テスラ(車)』『スケッチ(画材)』『コイ(鯉)』だね.ものの名前がキラキラネームになるんだ」
「あっ,そう.あっフランスもある?」
ニコレ(フランス)「フランスはクリスチャン名が多いんだけど,フルーツの名前がキラキラネームだね.『ブルーベリー』『チェリー』『プラム』とか.そういう名前が多いね」
「待って待って,ないっていう---中国はないの?」
シュエ(中国)「家族会議で名前を真剣に考えるんです.親だけではなく祖父母もね」
「そうか,親戚中が大騒ぎになるわけだ」
シュエ(中国)「そうです」「なるほど」
ヨハンナ(スウェーデン)「スウェーデンには法律があるんです」「Low?」
ヨハンナ(スウェーデン)「イエス.例えば,悪い意味の名前は違法なんです.『プリンセス』や『悪魔』もダメよ」
「それは,法律でどのように規定するの?」
ヨハンナ(スウェーデン)「使えない名前のリストよ」
「リスト!そう.それは,皆さんの国でも,そういうキラキラネームって増えてる?」
ヘザー(アメリカ)「増えてます」
「あっ増えている.日本で増えてる理由と,皆さんの国で増えてる理由っていうのは,おんなじ?それとも違う感じがする?」
ニッポンのNEWS
キラキラネームが増えている理由は?
ハイケ(ドイツ)「同じだと思う.昔は,似たような名前ばかりだったけど,今は,名前で子どもに特別感を出してるの」
「じゃあ一緒か.あとは?」
シニパー(タイ)「タイは迷信好きの人が多いから,お金や運に恵まれるように名前をキラキラにするの.読みづらい名前ばかりよ」
ニコレ(フランス)「ただ,日本はキラキラネームが目立つんだ.フランスは移民の国だから,いろんな名前であふれてるよ」
「あ〜そうか.それはあるね.さあ,ご意見番.言葉に関するニュースがいろいろ出ましたけれど,いかがでしたか?」
荒俣さん「あの,キラキラネームで言うと,日本語の特殊な用法があって,漢字使ってるじゃないですか.でも,もともとは,大和言葉っつって,日本人の言葉がタロウとかサスケっていうのは,別に漢字じゃなかったわけですよ.でも,これに漢字をどんどん当ててったわけですねよね.
そうすると,今の法律は漢字は決めてるんですよ.でも,読み方まで決めていないので---そうすると日本語は変で,例えば,日にちの日って漢字ね.『ひ』って読むんだけど,『にち』とも読むし.
それで,キラキラネームの人が,じゃあ,それをうまく使いましょうね.ということで,日本語の特質だと思いますね.それで,キラキラするような名前ができてきてしまったんじゃないかしら」
「まあ,日本のいい意味でのいい加減さを見た気持ちがしました」