ドーナツ /スイーツ(イギリス・フランス・ベルギー・ドイツ)番外編 NHKBSPオリエント急行 スイーツ列車紀行でドーバーに向かった高島さん.「クロナッツ」を車中でいただきます.「おいしい. 見た目は,クロワッサン的な生地----」 付録 ▽ロンドンで好まれているドーナツ  ▽ドミニクアンセルベーカリー東京撤退  ▽ドーナツの歴史. ▽doughnutとdonut  ▽ドーナツの種類(分類)

NHKBSプレミアム 

オリエント急行 スイーツ列車紀行 西欧(2020年4月初回放送)

“ヨーロッパの歴史あるお菓子から最先端のデザートまで魅惑のスイーツを味わう列車の旅”

より.

https://www.nhk.jp/p/pcafe/ts/YLGKWGLR2Q/episode/te/8R65X1ZKQR/

 

ブラウンズホテルで,アフタヌーンティーを楽しんだ高島礼子さん.

次の目的地,フランスへ向かいますが,その前に,

移動中の列車内で食べる旅のお供を買いに来ました.

やって来たのは,フランス出身のパティシエが作る,きれいなスイーツが話題の世界的なチェーン店.

高島さんのお目当ては,食感が面白いことが知られるドーナツ.

 

番組で高島さんが買い求めたドーナッツをなかなか特定することが出来ませんでしたが---

多分コレ!

クロナッツと命名されたドーナツ(フレンチドーナツの一種と言えるのでしょうか?).

考案したシェフの名前はDominique Ansel.

番組に出てきたものは赤かったのですが---と探したら,みつかりました.

(二つで4.5ポンド.約640円/2020年)

しかし,私には色がちょっと気になります.

 

 

ドミニクアンセルベーカリーは,もともとはニューヨークで生まれたお店.

ロンドンでも,大人気.

https://www.eater.com/2016/9/30/13122054/dominique-ansel-london-open-cronuts

https://www.google.com/search?q=Dominique+Ansel+Bakery+London

 

クロナッツを買った高島礼子さん.ロンドンのセント・パンクラス駅へ.ここはヨーロッパへ向かう高速列車の始発駅.

パリへ向かうユーロスターではなく,ドーバーへ向かう列車ジャベリンに乗りこみます.

クロナッツを車中で食べたは感想は

「かわいいよね,この入れ物.

うん,おいしい.

見た目は,クロワッサン的な生地.でも,もちもちしている.

茶色いクリームが入っているんですけど,ちょっとゴマっぽい気がする.イチジクのクリームにゴマ風味の甘いクリーム,ちょっと和風.」

 

▽ロンドンで好まれているドーナッツ

ドーナツと言えば,アメリカですが(96%の人が好むというウェブアンケートがありました),イギリス人のドーナッツ好きもなかなかのもののようで,ロンドンには販売店はとても多い.

全米一のダンキンドーナツは,ロンドンにあることはあるものの,沢山のドーナツ販売店の中に埋もれてしまって,探すのが一苦労のようです.

https://candaceabroad.com/dunkin-donuts-in-london-uk/

 

ロンドンでのお薦めドーナツの記事もネット上で沢山みつかります.

その内の一つから画像を集めてみました.

ふだん,ドーナツはほとんど食べないのですが,見ると食べたくなるのがドーナツですね.

https://www.standard.co.uk/going-out/restaurants/best-doughnuts-donuts-london-a4139561.html



▽ドミニクアンセルベーカリー東京は撤退

実はドミニクアンセルベーカリーは,東京にも2015年開店.

しかし,2021年3月「ニューヨーク発のペイストリーショップドミニクアンセルベーカリー(DOMINIQUE ANSEL BAKERY)を運営するD.A.B. PASTRYが、3月24日付で東京地方裁判所から破産開始決定を受けたと帝国データバンクが報じた。」

とありました.

https://www.fashionsnap.com/article/2021-03-31/dominique-ansel-bakery/

日本でも食通の方々には非常に好評だったようですが---

クロナッツの色にもう一工夫必要だった?日本人が好む色・味を研究して---

アメリカ発祥のドーナツ店としてはミスタードーナツが日本では大成功しています.運営会社ダスキンの努力があってこそなのでしょう.

一方,世界一のドーナツチェーン店「タンキンドーナツ」は,ドミニクアンセルベーカリー同様,日本からは撤退してしまいました.https://www.donutfc.com/post/【ドーナツブーム大検証】

 

ドミニク・アンセル Dominique Ansel

https://www.sogoodmagazine.com/pastry-blog/pastry-competition/dominique-ansel-receives-the-worlds-best-pastry-chef-2017-from-san-pellegrino/

2017年のWorld's Best Pastry Chefの称号(The World's 50 Best Restaurantsによりランク付けされた)を手にしています.

2011年、彼はニューヨークのソーホーにドミニク・アンセル・ベーカリーをオープン

彼は2013年にクロナッツ(cronut)の考案者として世界的な人気に躍り出ます.

2015年4月にはウェスト・ヴィレッジにドミニク・アンセル・キッチンをオープンし、メニューの70%以上がインスタントで提供される美食空間となりました.

彼の名を冠したベーカリー、ドミニク・アンセル・ベーカリー・ロンドンでは、ショットグラスの形をした温かいチョコレートチップクッキーにタヒチ産バニラビーンズ入りの冷たいミルクを入れたクッキーショットやフローズン・スモアなどの作品を試すことができます.

 

 

▽ドーナツの歴史.

Britannica https://www.britannica.com/topic/doughnut

Smithsonian MAGAGINE https://www.smithsonianmag.com/history/the-history-of-the-doughnut-150405177/

 

ドーナツはリング状か,揚げ生地(fried dough)で構成されているか,またはその両方であるものを指すためより広く使われることもありますが,一般的には,「揚げたり焼いたりした小さな輪状の甘い生地(a small ring of sweet leavened dough that has been fried or sometimes baked)」をいいます.

 

世界中の文化が何世紀にもわたって揚げ生地を食してきました.先史時代のネイティブ・アメリカンの集落からは揚げパン生地の痕跡が見つかっており,古代ローマギリシャでは甘く味付けされた揚げパン生地が食べられていたことが知られています.

現在のドーナツの始まりは,一般的には,17世紀〜18世紀のニューヨーク(当時のニューネーデルラント)で,オランダ系移民が,「oil cakes」を意味するolie koeken or olykoeks(オリー・コエケンまたはオリーコエクス)と呼ばれるfried dough balls(揚げ生地のボール)を作ったことにまで遡るとされています.

当初はリング状ではなく,代わりに,生地の真ん中に果物やナッツを詰めて,中心部分の生地が他の部分よりもゆっくりと加熱されるという問題を回避しました.

そして,作家のWashington Irvingが,「甘い生地を豚の脂で揚げたボールが,ドーナツdoughnuts,またはolykoeksと呼ばれていた」と1809年出版の作品で紹介しています.

 

ただ,このアーヴィングの説にも異論があります.18世紀のイギリスでは,ジンジャーナッツやスパイスナッツなど,小さな丸いお菓子を表すのに,すでにナッツという言葉が使われていて,そのレシピがイギリスからアメリカへの移民によって持ち込まれたというものです.

 

ドーナツがどこでどのように始まったかはともかく,20世紀に入る頃にはドーナツは完全にアメリカのものとなっていました.

ドーナツの真ん中に穴を開け,象徴的なドーナツの形が考案されたのは,1850年頃,ハンソン・グレゴリーというアメリカ人の船乗りと言われています.

ドーナツは全米で食べられるようになり,第一次大戦では,何百万人ものホームシックにかかったアメリカのドーナツ少年たちが,フランスの塹壕で何百万個ものドーナツに出会います.兵士たちに故郷の味を楽しんでもらおうと,ボランティアの女性たちがドーナツを前線にまで運んでいったのでした.ドーナツ少年たちは戦争から戻ると,もっとドーナツを食べたくなりました.

最初のドーナツ製造マシンが登場したのは,1920年にニューヨークで,ロシア皇帝時代からの難民で進取の気性に富んだアドルフ・レビットが,自分のパン屋で揚げドーナツを売り始めたとき.このレビットのマシンは,主に全国のパン屋への卸売りで,年間2500万ドルを稼ぎました.

ドーナツが "自動的に"作られるのを見て,ドーナツは未来の波の一部となりました.そして,ドーナツの値段は5セント以下で,大恐慌の犠牲者のほとんどに手が届く範囲だったので,ドーナツは基盤食品となり,さらに愛されることになります.

1934年にシカゴで開催された万国博覧会では,ドーナツはポスターの材料となり,"進歩の世紀のヒット食品 "と謳われました.

その後,クリスピークリーム,ダンキンなどのドーナッツチェーン店が生まれ,さらに広まりました.

 

doughnutとdonut

https://www.etymonline.com/word/doughnut

https://www.etymonline.com/word/donut

doughnut (n.)

「生地を作ってラードで揚げた,小さくてスポンジ状のケーキ」は,1809年にアメリカ英語で登場しました.名前は dough(生地) + nut(木の実)から来ており,おそらく小さな丸い塊を表していると思われます(穴が空いたのは後のことで,1861年頃に初めて言及された).

 

donut (n.)

アメリカでは1870年代(「ジョシュ・ビリングス」)からdoughnutの代替綴りとして現れ,ベーカリーの名前には1920年代頃からよく使われています.ハリウェル(「古語や地方語の辞書」,1847年)には,「donnut」という単語があり,"a pancake made of dough instead of batter,"と書かれています.

 

▽ドーナツの種類(分類)

グリコ栄養食品たべもの事典