ヒユ科の植物(6)アカザ 今では路傍や空地に生える雑草と見なされますが,ホウレンソウにとても近い属の植物で,シロザと共に若芽・花穂・実は食用になります.現在でもインド北部では野菜として食べられています.同属のキヌア(キノア)は,アンデス原産で、インカ時代からの穀物としてよく知られ,現在でもペルーやボリビアでは栽培されています.

ケイトウを見かけたのをきっかけに,

ナデシコ目 Caryophyllales, Amaranthoideae亜科, ヒユ科 Amaranthaceae

の植物を取りあげています.

(1)ケイトウ(2)センニチコウとその仲間たち(3)イノコズチ(イニコヅチ)(4)ヒユ/アマランサス(5)ビート/テンサイ/フダンソウ/チャード

 

今日は(6)アカザ.

ホウレンソウにとても近い属の植物になります.

https://www.weblio.jp/content/藜

アカザは漢字では「藜」

はじめに字典/辞典の記述から:

 

角川字源:この記述から,かなりのことが推測できます.

▽意味:あかざ.アカザ科の一年生草本.また,あかざの杖つえ

字源には熟語も載っていて

【藜藿】れいかく(くわく):あかざの葉と、まめの葉。粗食のこと。

【藜羹】れいこう(かう):あかざの葉のすい物。粗食のこと。

【藜杖】れいじよう(ぢやう):あかざの茎で作った老人用の軽いつえ。

【藜藋】れいちよう(てう):あかざ。藋も、あかざ

 

中国では,食べられていて(少なくとも昔は),それが粗食の象徴にもなっている(た)!

また,枝からは杖もつくられている(た).

 

日本国語大辞典 藜とは - コトバンク

あかざ 藜

「中国原産.古くから栽培され,今では路傍や空地に生える」 

「若芽は紅色で、後に緑色となる」(註 紅色が残っていることもある)

「夏,穂状に黄緑色の粒状の花をつけ、後に黒いつやのある種子ができる.若葉は食用に供す」

 

ネットの時代ですが,辞書だけからもかなりのことが分かりますね.

以下,ネットの記事も含めて整理すると---

 

アカザは

ナデシコ目 Caryophyllales,ヒユ科 Amaranthaceae,亜科Chenopodioideae,

アカザ属 Chenopodium,

基本種はシロザChenopodium albumの変異種:

アカザ Chenopodium album var. centrorubrum

 

「日本では,北海道から沖縄まで全国各地に分布し,畑地,荒れ地に最も普通にみられるウィキペディア雑草ですが---

シロザ(若芽が赤くない品種)と共に食用になることが知られていています.

シロザ|住友化学園芸 eグリーンコミュニケーション

 

シロザは栽培されていた?採取と食べ方【食べられる山野草】 │ クラシリカ。

若芽、若葉:天ぷら、おひたし、和え物、炒め物、汁の実、菜飯など

花穂、実:天ぷら、酢の物、漬け物、ふりかけなど

レシピは:にゃごにゃの野草料理: シロザのレシピ

 

先の字源の記述からも分かるように,外国でも食用とされていて,現在最も多く食べているとされているのはインド.

 

「インド北部でバトアbathuaと呼ばれる食用作物として広く栽培され消費されている(DeepL翻訳 Chenopodium album - Wikipedia

なお,同属別種のキヌア(キノア Chenopodium quinoa)は,アンデス原産で、インカ時代からの穀物としてよく知られ,現在でもペルーやボリビアでは栽培されているとのことです.

Quinoa - Wikipedia