ヒユ科の植物たち(2) 今日は,センニチコウとその仲間たち(Amaranthoideae亜科).センニチコウ(千日紅,千日草) 夏・定番の花.フラワーショップの店頭に溢れます.小さな花の集まりですが,小花の2枚の包葉は退色せず長期間色を保つので千日紅の名がつけられました.同じ亜科に属するハマデラソウは,帰化植物の雑草ですが,この名前が付けられたために堺市で保存活動が行われています.ツルノゲイトウ属のナガエツルノゲイトウは,新聞に「地球上で最悪の侵略的植物」と報道された水生植物. 

昨日取りあげたケイトウは,

ナデシコ目 Caryophyllales, Amaranthoideae亜科 

ヒユ科 Amaranthaceae,ケイトウ属 Celosia.

 

ヒユ科には,よく知られた植物や,話題豊富な植物が属しています.何回かに分けて調べていきたいと思います.

ヒユ科の植物たち(2)

今日は,センニチコウとその仲間たち.

 

センニチコウ(千日紅,千日草)

夏・定番の花.フラワーショップの店頭に溢れます.

ヒユ科はいくつかの亜科に分けられていますが,

亜科:Gomphrenoideae に分類されています.

センニチコウ Gomphrena globosa

 

よく似たキバナセンニチコウは,別種.花を見ただけではなかなか区別できないですね.

 

キバナセンニチコウ Gomphrena haageana

センニチコウは,小さな花の集まりですが,

「小花は花弁を欠くが,2枚の包葉は光沢を帯びた紫紅色になり、退色せず長期間色を保つので千日紅の名がある.(ニッポニカ)」センニチコウとは - コトバンク

とのこと.

千日紅は中国名で,日本には,江戸時代,中国より渡来し,当時から「陰干しすれば、冬の立花や草とめ、投入れなどに用いられ、色変わりしないので重宝する」とされていたとのこと.(ニッポニカ)センニチコウとは - コトバンク

日本のドライ・フラワーのはしりですね.

 

センニチコウ属が属する

亜科Gomphrenoideaeには,ハマデラソウ属,ツルノゲイトウ属も属します.

どちらも聞いたことのない名前でしたが---

それぞれ,特別な「物語」をもつ植物が属しています.

 

まずハマデラソウ.

何の変哲もない植物ですが---

ハマデラソウは北米原産の帰化植物

牧野富太郎博士が1932年に見つけ,発見地浜寺(現在は堺市西区浜寺)を記念してハマデラソウという日本名を付けました.

一時期,この地域の工業化に伴い,姿を消していましたが---

「1986年全国植樹祭開催に伴い,泉大津市助松の海岸近くの墓地に育っているハマデラソウを見つけ種子を採取して堺植物同好会で栽培を始めました.

 現在,浜寺と名のつく小・中学校6校と,堺市都市緑化センター,浜寺公園の協力を得て,ハマデラソウを保護し,栽培しています.」とのこと.日本では他の地域ではみつかっていないそうです.

http://www.sakai-park.jp/hamaderasou.html

 

次は,ツルノゲイトウ属の

ナガエツルノゲイトウ

水草なのですが,世界中の淡水に侵入し,大きな脅威と見なされている雑草.

水中に密生して

「水生・陸生環境の両方に悪影響を与え、社会に悪影響を及ぼすことから、生態系に対する大きな脅威とみなされている」Alternanthera philoxeroides - Wikipedia

とのこと.

EUでは移入・取引禁止植物.

日本でもみつかっていて,淡路島での繁茂を報じた読売新聞の記事では,「地球上で最悪の侵略的植物」とされています.

「地球上最悪の侵略的植物」淡路島で繁殖、拡大しつつあり完全除去に10年以上か : 読売新聞オンライン

Amaranthaceae - Wikipedia