世界を変えたニッポンの大発明 スペシャル3 第6位は,外国人観光客にも大人気.珍しい動物たちと触れあえる“動物カフェ”.第5位は 1993年の発売,電動アシスト自転車.第4位は,世界が注目する日本の言葉『いきがい』.きっかけは2016年出版の本「IKIGAI」「(同じ意味の単語は)アメリカにはありません」「日本に昔からあったのは『死にがい』」「生きることって,手応えなかった」「それをあえて積極的に生きることに『かい』を求めようとしたのが『生きがい』」  NHKBS1 COOL JAPAN

COOL JAPAN〜発掘!かっこいいニッポン〜  NHK BS1

「世界を変えたニッポンの大発明スペシャル」 

MC 鴻上尚史 (演出家・作家)

MC リサ・ステッグマイヤー (タレント)

ご意見番 荒俣宏

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世界を変えたニッポンの大発明 スペシャル2

世界を変えたニッポンの大発明 3

第6位は,

今や外国人観光客にも大人気.珍しい動物たちと触れあえる“動物カフェ”

「希少動物に会える」「日本の観光名所」「型破りな発想だ」「時間を忘れちゃう」

と絶賛.

 

元祖動物カフェといえば,猫カフェ

しかし,猫カフェの発祥は台湾と言われています.店主が飼い猫をお店に連れてきたのが始まり.

その猫カフェが,日本で,珍しい動物と触れあえる動物カフェに進化.絶滅危惧種を守る活動をしている店も.

(映像)「何てかわいいの?」

動物カフェは,外国人に大人気.自分の国では触れられない動物たちにもうメロメロ.

猫から希少動物まで,様々な動物カフェが登場しています.

 

 

続いて,

第5位に選ばれたのは,

モーター付きで楽々こげる,1993年の発売,電動アシスト自転車

「坂道でも疲れない」「オートバイよりエコだ」「ぼく,乗ってます」「サイクリング最高」

と,地球に優しい発明と絶賛.

 

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電動アシスト自転車の歴史はヤマハPASから - 電動自転車 | ヤマハ発動機

開発した大手オートバイメーカーを取材しました.

携わった石井謙司さん(商品企画リーダー)です.

開発の理由は?

石井さん「オートバイ業界としては,非常に逆風というか---」

1986年,ヘルメット着用の義務で,髪型を気にする女性のオートバイ離れが加速.打開策として考えられたのが,ヘルメットも免許もいらない自転車にモーターをつけること.

しくみは,ペダルをこぐ力をセンサーが自動的に感知.力の半分をモーターが肩代わりするというものです.

開発を始めてから3年.どんな道でもスムーズに走れる殿堂アシストモーターが完成.現在はおしゃれなスポーツタイプも登場しました.

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電動アシスト自転車 おしゃれ ヤマハ - Google 検索

オートバイに比べ,空気を汚さない乗り物としてエコ意識の高い欧米で大人気となっています.

 

 

世界を変えたニッポンの大発明.

第4位は,世界に広がる言葉.

世界が注目する日本の言葉.それが,『いきがい』

「日本人の哲学よ」「世界に広がる言葉」「まさに生きる意味」「初めての価値観ね」

 

今,海外の企業研修やカウンセリングで,「いきがい」という言葉が使われ始めています.

きっかけは,2016年出版の本.その名もIKIGAI.

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Ikigai : Hector Garcia : 9781786330895

 

著者は,日本在住のスペイン人.エクトル・ガルシアさん.

エクトルさん「僕はスペイン人ですけど.スペインには“いきがい”にあたる言葉がない」

 

当時,仕事に行き詰まり,生き方を悩んでいたエクトルさん.

沖縄に“長寿の里”と呼ばれる村があると知り,どんな生き方をしているのか見に行きました.

そこで出会ったのは,高齢でも笑顔で明るく働くおばあたち.

「やるべきことがあったら,長生きしたくなるもんさ」 

この言葉を聞いたエクトルさんは,

「得意なこと」「好きなこと」「社会から必要とされること」「収入が得られること」.それが重なったところを日本では「生きがい」と呼ぶのだと考えたのです.

エクトルさん「すごくシンプルなことだけで,みんな生きがいを持って笑顔で生きていく.一番気づいたこと」

沖縄で気づいた日本人の生き方を外国人の視点で紹介.各国で出版され,ベストセラーとなっているのです.人生に意義や満足感,幸福感をもたらすこと.それこそが「生きがい」なのだと書かれています.

このコロナ禍の時代,世界が生きがいを求めているのかもしれません.

 

以上第4位までの発表でした.

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「う〜ん.また,この
日本人がよく知らない---.『生きがい』が---?」「ね〜」

「生きがいっていう言葉,知ってましたか?」

  7人/8人

 

「は〜!みんな---あっ,そう.なるほど」

ハファエレ(ブラジル)「最初に聞いたときのことを覚えてるわ.日本の会社での面接で,面接官がこう言ったの.『What your Ikigai?』.What is this?」

「ちょっと待って,ちょっと待って.じゃあ,皆さんの国に生きがいという言葉にあたる単語はないの?」

ヘザー(アメリカ)アメリカにはありません.似た考えはありますが,単語はありません」

「あ,そう.中国もないか」

ソウ(中国)「似たような言葉ならありますよ.“活出来了”.意味は”幸せに生きる”です」

「なるほど.イタリアは?」

フラビオ(イタリア)「イタリアには“生きる喜び”という言葉があります.Joy of living」

「なるほどね.でも,ちょっと違うな」

フラビオ(イタリア)「同じじゃありません」

「”生きる喜び”と“生きがい”だもんね」

「さあ,ここで,『Ikigai』の著者,エクトルさんが感じた“生きがい”のイラストを改めて見てみましょう.

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「『得意なこと』『好きなこと』『収入が得られる』『社会から必要とされる』.この四つが重なる部分が『生きがい』だと分析しているんです」

「どうですか.この定義.どう?これ,アントニオ,知っていた?」

アントニオ(スペイン)「ネットで見たことがあります.『社会から必要とされる』は,とても日本的な考えだね.仕事に情熱を傾け,成し遂げようとする.それが生きがいにつながっているんだね.スペインにそうした考えはないよ」

「なるほど.ジェシー,どう思う?」

ジェシーアンゴラ「とても,素晴らしい考えだと思う.アフリカには,『ウブントゥ』という言葉があります.『あなたがいるから私がいる』という意味です.他者が思いやって行動してこそ,共存できるという伝統的な考えです.図を見ると全く同じではないけど,似た要素はあると思う」

「なるほどね.アナト.どうよこれ.冷ややかな目で見てるな,アナト」

アナト(イスラエル「『生きがい』は必ずしも四つそろってなくていいと思う.社会に必要とされるとか,収入が得られるとかね」

「ただ,日本人も,この図を見て,アナトみたいに,もうかるかどうかってことは生きがいとあまり関係ないって思ってる日本人も多分いると思うんだ.

この方なんか,妖怪を調べ続けて,もう100年余り.社会的に認められていない時代から妖怪と友達だったわけですから,

でも,生きがいだったでしょ?」

荒俣さん「生きがいね.ええ.まさに」

「でも,まあ『生きがい』って言葉がこんなに広がったのは.なんで?なんで,こんな,日本発のこの『生きがい』が広がったんでしょう?」

 

ヘザー(アメリカ)「ビジネスの会話でもよく使うし,あと『マインドフルネス』と言って,心のあり方や目的意識を大切にする考え方があるの」

「あ〜なるほど,なるほどね」

「あとは,フラビオ」

フラビオ(イタリア)「これは異国文化への憧れみたいなことだと思う.極東から来たものはオシャレだと感じるんだよ.『いきがい』はクールでオシャレな言葉だと思われているんです」

「なるほどね.さあ,荒俣さん.『生きがい』ですけど,どうですか?」

荒俣さん「確かに,もうかるかどうかはそんなに大した問題じゃないんですよ.『生きがい』と言った場合には.

更に言えば,『生きがい』っていうのは,僕の記憶では,戦争が終わった1945年以降に,少なくとも流布して,普通の人が使うようになった言葉じゃないかと,

それまでは,『かい』って言葉があったんですよ.

『かいがないじゃないか』とか.少なくとも昔からあったのは『死にがい』ですよ.死んでもいいような『かい』,手応えが欲しかったっていうのが,この『かい』の昔の人たちの意味だったんじゃないかと.

生きることって,手応えなかったんでしょうね.おそらく.何をやっても悲しいだけで.

それをあえて積極的に生きることに『かい』を求めようとしたのが,『生きがい』っていう言葉になってきたんだと思うんで.

こういう世の中の中でも生きがいを見つけましょうっていうのは,大変,重要なキーワードになてきていると思うんで,それが今,外国の人たちに響いたんじゃないですか.そう思いますね」

 

(続く)

 

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