ニョッキGnocchi イタリアのじゃがいも料理1  イタリアでは「パスタは有名なのはもちろんですが,ジャガイモも美味しく革新的な方法で食事に取り入れられています」とのこと.代表がニョッキ.日本でも,そして,英語圏,本国イタリアでも「ニョッキはパスタか?」と疑問に思う方が多いようで,英語でもイタリア語でもその解説をしたサイトも沢山見つかります.「料理上の定義から言えば,ニョッキもダンプリングの部類に入りますが,調理法からソースのかけ方,メニューのどこに載せるかまで,パスタとして扱われます」

イタリアでは,ドイツやフランスほどじゃがいも料理を食べないのでは?

と何となく思っていましたが---

それは単なる私の思い込みに過ぎないようです.

 

“12 Italian Potato Dishes You Should Try At Least Once

一度は食べたいイタリアのポテト料理12選”

https://www.tastingtable.com/1490695/italian-potato-dishes-explained/

によれば,

「----もちろん,パスタはどこへ行っても有名です.しかし,あまり語られることのないもうひとつの主食があります.

でんぷん質の野菜であるジャガイモは,その万能性と栄養価の高さから,世界中の食生活において重要な役割を果たしています.しかし,イタリア人はジャガイモを最も美味しく革新的な方法で食事に取り入れ,エキサイティングな新境地を開拓しています」

 

そして,この記事のトップは,もちろんニョッキ.

 

日本語のどの辞書にもニョッキは紹介されていて,例えば日本国語大辞典では,

ニョッキ

〘名〙 (イタリアgnocchi) ジャガイモ,小麦粉,チーズ,卵,牛乳でつくった団子状のパスタ.ソースをかけて食べる.

*ロッパ食談(1955)〈古川緑波〉新版洋食記Ⅰ

カネロニーや、ニョッキのたぐひも、〈略〉ドロリとした味で食ひたい」

 

▽この記載によれば,遅くとも1955年までには一般向けに紹介されていたんですね.私が知ったのは,2000年代になってからでしたが.

 

▽また,この日本国語大辞典の紹介では,ニョッキは「団子状のパスタ」とされていますが,パスタとしていない辞書もあります(例えば大辞泉).

 

英語圏の人も,「ニョッキはパスタか?」と疑問に思う方が多いと見えて,「Is gnocchi pasta?」と検索すると,沢山の記事が検索されてきます.

多くの答えは「より厳密には英語のダンプリング(dumpling ).しかし,パスタと同じように扱われる.

dumpling: 小麦粉に卵・牛乳・バターなどを加えて練り、団子状にしてゆでたもの(ランダムハウス英語辞典)

 

例えば

https://www.myrecipes.com/how-to/cooking-questions/is-gnocchi-pasta 

「料理上の定義から言えば,ニョッキもダンプリングの部類に入りますが,調理法からソースのかけ方,メニューのどこに載せるかまで,パスタとして扱われます」

 

では,イタリア語では?

トップに検索されてくる記事では

「L'enciclopedia(百科事典)はニョッキをパスタと定義している.乾燥パスタや生パスタとはまったく異なる食感を持つが,ニョッキの基本的な材料は水,小麦粉,卵,ジャガイモである  Pasta: le migliori risposte alle domande più frequenti | Galbani」とありますが---

 

そもそも,英語のdumplingをイタリア語にdeepL翻訳させると,gnocco/gnocchi.

”ニョッキはパスタとは別のカテゴリー”ではあります.

 

しかし,次の

https://www.moltofood.it/trucchi-e-consigli/gnocchi-sono-pasta-fresca/

では,

「技術的,伝統的な観点からは,ニョッキは生パスタとは異なる独自のカテゴリーに分類される.」としながら,表題は「ニョッキは生パスタ」.
内容は,先に紹介した英語の記事とほぼ同様でした.

 

「ニョッキは生パスタ

ニョッキ,特にジャガイモのニョッキは,イタリア料理の歴史にルーツを持つ料理で,柔らかい食感とソースを吸収する能力で愛されている.しかし,ニョッキは生パスタと言えるのだろうか?その答えには,生パスタの特徴とニョッキに使われる食材を調べる必要がある.

伝統的な生パスタは通常,小麦粉と水,そして地域によっては卵を混ぜて作られる.一方,ジャガイモのニョッキは,茹でたジャガイモをマッシュし,小麦粉(場合によっては卵)と混ぜて生地を作る.つまり,小麦粉をベースにしている点は共通しているが,ニョッキはジャガイモを主に使っている点で区別される(*).

技術的,伝統的な観点からは,ニョッキは生パスタとは異なる独自のカテゴリーに分類される.しかし,生パスタと共通しているのは,素材の新鮮さと,調理後すぐに消費されるという点である.さらに,どちらもさまざまなソースやドレッシングをかける」

(*)歴史的には,じゃがいもを使っていないニョッキがあった.下記参照.

 

最後に

改めて冒頭の “12 Italian Potato Dishes You Should Try At Least Once 一度は食べたいイタリアのポテト料理12選”

https://www.tastingtable.com/1490695/italian-potato-dishes-explained/

でのニョッキの解説を載せておきます.

 

「イタリアのじゃがいも料理といえば,ニョッキ.

ニョッキの起源はローマ時代に遡り,イタリアの食を支える柱のひとつだ.

しかし,興味深いことに,この料理の最初のバージョンにはジャガイモさえ入っていなかった.ニョッキの最も初期のものはニョッキ・アッラ・ロマーナと呼ばれ,卵とセモリナ(粗い穀粉.イタリアでは,パスタを作るデュラムセモリナを指すことが多い)を丸く成形したものだった.ジャガイモがこの料理を引き継いだのは,16世紀か17世紀近くになってからである.

現在,ニョッキは世界中のイタリアンレストランのメニューで見かけることができるが,厳密にはパスタの仲間ではないため,独自のカテゴリーに属する.

ジャガイモ,小麦粉,卵の3つの材料だけで,柔らかくてピロピロとした団子を作るのが一般的だ.そして,ポモドーロからクリーミーなペーストまで,ほぼどんな種類のパスタソースでもトッピングできる.

家庭でニョッキ作りをマスターしようとするなら,いくつかの重要なコツを覚えておくことが大切だ.----(:じゃがいもの種類,調理用具などの解説)」

 

 

なお,

ニョッキの歴史について,より詳しくは:

https://www.saveur.com/article/food/history-of-gnocchi/

Pasta’s Predecessor: The History of Gnocchi

The story of Italy’s most beloved dumpling

 

 

また,日本語でのレシピも沢山みつかります.

未だ作ったことがありません.一回作ってみたいもの.

https://www.kyounoryouri.jp/recipe/42881_フレッシュトマトソースのニョッキ.html

https://www.kyounoryouri.jp/recipe/17197_じゃがいもニョッキ.html

https://www.kurashiru.com/recipes/2b8a99e1-a7d9-4ac2-8da9-5ca2235faff2

https://uchi.tokyo-gas.co.jp/recipes/topics/5681