カレンデュラ(キンセンカ) 英語でpot marigold(ポッドマリーゴールド)と呼ばれています.花の色は確かにマリーゴールドと共通していますが,花びら,葉などはかなり異なります.英語国民はマリーゴールドという名前が大好きなので,気に入った花にはつけたくなったのでしょうか? カレンデュラの他の花には無い歴史に,ヨーロッパでは長く食用とされてきたことがあります.日本での人気にやや翳りのあるカレンデュラですが,edible flower として復活するかもしれません.

英語でpot marigold(ポッドマリーゴールド)と呼ばれている花があります.

日本名はキンセンカ,最近は属のラテン名Calendula をカタカナにしたカレンデュラと呼ばれることが多くなっている花で,種としてはキク科キク亜科キンセンカ属のCalendula officinalisになります.

https://en.wikipedia.org/wiki/Calendula_officinalis

 

世界で愛されているマリーゴールドMarigold.

日本でもヒット曲のタイトルになるほど皆に愛されるようになっていますが--

植物としては,「キク科キク亜科コウオウソウ属(マンジュギク属,タゲテス属, Tagetes)の英語の一般名」であることは,一昨日取り上げました.

https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2024/08/12/235717

 

似た花は,かなり沢山あって,昨日取り上げたジニア(ヒャクニチソウ)は,その代表格の一つ.花だけではなく,葉を見ると違いはすぐわかります.

https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2024/08/13/234751

 

一方のキンセンカ.花が似ているだけではなく(実はそれほど似てはいない),「マリーゴールド」の名前で呼ばれている!「ポッド」が前につけられていますが---

なぜ,そしていつの頃から呼ばれているのかはわかりません.かなり以前から,ひょっとするとマリーゴールドとほぼ同時期の可能性もあります.マリーとゴールドを組み合わせたわかりやすく親しみやすい名前ですから,気に入った花にはつけたくなるのでは,等と思ってしまいます.

マリーゴールドに二つあることは,英語を母語とする方々も気になると見えて,「Calendula vs Marigold」で検索すると,かなり沢山のサイトが検索されてきます.

 

その内の一つ

Calendula vs Marigold: Similarities and Differences

https://www.birdsandblooms.com/gardening/flower-gardening/calendula-vs-marigold/

をベースに,マリーゴールドとの違いを解説しつつ,カレンデュラキンセンカ)について紹介してみたいと思います.

 

カレンデュラキンセンカCalendula officinalis)は,一般的にポットマリーゴールドとして知られています.
マリーゴールドカレンデュラの共通点は、名前が似ていること以外では,花の色が似ていること.オレンジ,黄色,赤などの明るい色合いの花を咲かせるので,パッと見ただけでは見分けがつきません.
しかし実は花・葉の形状はかなり違っていて,
マリーゴールドの花びらは短くコンパクトなのに対し,カレンデュラは花弁が長い.また,マリーゴールドの葉は,滑らかな手触りで,細長く,ぎざぎざがあるのに対し,カレンデュラの葉は触ると粘着性があり,先端が丸く,毛が長い.

また,カレンデュラは,マリーゴールドよりも涼しい気候を好み,日本では冬の花マリーゴールドとは,花の季節が全く違います.

カレンデュラキンセンカ)は,日本ではやや人気に陰りが見え,かつて切り花の一大生産地であった淡路島では,現在,生産農家がかなり減少しているとか.
カレンデュラの他の花には無い歴史に,ヨーロッパでは長く食用とされてきたことがあります.
日本でもハーブ人気が高まっていて,花を食用とすることにためらう人は少なくなってきているように思います.今後は,このedible flowerとしてのカレンデュラの活用が広まっていくのではと思います.