NHKBSプレミアム
オリエント急行 スイーツ列車紀行 西欧(2020年4月初回放送)
“ヨーロッパの歴史あるお菓子から最先端のデザートまで魅惑のスイーツを味わう列車の旅”
より.
https://www.nhk.jp/p/pcafe/ts/YLGKWGLR2Q/episode/te/8R65X1ZKQR/
「スコーン(SCONE)とジャム&クロテッドクリーム(jam & clotted cream).
ティータイムをめぐるイギリス人のこだわりとは?」
スタートはイギリスのロンドン,旅をするのは女優の高島礼子さん.
1883年にパリとイスタンブールの間で開通したオリエント急行
時代ごとに様々な街を経由し,ロンドンからも連絡列車が海峡を越えて運営されていました.この往年のオリエント急行が駆け抜けた地域から,スイーツの魅力に溢れた街を訪ねます.
今回は,イギリス,フランス,ベルギー,ドイツを訪ねて気になるスイーツの歴史と秘密を解き明かします.
ミステリーの金字塔,オリエント急行殺人事件,作者はアガサ・クリスティー(1890〜1976).
https://en.wikipedia.org/wiki/Agatha_Christie
アガサの好きなスイーツ:
ブレッドプディング(動く指)
https://www.google.com/url? OLD FASHIONED BREAD PUDDING
トライフル(火曜クラブ)
https://www.thespruceeats.com/traditional-english-trifle-recipe-435147
カモミール茶とリンゴのメレンゲ(パディントン発4時50分):
https://www.fabfood4all.co.uk/apple-meringue/
高島さんが向かったのは,アガサのお気に入りだったイギリスで最も歴史あるホテルの一つ.創業は1837年.
Brown’s Hotel
(NHKの番組では名前を出していません.1837年創業から検索しました)
https://highteasociety.com/reviews/afternoon-tea-at-browns-hotel-london/
ブラウンス・ホテルには,イギリスのみならず世界的な歴史がある.ロンドン初のホテルで,ヴィクトリア女王が王位を継承したのと同じ1837年にオープンした.
現在7万軒を超えるホテルがあるこの街で,その実績はいかばかりか.ヴィクトリア朝の作家オスカー・ワイルド,アーサー・コナン・ドイル,ブラム・ストーカーの3人は,当時の常連客だった.
アレクサンダー・グラハム・ベルが滞在中,ヨーロッパで初めて電話をかけたのもこのホテルだった.BAFTA(英国映画テレビ・アカデミー賞)の第1回会合がこのホテルで開催され,ローレンス・オリヴィエが出席したほか,エリザベス王女が女王に即位する2年前の1951年にお茶を飲みに訪れている.
ウェイター「こちらがアフタヌーンティースタンドです.クリームとジャムもどうぞ」
お値段は,シャンパンがついて65ポンド(約9300円/2020年).
https://afternoonteaonline.co.uk/book/browns-hotel-afternoon-tea/
https://highteasociety.com/reviews/afternoon-tea-at-browns-hotel-london/
サンドイッチにケーキ.そして,イギリスと言えば,こちら.
スコーン(SCONE).
:オートミール,小麦粉,大麦の粗びき粉などで膨らし粉を使って作る丸い小型のパン.(ランダムハウス英語辞典)
https://wrapyourlipsaroundthis.com/browns-hotel/
スコーンのお供にジャムとクリーム.
https://afternoonteaonline.co.uk/book/browns-hotel-afternoon-tea/
でもただのクリームではありません.
クロテッドクリーム(clotted cream)と言って,イギリスで2000年以上前(ナレーションのママ.ホント??)から作られてきたと言われる伝統的なクリーム.
煮詰めた牛乳の上にかたまった,乳脂肪分から作られます.
バターのような濃厚さと,生クリームのような口当たりが,特徴です.アガサクリスティーもクロステッドクリームへの想いを自伝に残しています.
「陶器のボールの中でミルクを煮立てて,浮いてきた黄色い上澄みをすくっては集めた本当のクリーム.私の大好きなものは,昔も今もそしてこれからも,ずっとクリームであることは間違いない」(アガサ・クリスティー自伝)
そんなクロテッドクリームとジャムをスコーンに塗っていただくのですが---
ウェイター「クリームが先ですか?それともジャムが先ですか?」
“クリームが先か.ジャムが先か”
実はこれ,イギリス人の重要なこだわりポイント.議論が続いているのです.
クロテッドクリームが作られているのは,イギリス南西部のデヴォンと,コーンウォール.
https://www.twinkl.jp/resource/cornwall-and-devon-map-t-g-1650876799
どちらも酪農が盛んな地域です.
デヴォンではクリームファーストで,クリームが先.(クリームが沢山ぬれる?)
一方,コーンウォールはジャムが先のジャムファースト.(見た目がこちらの方が美しい?)
「イギリス全土に広がり,千年にわたって紛争が続いています」とのこと.
かつてロンドン出身のキャメロン首相が,デヴォンのティールームを訪れたときのこと.
「ジャムが先でしたよね」と間違えてひんしゅくを買ったエピソードが知られています.
王室専属の料理人によれば,「女王陛下はジャムが先」.コーンウォールのジャムファースト派は勢いづいたそうです.
劣勢となったデヴォン州.
道路看板でアピールし,「クリームが先」Tシャツ,そしてジャムファーストを違法にする請願活動まで.
たかがスコーンと思うなかれ.彼らは本気です.
https://www.facebook.com/DevonsTopAttractions/photos/a.1488680684710067/2192737524304376/?type=3
https://www.google.com/search? Devon, UK. Cream first T-shirt
ウェイター「私どもはコーンウォール産のクリームを使っているので,ジャムファーストをお薦めします.ジャムファーストはスコーンがきれいに見えますからね」
https://highteasociety.com/reviews/afternoon-tea-at-browns-hotel-london/
https://www.google.com/search?q=Brown’s Hotel
https://www.google.com/search? browns hotel afternoon tea
立冬 地始凍