「鎌倉市農協連即売所」(連売所)では,スーパーなどではあまり見かけない赤大根,紫大根も販売していました.
赤大根
ぶり大根のレシピもネット上にはありますが,甘酢に漬けたり,ピクルスにしたりする食べ方が一般的でしょう.美しく美味しいのですが,大根一本はかなりの量になってしまうのが難点かなとも思います.そのまま生サラダで食べることをすすめている品種も出てきていますね.
赤い色のついた大根は,一体何種類あるのでしょうか?まとめてあるサイトがいくつかありますので,その内の一つを引用させていただきます.https://tabemono-news.com/2452.htm
なお,分類名ではなく.名称としても「赤大根」の名がつけられた熊本県五木地方の伝統野菜もあります(五木赤大根、平家大根)
https://www.ehealthyrecipe.com/meal/chisan_chisho/detail.php?szid=3085).
▽皮が赤くて中身が白い: レディサラダ・紅化粧・紅甘味大根・ミラノ大根など
▽皮が赤く、中身は少し皮と同じ色がさしている: 紅しぐれ大根・味いちばん紫・くれない総太り大根・赤大根など
▽皮は白いが中身が赤い: 青皮紅心・紫大根など
▽紅皮も中身も赤い: 紅くるりなど
▽皮は赤く、中身も若干赤い辛味大根: 辛いね大根など
紫大根
赤大根は,探せばみつかりますが,紫大根はさらに販売量が少ないように思います.それでも何種類かの品種があるようですね.
大根
赤や紫の大根を食べる機会は,白い普通の大根に比べると圧倒的に少ないかと思います.
古くから全国で沢山の種類が栽培され,
https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2017/01/26/000957
2000年代に入っても「消費量」1位をキープし続けてきた野菜ですから.(ジャガイモには及びません.また,「生産量」では最近キャベツにぬかれてしまいました.消費量でもすでにぬかれている可能性大)
https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2019/01/27/111559
なお,現在の「普通の大根」は,厳密に言えば白くないことは,皆様ご存じの通り.
「青首大根」ですね.青首大根が全国に広まり,関東地方では断然人気のあった三浦大根を上回っていった過程については,このブログでも取り上げました.https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2019/01/26/013728
現在主流の「青首大根」は,宮重大根(太りやすく味がよいが,病気に弱く「ス」が入りやすい)の欠点を克服した「耐病総太り」という品種が開発されて(1974年)以降.
現在も,さらに多くの青首大根の品種が生み出され続けています.
https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=142
https://rassic.jp/content/9663
https://www.takii.co.jp/CGI/tsk/shohin/shohin.cgi?breed_
大根を詠んだ短歌
古くは,古事記の歌謡に,そして枕草子,徒然草にも取り上げられている野菜・大根ですが,短歌に詠われるのは江戸時代以降のようです.(古今短歌歳時記)
足引の国上(くがみ)の山の山畑にまきし大根(おほね)をあきず食(を)せ君 良寛 良寛歌集
暮れて洗ふ大根(おほね)の白さ土低く武蔵野の闇はひろがりて居り 島木赤彦 馬鈴薯の花
夕されば大根の葉にふる時雨(しぐれ)いたく寂しく降りにけるかも 斎藤茂吉 あらたま
人一人大根引けり秋の野の光にはゆる不二の白雪 四賀光子 朝月
畑中に掘残されし大根(おほね)の葉黄ばみて朝の霜ましろなる 三ヶ島葭子 三ヶ島葭子全歌集
大根の一株ごとの葉のしげり斯かる無駄なき生あり此処に 鹿児島寿蔵 麦を吹く嵐
Edinburgh Journal of Botany Volume 72, Issue 1 March 2015 , pp. 1-11 Molecular phylogeny indicates polyphyly in Raphanus L. (Brassicaceae) Ziffer-Berger, N. Hanin , T. Fogel, K. Mummenhoff