番組ウェブサイトの見出しは「女、26歳、居酒屋勤務、結婚の予定なし。でも、“家”を買います」.
前作「ママゴト」にすっかりはまっていました.同じ時間帯の放映,そして,主人公沼腰幸(沼ちゃん)演じる森川葵さんは「ゴメンね青春」では「あまりん」役の気になる女優さん.
ということで,今シーズン追っかけている三つ(一つは終わってしまいました)のドラマの一つに.
みていてよかった!
ブログになんとか残しておきたいな,と思ったのですが---
ドラマチックな展開が少ないため取りあげにくい.内容を説明するには私の言葉が足りそうにない.それでも,多くのweb上の資料(下記)を参考にし,時にはそのまま言葉をお借りしたり(勝手にすみません.感謝),つぎはぎしたりして,どんなドラマかをまとめてみると----
参考引用ウェブサイト プリンセスメゾン | NHK プレミアムよるドラマ NHKご感想掲示板 | プリンセスメゾン 「プリンセスメゾン」鈴木文恵- エキレビ!(1/3)
「プリンセスメゾン」
「このドラマは、家を手に入れようと奮闘する沼ちゃん(森川葵)の物語であり、何気ない日々を、今を生きる皆さんの物語です」とは,脚本の高橋泉さんのことば.
女性が一人で生きていくことの孤独.まわりの人を支え支えられる中で,少しだけ幸せになって前を向いて歩き続ける強さ.この二つをふわっと,ほのぼのと描いています.ドラマを引っ張るのは,「家を買う」という今のベストの目標に向かって,ぶれずにシンプルにきりっと生きる沼ちゃん.彼女を支え,彼女の姿に逆に励まされる持井不動産の伊達さん(高橋一生),要さん(陽月華),奥田君(至尊淳),阿久津さん(舞羽美海),「女性がマンションを買う会」中森さん(渡辺真起子),そして従姉妹のえつこさん(深川麻衣).
女性だけではなく,男性たちも,冷静沈着で頼りになる伊達さんでさえ,やはり弱さを持ち,それを克服して生きていこうとしていることも描かれていきます.
また,きりっと生きる沼ちゃんも不器用な所を持ち合わせ,「家を買う」というぶれない目標は,過去の哀しい出来事を乗り越えるためのようです.
強さを描きながらほのぼのしている.女性を描きながら男性も描ききる.シンプルに生きる姿の中には消せない悲しみがある.沼ちゃんと登場人物一人ひとりを丁寧に描く中で,そんなことを感じさせる優しいドラマです.流れる音楽とドラマ中で歌われる楽曲がそんなストーリーを引き立てます.
20代女性の持ち家探し描くドラマ「プリンセスメゾン」 - 映画ナタリー
とてもステキな音楽が全編を覆う以外にも,毎回同じような構成が使われているのがこのドラマの特徴の一つかも知れません.
◎第一回から第四回までは,出演者が歌う場面が挿入されていました.私が知らない曲も多かったですが.
エキレビ鈴木文恵さんによれば
:1話では要が「東京砂漠」をユニットバスで、第2話ではクラムボンの「バイタルサイン」を要、マリエ、奥田の三人が夜道を歩きながら交互に、第3話では要が部屋でbloodthirsty butchersの「地獄のロッカー」を、ライブ映像を観ながら。第四回は伊達がフジファブリックの「茜色の夕日」を一人の部屋で
◎そして,毎回,冒頭のエピローグで,沼ちゃんのシーンに加えて,一回毎に異なる登場人物による歩きながらのモノローグが挿入されます.
この部分を一部再現してみます.
第一回「わたしの家」
(沼ちゃんのアパート)
体操する幸の足アップ 幸の歌声(体操用) 一口ガスコンロ 湯飲み一つと茶筒 幸の手の先
体操する幸の後ろ姿 丸形小さい座りテーブル 深呼吸する幸の横顔
幸引出を開ける ラジオ体操のカードを取り出し印を押す
三つ編みおさげに髪を結う 結った髪を指でとんとんと押し,できばえを確かめる.
(番組開始映像 配役等テロップ,題名)(バックに主題曲)
(街を歩く伊達)
20代女性の持ち家探し描くドラマ「プリンセスメゾン」 - 映画ナタリー
伊達「夢のマイホーム,持ち家に対するそんな言葉の意味は大きく変わろうとしています.ここ東京でも,単身女性がご自身のためにマンションを購入するケースは増えています.それにしても東京という街はつくづく面白い.人それぞれにライフスタイルがあるように,それを受け入れる東京の街にも,またそれぞれの顔があります.人が街を作るのではなく,街が人を作る,そんな考えも面白い」
(家の形を示した木の骨組み?の中の女性の映像,出演者等テロップ,題名)(バックに音楽)
要「雨だわね」阿久津「そうですね,すごく降ってますね」要「あなた阿久津さん?」阿久津「はい」要「雨女?」阿久津「そう言えばよく降っているかも知れないですね 修学旅行とか 遠足とか,プールの授業とか」
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第一回の伊達さんの思わせぶりな言葉.ストーリー全体を暗示しているようでもあり,伊達さんの性格を表現している言葉のようでもあり.---
よりストーリーと直接関係しているのは,始まりの映像.一口ガスコン:沼ちゃんがこのあとマンション探しを始めたとき,最初にこだわったのは三ツ口コンロ.
湯飲み一つ:初めて人を招き入れた時に二つ目を買っている.その時の訪問者は要さんです.
三つ編みのおさげは幸の戦闘?髪型.第六回で下ろした姿を見せるまで,ずっとおさげの沼ちゃんです.
第六回 「もう帰らない家」
(街を歩くえつこ)
まいみんの輪~深川麻衣後援会~ (@2016maiminnowa) | Twitter
えつこ「東京に来たのは,実は初めてです.あっちこっち見えるビルの中にきっと都庁もあるんだろうけれど,みんな似たような形しているんで---
それよりもっとわからないのが,東京で家を捜すっていうことです.家は代々受け継いだ土地に建てるものだし,ましてや女性が考えるものじゃないって思ってた.(携帯ナビをかざして)うん,これどっちだ?」
(番組開始映像 出演者等テロップ,題名)(バックに主題曲)
居酒屋「じんちゃん」の前を掃除する幸.----
挨拶して帰る同僚「あ 全然訛りないっすね」---
帰途につく幸.スナックさくらのママに挨拶.
アパートの階段に座るえつこ.
「えっちゃん」「さっちゃん」「どうして」「やすくんとけんかしてとびだしてきちゃった」「どうぞどうぞ」「お邪魔しまーす」-----
一緒の布団で寝る幸とえつこ.
えつこ「----自分の時間なんてない.ときどきほんとに投げ出したくなる.欲しいものは手に入れてからが勝負だね」----
持井不動産
客を案内する伊達「他にも沼越様の子育てをサポートする様々の----」「例えば沼越様の場合ですとお子様を----」客「あのー沼田です,沼越じゃなくって」
見つめる要.
持井不動産オフィス
メモ:ずっと住み続けられる家
伊達「沼越様のご要望です」中森「これって果たして言葉通りの意味なのかしら.あの子最初に会ったとき家を資産として考えたくないって言ってたからね.ずっとひっかかってるのよね ねーこれってあれじゃない なくならない家を求めている ってことなんじゃない?」
こんな感じで第六回のストーリーは展開し,「私のせいで静岡を離れたのでは」という疑問が解消し,幸の考えを理解したえつこと別れる場面で終わります.えつこはけんかして出てきたのではなく,幸が気になって様子を見に来たのでした.
その間にストーリーに大きな転回がみられます.幸の過去が明かされました.東京月島の家で両親を亡くし静岡のえつこの家に引き取られ,決心を固めて戻ってきたことがえつこのくちから,そして幸自身から語られます.
居酒屋じんちゃんの床を拭きながら,東京を離れた時のことを回想する幸.映像は,去って行く元の家の畳を拭くセーラー服の幸の後ろ姿に.涙が畳にこぼれる.森川葵さんの演技が光りました.
それでも現在の沼ちゃんは言います.
「もし結婚したら,その時相手の人とどうするか相談します.まずは自分の人生をちゃんと自分で面倒みて誰かと生きるのはその後です」「今はとにかく捜すだけです.もっともっと歩きます」
「沼ちゃんファイト」と励まされ,両手のガッツポーズから両手を挙げる幸の姿は元気でとてもチャーミングでした.
師走