ヒユ科の植物(5)ビート/テンサイ/フダンソウ  砂糖をとるテンサイ,ボルシチに入れるテーブルビーツ,葉を利用するスイスチャード,そして江戸時代から日本で栽培されていたフダンソウ,これらは同じ種Beta vulgarisに分類される植物です.原種とされるのは,英語でsea beetと呼ばれるBeta vulgaris subsp.maritima.栽培されているテンサイ,ビート,チャードは,全て同じ種ですが,それぞれが変種の関係にあるあります.

ケイトウを見かけたのをきっかけに,

ナデシコ目 Caryophyllales, Amaranthoideae亜科, ヒユ科 Amaranthaceae

の植物を取りあげています.

(1)ケイトウ(2)センニチコウとその仲間たち(3)イノコズチ(イニコヅチ)(4)ヒユ/アマランサス

 

今日はその(5)ビート/テンサイ/フダンソウ/チャード

砂糖をとるテンサイ,ボルシチに入れるテーブルビーツ,葉を利用するスイスチャード,そして江戸時代から日本で栽培されていたフダンソウ,これらは同じ種Beta vulgarisに分類される植物です.

Beetroot - Wikipedia テンサイ - Wikipedia

Chard - Wikipedia フダンソウ - Wikipedia

ビート,テンサイについてはこのブログでも取りあげています.

yachikusakusaki.hatenablog.com

yachikusakusaki.hatenablog.com

日本での利用(世界的に見ても?)が最も進んでいるのはテンサイでしょうか.

日本の砂糖の28%はテンサイからとられている!

平成24年度:古いデータですが)砂糖の原料について〜てん菜〜 |農畜産業振興機構

 

 

これらの栽培種の原種とされるのは,英語でsea beetと呼ばれるBeta vulgaris subsp.maritima.

Sea beet - Wikipedia

「海岸の崖、石や砂の多い砂浜、塩湿地や海岸草原、荒れ地や攪乱地などに生育す」とのことで,過酷な条件で育つ性質が栽培種にも受け継がれ,「塩分の多い土壌や乾燥に耐えることができる」とのこと.

Beta vulgaris - Wikipedia

日本のフダンソウ「四季絶えずあるゆえに不断草と名付るなるべし」とされ,多くの根出葉を次々と出し、葉を順次かき取って葉菜として一年中利用できるそうです.(ニッポニカ)フダンソウとは - コトバンク フダンソウ - Wikipedia

 

栽培されているテンサイ,ビート,チャードは,全て同じ種ですが,それぞれが変種の関係にあるあります.

以下,英語版ウィキペディアからDeepL翻訳で.

Beta vulgaris - Wikipedia

 

栽培されているビートはすべてこの亜種に属する:

Beta vulgaris subsp. vulgaris ベータ・ブルガリス・サブスプ・ブルガリス(Syn.Beta vulgaris subsp: cicla (L.) Arcang., Beta vulgaris subsp. rapacea (Koch) Döll).

5種の栽培品種群を持つ.

 

▽Sugar beet テンサイ

Altissima Groupアルティッシマ群(Syn. B. v. subsp. convar. vulgaris var. altissima) - テンサイはショ糖を高濃度に含み,これを取り出してテーブルシュガーを生産することから主要な商業作物とされている.1747年にビートの根に糖分が含まれていることが発見され,18世紀後半にドイツで開発された.

▽Spinach beet or Chard ホウレンソウ・ビート,チャード

Cicla Groupシクラグループ,(Syn. B. v. subsp. vulgaris convar. cicla var. cicla) - リーフビートのグループの歴史は長く,紀元前2千年までさかのぼることができるとされている.最初の育成型は地中海で栽培されたと考えられているが,西暦850年までに中東,インド,そして最終的に中国に導入された.古代ギリシャや中世ヨーロッパでは薬用植物として利用されていた.ヨーロッパではホウレンソウが伝来した後,その人気は下降した.この品種は葉が広く栽培されており,通常,ほうれん草のように調理される.世界中の多くの食料品店で見かけることができる.

▽Swiss chardスイスチャード

Flavescens Group,フラベスケンスグループ[(Syn. B. v. subsp. v. convar. cicla. var. flavescens) 中肋(主脈)も葉身も野菜として利用され,別々に料理されることが多い.また,中肋を着色して観賞用として栽培される品種もある.中肋が太くなるのは,spinach beetホウレンソウビートから突然変異で発生したと考えられている.

▽Beetroot or Garden beetビートルートまたはガーデンビート

Conditiva Groupコンディティバグループ (Syn. B. v. subsp. v. convar. vulgaris var. vulgaris)[14] - これは,「ビート」という言葉から最も典型的に連想される赤い根菜である.特に東欧で人気が高く,ボルシチの主原料となる.

▽Mangelwurzel マンゲルヴルゼル

Crassa Groupクラッサグループ(Syn. B. v. subsp. )

18世紀に塊茎を飼料用作物として開発された品種.

 

 

ヒユ科の植物 (4)ヒユ/アマランサス  ヒユは,漢字で「莧」.種としてはAmaranthus tricolor でインドネシア,マレーシア等では野菜として食べられています.ハゲイトウも同じ種で,観賞用に改良されたもの.一方,ヒユ属(Amaranthus)の植物のいくつかは,穀物として利用され,その栽培の歴史は紀元前5000年~紀元前3000年にまで遡ることができます.利用される品種はセンニンコク,ヒモゲイトウ,スギモリゲイトウなど.高い栄養価の一方,独特の香りがあるので使う量は加減が必要とのこと.

ケイトウを見かけたのをきっかけに,

ナデシコ目 Caryophyllales, Amaranthoideae亜科, ヒユ科 Amaranthaceae

の植物を取りあげています.

(1)ケイトウ

(2)センニチコウとその仲間たち

(3)イノコズチ(イニコヅチ)

 

今日はその(4)ヒユ/アマランサス

 

ヒユは,漢字で「莧」.

種としては,Amaranthus tricolorになり,インドネシア,マレーシア,中国では野菜として食べられているとのこと.

ハゲイトウは観賞用に改良されたもの.

 

ヒユ科の一年生草本.若葉を食用にする.(角川字源)

ヒユ科一年草.インド原産で,古くから栽培されており,現在でも,ときに蔬菜として畑で栽培される.----

漢名,莧.ひょう.ひょうな.ひゅう.ひゅうな.《季・夏》 〔本草和名(918頃)〕 (日本国語大辞典

:学名 Amaranthus tricolor L. var. mangostanus (L.) Aellen

ハゲイトウは本種から改良されたもので,花序は頂生しない.野菜のバイアム(ヒユナ)は葉が長さ20センチメートルになり,柔らかく,病害虫に強い.(ニッポニカ) ヒユとは - コトバンク

:葉はミネラルが豊富で,野菜として食される.生でサラダにしたり,蒸したりして食べる.インドネシアやマレーシアでは,最もポピュラーな葉物野菜の一つです. https://www.nparks.gov.sg/florafaunaweb/flora/5/8/5891

 

ヒユ属(Amaranthus)の植物は,紀元前5000年〜紀元前3000年には,アンデス南部のアステア族により、穀物として栽培されていたことが知られ,インカ帝国ではトウモロコシと並ぶ重要作物でした.

アマランサス(Amaranthus)は,属の植物全体を指すことばですが,日本では穀物となるヒユ属植物を指すときにも使われることがあります.英語では,穀物となるヒユ属は”Amaranth grain”もしくは”Grain amaranthus”と呼ばれているようです.

 

アマランサス粒(左)と小麦(右)

Amaranth grain - Wikipedia

 

穀実用となる種は

https://www.zakkoku.jp/archives/zakkoku/amaranthus

http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/agriculture/lab/plantbreeding/zukanama.html

センニンコク(仙人穀)Amaranthus hypochondriacus,

Amaranthus hypochondriacus - Wikipedia 

 

ヒモゲイトウ(紐鶏頭)Amaranthus caudatas.

Amaranthus caudatus - Wikipedia

スギモリゲイトウ(杉森鶏頭) Amaranthus cruentus (アマランサス・クルエンタス)/Red amaranth(レッドアマランス)

Amaranthus cruentus - Wikipedia

 

:アマランサスの栽培化は古く,紀元前5000年~紀元前3000年には,アンデス南部の山岳地帯でアステカ族という民族が栽培しており,以来インカ帝国に至るまで,トウモロコシ,インゲンマメなどに匹敵する重要作物であった.

日本には,江戸時代にヒモゲイトウが観賞用として導入され,東北地方では小規模ながら,アカアワなどの名前で食用にも栽培されていた.

カルシウム,ビタミンB₆,葉酸,鉄,亜鉛を多く含む.種皮が柔らかいので,精白しないで全粒で食べることができることは,高い栄養価の一因でもある.一方で独特の香りがあるので,料理に使う量は加減が必要である.https://www.zakkoku.jp/archives/zakkoku/amaranthus

 

 

ヒユ科の植物たち(3) イノコズチ:どこにでも生えてくる雑草.ひっつき虫ですがそれほどやっかいではありません.漢方薬 ゴシツ (牛膝) は,イノコズチ(ヒナタイノコズチ等)の根を乾燥したもの.「通経,鎮痛,利尿作用があり」とのこと.なお,カタカタ表記に「イノコズチ」「イノコヅチ」の二通りがあります.日本国語辞典表記は「いのこずち」で漢字に「牛膝」を充てています.「イノコヅチ」は,牧野富太郎の推測から生まれたかに見える漢字「猪子槌」に引っ張られた表記と推測しますが--- 

ケイトウを見かけたのをきっかけに,

ナデシコ目 Caryophyllales, Amaranthoideae亜科, ヒユ科 Amaranthaceae

の植物を取りあげています.

(1)ケイトウ

(2)センニチコウとその仲間たち

 

今日はその(3)イノコズチ(イニコヅチ)

どこにでも生えてくる雑草です.

実が被服にくっついてくるのでやっかいですが,とるのにそれほど苦労した覚えはありません.

変種がいくつかあるようですが,私には全く見分けがつきません.下記の漢方生薬をとるためには,キチンと見分ける必要があるようです.

ヒカゲイノコヅチ

|東邦大学薬学部|薬用植物園|見本園|ヒナタイノコヅチ|

漢方薬 ゴシツ (牛膝) は,イノコズチの根を乾燥したもの.

https://baike.sogou.com/PicBooklet.v?relateImageGroupIds

「通経,鎮痛,利尿作用があり,月経不順,産後出血,腰痛や関節痛,リウマチ,神経痛,打撲,小便難渋などに用いる」とのこと.

https://www.pharm.kumamoto-u.ac.jp/yakusodb/detail/003420.php

ただし,いくつかの変種のうち,生薬に用いられるのは次の二つのようです.

ヒナタイノコズチ Achyranthes bidentata var. fauriei 

トウイノコズチ Achyranthes bidentata var. bidentata

跡見群芳譜(野草譜 イノコヅチ)

 

ネット上でのカタカナ表記に「イノコズチ」「イノコヅチ」の二通りがあります.

あくまで想像ですが---

日本国語辞典の表記は「いのこずち」で漢字に「牛膝」を充てています.

ただし,旧仮名遣いでは「ゐのこづち」.古名は「いのくずち(ゐのこずち)」

古名「いのくずち」は出典も明らかなので,正しいと思います.旧かな⇨新かなの原則に従えば,現在の表記は「いのこずち」が正しいでしょう.

それでも「イノコヅチ」がネット上で優勢なのは,漢字に「猪子槌」をあててしまっているためと思われます.

「猪子槌」は,牧野富太郎博士の推測「イノコヅチ豕槌で,節の太い茎をいのこの脚の膝頭にみたてたか(牧野新日本植物図鑑)」(日本語源大辞典)に従った当て字と考えるのが妥当かと思います.日本の植物の世界では牧野富太郎絶対視の傾向があるので,簡単に否定しては怒られそうですが,あくまでも推測で,「猪子槌(豕槌)」は,古名「いのくずち」との整合性がとれていないと判断しますが----.

 

Amaranthaceae - Wikipedia

 

 

ヒユ科の植物たち(2) 今日は,センニチコウとその仲間たち(Amaranthoideae亜科).センニチコウ(千日紅,千日草) 夏・定番の花.フラワーショップの店頭に溢れます.小さな花の集まりですが,小花の2枚の包葉は退色せず長期間色を保つので千日紅の名がつけられました.同じ亜科に属するハマデラソウは,帰化植物の雑草ですが,この名前が付けられたために堺市で保存活動が行われています.ツルノゲイトウ属のナガエツルノゲイトウは,新聞に「地球上で最悪の侵略的植物」と報道された水生植物. 

昨日取りあげたケイトウは,

ナデシコ目 Caryophyllales, Amaranthoideae亜科 

ヒユ科 Amaranthaceae,ケイトウ属 Celosia.

 

ヒユ科には,よく知られた植物や,話題豊富な植物が属しています.何回かに分けて調べていきたいと思います.

ヒユ科の植物たち(2)

今日は,センニチコウとその仲間たち.

 

センニチコウ(千日紅,千日草)

夏・定番の花.フラワーショップの店頭に溢れます.

ヒユ科はいくつかの亜科に分けられていますが,

亜科:Gomphrenoideae に分類されています.

センニチコウ Gomphrena globosa

 

よく似たキバナセンニチコウは,別種.花を見ただけではなかなか区別できないですね.

 

キバナセンニチコウ Gomphrena haageana

センニチコウは,小さな花の集まりですが,

「小花は花弁を欠くが,2枚の包葉は光沢を帯びた紫紅色になり、退色せず長期間色を保つので千日紅の名がある.(ニッポニカ)」センニチコウとは - コトバンク

とのこと.

千日紅は中国名で,日本には,江戸時代,中国より渡来し,当時から「陰干しすれば、冬の立花や草とめ、投入れなどに用いられ、色変わりしないので重宝する」とされていたとのこと.(ニッポニカ)センニチコウとは - コトバンク

日本のドライ・フラワーのはしりですね.

 

センニチコウ属が属する

亜科Gomphrenoideaeには,ハマデラソウ属,ツルノゲイトウ属も属します.

どちらも聞いたことのない名前でしたが---

それぞれ,特別な「物語」をもつ植物が属しています.

 

まずハマデラソウ.

何の変哲もない植物ですが---

ハマデラソウは北米原産の帰化植物

牧野富太郎博士が1932年に見つけ,発見地浜寺(現在は堺市西区浜寺)を記念してハマデラソウという日本名を付けました.

一時期,この地域の工業化に伴い,姿を消していましたが---

「1986年全国植樹祭開催に伴い,泉大津市助松の海岸近くの墓地に育っているハマデラソウを見つけ種子を採取して堺植物同好会で栽培を始めました.

 現在,浜寺と名のつく小・中学校6校と,堺市都市緑化センター,浜寺公園の協力を得て,ハマデラソウを保護し,栽培しています.」とのこと.日本では他の地域ではみつかっていないそうです.

http://www.sakai-park.jp/hamaderasou.html

 

次は,ツルノゲイトウ属の

ナガエツルノゲイトウ

水草なのですが,世界中の淡水に侵入し,大きな脅威と見なされている雑草.

水中に密生して

「水生・陸生環境の両方に悪影響を与え、社会に悪影響を及ぼすことから、生態系に対する大きな脅威とみなされている」Alternanthera philoxeroides - Wikipedia

とのこと.

EUでは移入・取引禁止植物.

日本でもみつかっていて,淡路島での繁茂を報じた読売新聞の記事では,「地球上で最悪の侵略的植物」とされています.

「地球上最悪の侵略的植物」淡路島で繁殖、拡大しつつあり完全除去に10年以上か : 読売新聞オンライン

Amaranthaceae - Wikipedia



 

 

ヒユ科の植物たち(1) 雑草の合間に咲くハゲイトウに出逢いました.最近の品種は,小さいながら美しく咲いてくれます.万葉集に「韓藍(からあい)」として詠われ,古くは食用もしくは染料として使われていたとか.近縁のアマランサス属は種子も葉・茎も食べられているので食用説もうなずけます.恋(こ)ふる日の日(け)長くしあれば我が園の韓藍(からあゐ)の花の色に出でにけり 万葉集

鎌倉瑞泉寺の山門近くで,ケイトウに出逢いました.小さいながら,雑草に覆われた一角で,鮮やかな赤が目立っていました.

ヒユ科の植物たち(1) ケイトウ

 

ケイトウの以前の品種は「鶏頭」という名前が似合う姿でしたが---

ケイトウ 植物 - Google 検索

 

最近の品種は,小さいながら美しく咲いてくれますね.

ケイトウ 植物 - Google 検索

 

ニッポニカによれば,

万葉集に「韓藍(からあい)」として詠われているように,古くから移入されていて,はじめ食用だったとのこと(後述の,山田卓三先生によれば,はじめ「染料」だったとのことですが)

ケイトウとは - コトバンク

アジアの熱帯地方などが原産で,野菜から花卉(かき:観賞用被子植物)に改良された.

万葉集』の「韓藍(からあい)」をケイトウとする見方に従えば,渡来は古い.江戸時代にはまだ食用の名残があり,貝原益軒は『菜譜(さいふ)』(1704)で「若葉をゆでて,しょうゆにひたして食べると,ヒユよりうまいが,和(あ)え物としてはヒユに劣る」と述べる.

 

近縁にアマランサス属.この属の植物アマランサスの種子は「穀物」.また葉と茎は「野菜」.

Amaranth - Wikipedia アマランサス - Wikipedia

ハゲイトウはこのアマランサス属で,こちらも食用になっていたことが知られています.

 

万葉集には,「韓藍(からあい)」として四首詠われています.

 

万葉集 巻10 2282

恋(こ)ふる日の 日(け)長くしあれば 我が園の 韓藍(からあゐ)の花の 色に出でにけり   作者不詳

 

▽楽しい万葉集

恋する日々が長く続いたものだから,私の庭の韓藍(からあゐ)の花のように,顔色にでてしまいました.

 

▽山田卓三「万葉植物つれづれ(大悠社)」

 恋しく思い続ける気持ちを庭の鮮やかなケイトウの花に重ねています.

 

ケイトウは熱帯アジア原産で,日本には古く染料(韓藍)として移入され,写し染めの原料として,また,観賞用としても早くから栽培されていたようです.

 

ケイトウは鶏頭で,

花軸が帯化(石化)し,鶏のとさかのような形になるためにつけられた名前です.花色は「韓藍の色に出にけり」とあるように,目にしみるような目立つ鮮やかな濃い紅色をしています.このため,熱烈な恋や若い美しい女性を表すものとして詠まれています.

黄色の品種もありますが,赤が基本です.

 

ケイトウ

ナデシコ目 Caryophyllales, Amaranthoideae亜科 

ヒユ科 Amaranthaceae,

ケイトウ属 Celosia 

Amaranthaceae - Wikipedia

ヌスビトハギ  流れの土手に咲いていた赤い花が二種類.PictureThisの解答は,マルバヌスビトハギとアレチヌスビトハギ.一番よく見かけるヌスビトハギ(あのいやなくっ付き虫)とも少し違う.どこが同じでどこが違う? ▽ヌスビトハギとマルバヌスビトハギは同種(変種),▽アレチヌスビトハギは別属(元は同属とされていたが,ヌスビトハギが「独立」) ▽属の異なるアレチヌスビトハギもひっつき虫! 

今日の話題は,ヌスビトハギ.

万人の興味を惹くとはとても言えない話題です---

 

昨日取りあげたノギク(多分,ノコンギク)は,道路脇に咲いていたのですが---

流れの土手に咲いていた赤い花が二種類.

 

似た花でしたが,葉の形はかなり違う.

PictureThisの解答は,マルバヌスビトハギとアレチヌスビトハギ.

 

どちらの名前もヌスビトハギですが---
調べてみると属の名前が異なっている!

 

そして,

一番よく見かけるヌスビトハギ(私もとても苦労した覚えのあるあのくっ付き虫)とも少し違う.

ひっつき虫の嫌な思い出があるので,好きになれないヌスビトハギですが,花の姿はなかなか美しいことは確か.

ヌスビトハギ - 日光植物園 - Hylodesmum podocarpum

 

くっつき虫(ひっつき虫)の簡単な取り方。なかなか取れないヌスビトハギやセンダングサが服に付いたら。|育児・生活を楽する【はぐらく】

 

このヌスビトハギと,溝で見つけたマルバヌスビトハギ,アレチヌスビトハギ.どこが同じでどこが違うのか?

整理した結論は以下の通り:

 

▽ヌスビトハギとマルバヌスビトハギは,同じ種.

ただし,変種の関係にあります.

基準種はマルバヌスビトハギ(:やや違和感を感じてしまいますが)

 

▽アレチヌスビトハギは北米原産の帰化植物で,ヌスビトハギとは属が異なる.

以前,両者は同属(=Desmodium)とされていてのですが,日本の研究者がヌスビトハギは別属と証明し,新たな属Hylodesmumが生まれたとのこと.

ちょっぴりややこしいのが,属の日本名.以前はDesmodiumの日本名がヌスビトハギ属だったのが,新しい属Hylodesmumがヌスビトハギ属となった.

そしてDesmodiumにはシバハギ属の日本名が与えられた.

https://mikawanoyasou.org/data/sibahagi.htm

 

▽属の異なるアレチヌスビトハギもひっつき虫!

アレチヌスビトハギ(荒地盗人萩)の花とひっつき虫 - 里山コスモスブログ

 

 

▽ヌスビトハギ属(Hylodesmum),シバハギ属(Desmodium)は,マメ科



谷戸の小径に野菊が咲いていました. 野生の株かどうかは分かりません.栽培種のノコンギクが逃げ出したのかもしれません. 庭で見るより良い感じに思えてしまいます.ヨメナ,コヨメナは,以前はヨメナ属Kalimerisに属するとされていましたが,現在はシオン属(アスター属)に統合されています.

鎌倉の谷戸の小径に野菊が咲いていました.

野生の株かどうかは分かりません.栽培種のノコンギクが逃げ出したのかもしれません.

庭で見るより良い感じに思えてしまいます.

ノコンギクヨメナは,なかなか見分けがつかないと言われています.私はもちろん分かりませんが---

ヨメナ,やはり似ているコヨメナは関東地方では見られないと聞いています.温暖化が進んだ今は分かりませんが--

 

ヨメナ,コヨメナは,以前はヨメナ属Kalimerisに属するとされていましたが,現在はシオン属(アスター属)に統合されています.

Kalimeris Asters | Astereae Lab | University of Waterloo

 

なお,園芸店で「アスター」と呼ばれている一年生の種はエゾギク属.

一年草 アスター - Google 検索

 

「宿根アスター」「クジャクアスター」「アスタービクトリア」などは,シムフィヨトリクム属Symphyotrichum.

宿根アスター - Google 検索

 

以前にも取りあげましたが,わかりにくいですね.

 



Molecular phylogeny of the tribe Astereae (Asteraceae) in SW Asia based on nrDNA ITS and cpDNA psbA-trnH sequences

 

 

トウゴマ: トウダイグサ科の美しい植物で観賞用としても利用されていますが,種子からヒマシ油が生産されます.種子は現在でも世界で一年200万トン生産され,ヒマシ油は石けん,潤滑油,染色助剤、乳化剤,塗料の材料等様々な用途に用いられているとのこと.歴史的によく知られているヒマシ油の瀉下(しゃか)作用のメカニズムは最近明らかになりました.トウゴマ種子には強力な毒性物質リシンが含まれて,暗殺にも使われてきました.

トウダイグサ科には,最近人気の園芸品種ユーフォルビア・ダイアモンドフロスト(トウダイグサ属),またタピオカの原料となるキャッサバが属しますが---

 

ヒマシ油の原料となり,また,猛毒たんぱく質リシンを含むトウゴマトウダイグサ科の植物です.

 

トウゴマ(唐胡麻)   / ヒマ(蓖麻)

トウダイグサ科 Euphorbiaceae,エノキグサ亜科 Acalyphoideae,トウゴマ属 Ricinus,

トウゴマ Ricinus communis

Ricinus - Wikipedia

 

 

以下,トウゴマの利用等について,簡単にまとめてみました.

引用・参考文献は,以下の通り.

Ricinus - Wikipedia Castor oil - Wikipedia Castor Oil - StatPearls - NCBI Bookshelf https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3384204/

CDC | Facts About Ricin

 

トウゴマ(ヒマ)

なかなか美しい植物で,観賞用の品種も開発されているようですが---

観賞用の品種Carmentica

Ricinus communis 'Carmencita' (Castor Oil Plant)

 

種子を採るために古来から栽培されてきました.

学名のRicinusは,ラテン語でダニを意味する言葉で、種子に,ダニに似たマークと先端のコブがあるためこの名が付けられたとのこと.

Castor oil - Wikipedia

 

種子をとるための品種改良もすすめられ,現在でもインドを中心に一年に200万トンの種子が産生されているとのこと.かなりの量ですね.

ほとんどが「ヒマシ油(Castor Oil)」を採るためと考えられます.

 

▽ヒマシ油(Castor oil)

トウゴマの種子より搾油される植物油で,90%がリシノール酸エステル(⇨*)という珍しい脂肪酸組成をもつトリグリセリド.

長く下剤として使用されてきて(紀元前1550年のパピルスに記載がある),現在でも薬局方にその記載があり,販売もされています.使い勝手が悪く,現在はあまり使われていませんが.

現在の使用法としては,工業用が主で,石けん,潤滑油,染色助剤、乳化剤,塗料の材料等として用いられているとのこと.

 

⇨* リシノール酸は,オレイン酸に一つヒドロキシ基がついた反応性に富む脂肪酸.工業的な用途のいくつかはこの脂肪酸の特別な性質に由来しているようです:工業的なプロセスを調べきれませんでしたが,ニッポニカにその一端が記載されていますひまし油とは - コトバンク

また,2012年,このリシノール酸がプロスタグランジンE2の「EP3受容体」を特異的に活性化する作用を持つことがみつかっています.

Castor oil induces laxation and uterus contraction via ricinoleic acid activating prostaglandin EP3 receptors - PMC

これにより,長らく不明だったヒマシ油の瀉下(しゃか)作用のメカニズムが明らかになりました.

ヒマシ油が妊産婦に忌避とされることもこの作用で説明できます.EP3受容体刺激は腸管だけではなく子宮の収縮も促進してしまう!

 

トウゴマの種子には,下記のように,猛毒成分リシンが含まれていますが,ヒマシ油をつくる過程で分離されるので,ヒマシ油が毒性を示すことはありません.

なお,日本版Wikipediaには「ヒマシ油にリシンが含まれている」といった間違った情報が書かれているので注意.

アメリカNIHの資料では:

ヒマシ油は、急性および慢性的な状況下で毒性作用がほとんどなく、人間が摂取しても極めて安全です。

Castor oil is completely safe for human consumption with minimal toxic effects in both acute and chronic settings. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3384204/

 

▽リシン

リシンは,トウゴマの種子に含まれる,たんぱく質でできた猛毒物質です.細胞のたんぱく質合成を強力に阻害することで,毒性が発揮されます.水溶性で,ヒマシ油の製造過程で分離されてきます.

アメリカCDCの紹介文の冒頭のみ,以下に引用しておきます.(DeepL翻訳)

CDC | Facts About Ricin

リシンとは

リシンは,トウゴマの中に自然に存在する毒物です.ヒマシ豆を噛んで飲み込むと,放出されたリシンが傷害を引き起こす可能性があります.リシンは,ひまし油を加工する際に出る廃棄物から作られることがあります.

粉末,霧状,ペレット状,または水や弱酸に溶かすことができます.

通常の条件下では安定した物質ですが,摂氏80度(華氏176度)以上の熱で不活性化されることがあります.

リシンの存在場所

ひまし油の原料となるひまし油は,世界各地で加工されています.リシンは,ひまし油を作るときに出る廃棄物「マッシュ」の中に含まれています.

リシンは,がん細胞を殺すために医学的に実験的に使用されています.

リシンにさらされる可能性

リシンを作り,それを使って人を毒殺するには,意図的な行為が必要です.意図せずにリシンにさらされることは,トウゴマの摂取を除けば,ほとんどありません.

もし,リシンを部分的に精製したり,テロや戦争用の薬剤として精製したりすれば,空気,食物,水を通して人々に暴露することができます.

1978年,ブルガリア人作家でロンドン在住のジャーナリスト,ゲオルギー・マルコフは,傘を持った男に襲われ,死亡した.この傘は,毒薬リシンを皮下注射するためのものでした.

1940年代,米軍はリシンを戦争に使う可能性を実験していました.リシンは1980年代にイラクで,また最近ではテロ組織で使用された可能性があるとの報告もあります.

 

なお,リシンが使われたと疑われる事件の一覧がWikipediaに掲載されています.

List of incidents involving ricin - Wikipedia

 

キャッサバ:タピオカの原料となるトウダイグサ科の植物.マニオク,マンジョカ,ユカとも呼ばれ,熱帯地方では米、トウモロコシに次いで3番目に大きな食用炭水化物源で5億人以上の人々の主食に.タピオカは,このキャッサバの貯蔵根のデンプンの呼び名で,「タピオカパール」と呼ばれる形状のものが飲料用に.リナマリンと呼ばれるシアン化合物とその非グリコシド型が含まれ,急性シアン中毒・甲状腺腫等を引き起こす可能性がありますが,キャッサバの伝統的な加工・調理方法が効果的に実施されれば,安全レベルになります.

トウダイグサ科には,最近人気の園芸品種ユーフォルビア・ダイアモンドフロスト(トウダイグサ属)が属しますが---

タピオカの原料ともなるキャッサバもトウダイグサ科の植物です.

 

▽キャッサバ

トウダイグサ科(Euphorbiaceae)イモノキ属(Manihot,キャッサバ属/マニホット属).

Manihot esculenta

5 RARE Seeds Tapioca Plant Seed Cassava See Full - Etsy

 

https://www.researchgate.net/publication/334479852_Euphorbiaceae_Phylogeny_Poster_EuphorbPP

 

以下,キャッサバの利用等について,簡単にまとめてみました.

引用・参考文献は,次の三つです.

Cassava - Wikipedia

Tapioca - Wikipedia

Roots, tubers, plantains and bananas in human nutrition - Toxic substances and antinutritional factors

 

▽キャッサバはそれぞれの国で別の名前で呼ばれています.

:カサーバ(英語: cassava),マニオク(フランス語: manioc)、マンジョカ(スペイン語ポルトガル語: mandioca)、ユカ(カリブ語: yuca)

 

▽キャッサバの利用

タピオカは,このキャッサバの貯蔵根から抽出したデンプンの呼び名.南米先住民のトゥピ語の名前(tipi'óka)に由来し,もともとは「抽出過程で得られるカード状のデンプンの堆積物」を指す言葉とのこと.タピオカは様々な形状で供給され,我が国で一世を風靡した飲料用に用いられているのは「タピオカパール」と呼ばれる形状のもの.

Tapioca - Wikipedia

ブラジルのファリーニャや西アフリカのガリは、キャッサバの根をすりおろし、水分を搾り取った後、乾燥(ファリーニャ、ガリともに焙煎)して得られる粗粉で、食用とされます。

キャッサバは食用のほか,飼料用、工業用(洗濯用デンプンからバイオ燃料まで)としても利用されています。

 

▽キャッサバは,熱帯地方では米、トウモロコシに次いで3番目に大きな食用炭水化物源.

ブラジル原産と考えられ,初めて栽培されたのは10,000年以上前と思われますが, キャッサバ栽培の最古の直接証拠は、1,400年前のマヤ遺跡(エルサドバドル)でみつかっています.

キャッサバは,現在,5億人以上の人々の主食となっています.

痩せた土壌や少ない降雨量でもよく育ち、また多年草であるため必要に応じて収穫できるので、途上国、特にサハラ砂漠より南のアフリカ諸国の農業で特に重要な役割を担っています。また、収穫期が長いため、飢饉時の備蓄として、また労働力の確保に非常に有効です。自給作物としても換金作物としても利用できるため、資源の乏しい農家にも柔軟性を与えています.

世界最大のキャッサバ生産国はナイジェリアで、タイはキャッサバ澱粉(タピオカ)の最大の輸出国.

Cassava - Wikipedia

 

▽キャッサバの毒性と解毒

キャッサバには、リナマリン(シアノゲニン・グリコシド)呼ばれるシアン化合物とその非グリコシド型が含まれ(HCNとして10〜110mg/Kg),急性シアン中毒や,ヨウ素枯渇による甲状腺腫,クレチン病(先天性甲状腺機能低下症),麻痺性疾患等を引き起こす可能性があります.

しかし,キャッサバの伝統的な加工(リナマリン分解酵素リナマラーゼによる分解/水への長期間浸漬/乾燥)・調理方法は、効果的に実施されれば、シアン化合物の含有量を安全レベルとすることが可能です.

近年では,食品中のシアンの解毒メカニズムがより理解され、キャッサバの加工に関する推奨事項が改善されました.

なお,蛇足ですが---

デンプンとして精製されたタピオカには,シアン化合物はゼロと見なして良い状態と考えられます.

ユーフォルビア・ダイアモンドフロストが属するトウダイグサ科の植物たちの画像を集めてみました.数多いトウダイグサ属の植物は,同じ属とは思えない様々な姿形をしています.トウダイグサ科まで広げると,タピオカの原料として日本でもよく知られるようになったキャッサバ,ヒマシ油の原料として,また猛毒リシンを含むことで知られるトウゴマ(ヒマ)が属します.

昨日取りあげたユーフォルビア・ダイアモンドフロスト.

商標登録された商品名で,世界的なブランド,PW:PROVEN WINNERS(プルーブンウィナーズ)が開発した品種で,

Euphorbia Diamond Frost® – Wisconsin Horticulture

 

トウダイグサ科Euphorbiaceae トウダイグサ属 Euphorbiaの植物.

 

 

トウダイグサ属 Euphorbiaの植物は,

一年草の雑草から,おなじみのポインセチア(原産地では多年生木),大きな棘のある低木まで,数多くの種があり,乳白色の乳液状樹液と多くは多肉質の葉を特徴としています」

ということで---

今日は,トウダイグサ属の植物,さらには,トウダイグサ科の植物にまで広げて,画像を集めてみました.

 

以前も同様な記事を書いています.

yachikusakusaki.hatenablog.com半分同じ記事になってしまいますが---発展型ということで悪しからず.

 

トウダイグサ科まで広げると,

タピオカの原料として日本でもおなじみになったキャッサバ.

ヒマシ油の原料として,また猛毒成分リシンを含むことで知られるトウゴマ(ヒマ)が知られています.

https://www.researchgate.net/publication/334479852_Euphorbiaceae_Phylogeny_Poster_EuphorbPP

 

▽同じ属とは思えない!トウダイグサ属の植物たち.

Euphorbia - Wikipedia トウダイグサ | Euphorbia helioscopia | かぎけん花図鑑 Euphorbia hypericifolia - Wikipedia ショウジョウソウ - Wikipedia

 

 

▽大切なデンプン供給植物キャッサバ.

5 RARE Seeds Tapioca Plant Seed Cassava See Full - Etsy

 

ヒマシ油,リシンでその名を知られるトウゴマ(ヒマ).

Ricinus - Wikipedia

 

明日はキャッサバについて少しまとめてみようと思います.

 

夏の前から秋まで,ずっと楽しませてくれる花:ユーフォルビア・ダイアモンドフロスト.小さな花(花びらに見えるのは包葉)がふんわりした葉の中に咲いている様は,他の植物にない趣があります.ユーフォルビアは属名(和名 トウダイグサ属)で,この属には,一年草の雑草から,おなじみのポインセチア(原産地では多年生木),大きな棘のある低木まで,数多くの種があります.ダイアモンドフロストは商標登録名で,世界的なブランドPW(プルーブンウィナーズ)が開発した種です.

ユーフォルビア・ダイアモンドフロストは夏の前から秋まで,ずっと楽しませてくれる花です.

大きな株として楽しむためには,冬場屋内に入れて、冬越しさせることが必要.難しくありませんので,トライする価値ありです.

 

小さな花がふんわりした葉の中に咲いている様は,他の植物にない趣があり,嫌いな人はいないのでは?特に女性に人気があるのかなというのが私の印象.

 

花びらに見えるのは,包葉(蕾を覆っている葉).

包まれた更に小さな花は,蝶たちに好まれ,シジミチョウから揚羽まで引き寄せます.

 

ダイアモンドフロストは商標登録された商品名で,世界的なブランド,PW:PROVEN WINNERS(プルーブンウィナーズ)が開発した種とのこと.

Euphorbia Diamond Frost® – Wisconsin Horticulture

https://www.provenwinners.com/plants/euphorbia/diamond-frost-euphorbia-hybrid

 

 

ユーフォルビアは属名( Euphorbia トウダイグサ属)

キントラノオ目 Malpighiales,トウダイグサ科Euphorbiaceae,トウダイグサ亜科 Euphorbioideae,トウダイグサ連 Euphorbieae,

トウダイグサ属 Euphorbia,

 

Euphorbia hypericifolia,Euphorbia graminea,またはそれらの種との交配種(最近の再分類後はChamaesyce hypericifolia)として記載されています.

 

トウダイグサ科系統樹上での位置づけを示した後,

少し長くなりますが,この品種について,アメリウィスコンシン大学の解説をDeepL翻訳で.

https://www.researchgate.net/publication/334479852_Euphorbiaceae_Phylogeny_Poster_EuphorbPP

 

 

Euphorbia Diamond Frost® – Wisconsin Horticulture

(DeepL翻訳)

ユーフォルビア・ダイヤモンドフロスト®(Euphorbia Diamond Frost)

ウィスコンシン州立大園芸普及部門)

トウダイグサ属には,一年草の雑草から,おなじみのポインセチア(原産地では多年生木),大きな棘のある低木まで,数多くの種があります.トウダイグサ科(Euphorbiaceae)のこれらの植物は,乳白色の乳液状樹液と多くは多肉質の葉を特徴としています.2005年,プルーブンウィナーズ(Proven Winners:PWは世界より20社の企業が参加する植物の国際ブランド)は,葉がふんわりした,小さな白い花をたくさん咲かせる,新しい観賞用ユーフォルビアを発表しました.

 

通常,E. hypericifolia,E. graminea,またはそれらの種との交配種(最近の再分類後はChamaesyce hypericifolia)として記載され,品種「Inneuphdia」(または「Inneuphe」と表記されることもあります)は,一般にダイアモンドフロスト®の商品名で販売されています.

 

この柔らかい多年草(ゾーン10-12で丈夫,寒冷地では保護すれば耐根性)は,ほとんどの場所で一年草として栽培されています. 草丈は12-20インチで,こんもりとした形になります.直立した茎には,灰緑色から明るい緑色の細い葉が,広い間隔でつきます.

 

春から霜が降りる頃まで,樹冠の上部に純白の小さな「花」をたくさん咲かせます.

 

花と呼ばれている部分は,実は苞葉です.涼しくなると花は少なくなりますが,ダイアモンドフロスト®は不稔性なので,種子を作らず,花を咲かせ続けることができます.花はフラワーアレンジメントの材料として使うことができます.切り口を熱湯か火に数秒さらすと,余分な樹液が失われるのを防ぐことができます.

ダイアモンドフロスト® は,コンテナや一年草,ミックスベッドに植えたり,ボーダーやコテージガーデンの前庭にアクセント植物として,あるいは寄せ植えや歩道の縁取りとして,手入れの要らない素晴らしい植物です.小さな白い花は,他のどんな種類の花や色の植物ともよく合います.葉はきめ細かく,大きな葉を持つ植物とのコントラストに優れ,また,小さくてもたくさんの花を咲かせるため,混植のフィラーとしても適しています.

根が浅く,競合しないので,多年草の間やバラの周りに植えても,それらの植物に悪影響を与えることはありません.コンテナやハンギングバスケットでは,縁からはみ出し,背の高い植物や蔓性の植物の間の隙間を埋めることができます.また,十分な日照があれば,観葉植物として育て,一年中花を咲かせることができます.

 

水はけのよい土で,日向から日陰で育てます.少々乱暴に扱っても見栄えのする丈夫な植物で,実は水のやり過ぎに注意が必要です.枯れた花は自然に落ちるので,摘み取る必要はありませんが,剪定は枝分かれをよくするため,また,大きさを整えるためにいつでもできます.樹液が皮膚を刺激することがあるので,作業時には手袋を着用してください.白い乳液を出すので,鹿やウサギは好みません.

霜[寒さ]に弱い多年草なので,初霜の前に株を室内に入れ,日当たりの良い場所で管理すれば,冬を越すことができます.また,生育が順調であれば,クリスマスシーズンにポインセチアのアクセントとして利用することもできます.

春になったら株を切り戻し,霜の心配がなくなってから屋外に移します.草本の茎の挿し木で繁殖させることができますが(ライセンスを持っていない限り,販売するために繁殖させることは違法です),種から育てることはできません.

多くの人は春に小さな苗を購入します.霜の危険がなくなるまで待ってから,屋外に植え付けます.

ダイアモンドフロスト®の他にも,葉が緑で花が白い品種がいくつかあり(ブレスレス™ホワイト,ヒップホップ,ホワイトマナウスなど),一般人には区別がつかないほどです.ホワイトマナウス'はダイアモンドフロスト®よりも大きく,樹勢が強く,葉の緑が鮮やかだと言われていますが,並べて栽培しないとなかなかわかりません.ブレスレス™ブラッシュ(='バルブレブルス')は,よりコンパクトな(ふんわり感があまりない)品種で,ワインレッドがかった葉とピンクがかった白の花を特徴とします.'シルバーフォグ'は,本来は銀色の葉を持つ品種です.しかし,ダイアモンド・ディライト™は,見た目が明らかに違います.もっと背が低く,マウンド状で,八重咲きなので,ダイアモンド・フロスト®のようなふんわりした見た目と効果はありません.

 

 

8月の街やお寺で出逢った小さな花たち.今日取りあげるのは,タマスダレ.良い名前を付けられて幸せな花.「玉簾 たますだれ」は,もともと「珠玉(海=真珠と山の玉)で飾りたてた美しいすだれ.スイセンかと見間違えますが,アマリリスにより近いタマスダレ属の植物.今日も気になる新型コロナ感染爆発. 第7波の新規感染者数は,明らかにピークアウトしたようです.このまま下がり続けますように. 死者数も,少なくなって来始めた気配.以前,第6波のピークを上回ったままですが.

8月の街やお寺で出逢った小さな花を取りあげ始めて約二週間.

iPhoneに撮っておいた写真もそろそろ尽きかけています.

今日取りあげるのは,タマスダレ.実はわが家にもあるのですが---

おんめ様(鎌倉大巧寺)に一輪だけ咲いていました.

ペルー原産とのことですが,良い名前を付けられて幸せな花ですね.

「玉簾 たますだれ」は,もともと「珠玉(海=真珠と山の玉)で飾りたてた美しいすだれ。また、“たま”は美称で、美しいすだれ(日本国語大辞典)」

 

ヒガンバナ科の花.スイセンかと見間違えますが,アマリリスにより近いタマスダレ属(ゼフィランサスZephyranthes)の植物.

 

キジカクシ目 Asparagales,ヒガンバナ科 Amaryllidaceae,

ヒガンバナ亜科 Amaryllidoideae,

ヒッペアストルム連(アマリリス連) Hippeastreae,タマスダレ亜連 Zephyranthinae,

タマスダレ属 Zephyranthes,

タマスダレ Z. candida

 

ヒガンバナ亜科のヒガンバナスイセン等の植物と同様に,毒性成分リコリンを持つため,ノビルなどと間違えた誤食に注意が必要.

 

今日も気になる新型コロナ感染爆発.

第7波の新規感染者数は,明らかにピークアウトしたようです.このまま下がり続けますように.

死者数も,少なくなって来始めた気配.依然,第6波のピークを上回ったままですが.

 

 

おんめ様(鎌倉大巧寺)の小径にキンミズヒキが咲いています.「ミズヒキに似ており、花が黄金色であることによる」名前ということですが--- 薬用植物としても知られ(民間薬),食用にもできるそうです.バラ科キンミズヒキ属で近縁の属にワレモコウ属があります. 今日も気になる新型コロナ感染爆発.感染者はピークアウト,死亡者もピークに近づいた気配.しかし,欧米なみになるのには,後,最低1ヶ月ほどかかるのではないでしょうか? 欧米なみとは、死者の数が1日100人程度と言うこと.年間3万人ペース!

今日もまた,おんめ様(鎌倉大巧寺)の小径の花から.

キンミズヒキです.

「名は、ミズヒキに似ており、花が黄金色であることによる」(ニッポニカ)とありましたが----

ミズヒキに似ているでしょうか?

 

キンミズヒキは,中国名が龍牙草/瓜香草で,薬用植物としても知られ(民間薬),食用にもできるそうです.(キンミズヒキ | 薬草データベース).

近縁のセイヨウキンミズヒキも,古代ギリシャでは薬用とされていたとのことAgrimonia - Wikipedia

 

熊本大学薬学部 キンミズヒキ | 薬草データベース

日本の民間で止瀉(下痢止め)薬としてよく知られる.胃腸虚弱者の整腸薬にもなる.冷ました煎液は口内炎,歯肉痛,咽喉炎にうがい薬として用いる.湿疹やかぶれには布に浸して冷湿布とする.風呂に入れると疲労回復に効果があるとされる地方もある.

若い部分はおひたし,あえ物,汁の実,天ぷらなどに用いられる.

 

キンミズヒキ

バラ目 Rosales,バラ科 Rosaceae,バラ亜科 Rosoideae,キンミズヒキ属 Agrimonia,

キンミズヒキ Agrimonia pilosa

近縁の属にワレモコウ属.バラ属ともかなり近い位置に.

https://nph.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/nph.14461

 

今日も気になる新型コロナ感染爆発.

感染者に関してはピークアウトはしたようですが,このまま減り続けてくれるのでしょうか?

また,死亡者もピークに近づいた気配があります.しかし,欧米なみになるのには,後,最低1ヶ月ほどかかるのではないでしょうか?

欧米なみとは、死者の数が1日100人程度と言うこと.一年3万人ペースです.最低限,治療体制の何倍もの充実,高齢者施設・介護体制全般の抜本的な見直しが必須.そのような声は全く聞こえてきませんが---.

 

昨日取りあげたハナトラノオを調べる過程で,トラノオの名称を持つ植物が沢山あることに気づきました.そこで,今日は,ただただ,「虎の尾の名前を持つ植物」を集めてみました.サンスベリア/サンセベリア,ルリトラノオ,セイヨウトラノオ,オカトラノオ,トラノオシダ,ムカゴトラノオ---.日本人は「虎の尾」大好きだったんですね.

昨日は,おんめ様(鎌倉大巧寺)で出逢ったハナトラノオを取りあげました.

yachikusakusaki.hatenablog.com

ハナトラノオ

シソ目 Lamiales,シソ科 Lamiaceae,ハナトラノオ属 Physostegia,ハナトラノオ P. virginiana

ハナトラノオ - Wikipedia

 

いろいろネットを検索しているうちに,「トラノオ 虎の尾」の名前をもつ植物は沢山ある事がわかりました.

そこで,今日は,ただただ,「虎の尾の名前を持つ植物」を集めてみました.

簡単かなと思ったのですが,かなり苦戦.

「属ぐらいは調べておこう」と思ったのが間違いの元で,現在の属が以前と異なっている種がかなりあり,手間取りました.

というわけで,とりあえず,時間内に調べられたものだけ掲載することにしました.

 

虎の尾/サンスベリアサンセベリア

キジカクシ目 Asparagales,キジカクシ科 Asparagaceae,スズラン亜科 Nolinoideae,ドラセナ属 Dracaena,
アツバチトセラン D. trifasciata,
園芸種‘ローレンティー’,
旧属名:Sansevieria trifasciata cv. 'Laurentii';.

Sansevieria trifasciata cv. Laurentii

ルリトラノオ

シソ目 Lamiales, オオバコ科 Plantaginaceae,
クワガタソウ属 Veronica, ルリトラノオ V. subsessile, (旧名Pseudolysimachion subsessile) 

ルリトラノオ - Wikipedia

セイヨウトラノオ

シソ目 Lamiales,オオバコ科 Plantaginaceae,クワガタソウ属 Veronica,セイヨウトラノオ(カラフトルリトラノオ) Veronica longifolia,( P. longifolium )

セイヨウトラノオ - 日光植物園 - Veronica longifolia

オカトラノオ(:植物で単にトラノオといったときは,この種を指すことが多い,最近の園芸店ではサンスベリア?)
ツツジ目 Ericales,サクラソウ科 Primulaceae,オカトラノオ属 Lysimachia,オカトラノオ L. clethroides

オカトラノオ属には,他にヌマトラノオ,ノジトラノオ,ヤナギトラノオなど)

オカトラノオ - Wikipedia

トラノオシダ

チャセンシダ科 Aspleniaceae,チャセンシダ属 Asplenium,トラノオシダ A. incisum

トラノオシダ - Wikipedia

ムカゴトラノオ

ナデシコ目 Caryophyllales,タデ科 Polygonaceae,イブキトラノオ属 Bistorta,ムカゴトラノオ B. vivipara

ムカゴトラノオ - Wikipedia

日本人は「虎の尾」大好きだったんですね.

つい最近までは名前を知らなかった花,ハナトラノオ(別名カクトラノオ).目立たない花ですがよく見るととてもかわいらしい花が集まっているのが分かります.北アメリカ原産で,大正時代に渡来したとのこと.シソ科ハナトラノオ属 の植物でオドリコソウ属が近縁の属になります. 今日も気になる新型コロナ感染爆発.欧米諸国は口100万人当たり0.5〜2程度の死亡者を毎日だしながら(代償として?),「日常」を取り戻しつつ?あります.日本は?1日60〜245人の死者はずっと出し続ける?

鎌倉おんめ様(大巧寺)の小径で,かわいらしい花穂に出逢いました.つい最近までは名前を知らなかったハナトラノオ別名カクトラノオ).

 

紫の花でしたが,ピンクや白の花もあります.

ハナトラノオ - Wikipedia

 

トラノオ」という名前は,多様な植物に付けられています.

例えば,「トラノオ,植物」で検索したとき,トップに出てくる種は---

キジカクシ科ドラセナ属のドラセナ・トリファスキアタ(Dracaena trifasciata、アツバチトセラン).サンセベリアサンスベリア)と以前の属名で呼ばれています.(旧名Sansevieria trifasciata)

サンセベリアとは-育て方図鑑|みんなの趣味の園芸NHK出版

明日は,「『トラノオ』の名前を持った植物」を紹介できたらと思います.

ハナトラノオは,北アメリカ原産で,大正時代に渡来したとのこと

ハナトラノオ - みんなの花図鑑(掲載数:3,406件)

シソ科の植物になります.

シソ目 Lamiales,シソ科 Lamiaceae,ハナトラノオ属 Physostegia,

ハナトラノオ P. virginiana

 

近縁にオドリコソウ,ホトケノザが属するオドリコソウ属があります.

Lamiaceae - Wikipedia

以下,Wikipediaの画像をお借りして掲載.

 

今日も気になる新型コロナ感染爆発.

感染はピークを越え,死者は増加速度は緩やかになった気配がみえますが---.

 

欧米諸国をみると,人口100万人当たり0.5〜2程度の死亡者を毎日だしながら(代償として差し出しながら?),「日常」を取り戻しつつ?あります.

日本の人口は1億2244万(8月推定人口).1日60〜245人の死者はずっと出し続けることになるのでしょうか?