日本人が古来より食べてきた大根.
世界の生産・消費の90%は,日本と言われています.
(東京新聞)
しかし最近では,その消費にややかげりが見られるのも事実.
栄養面で取り立てて目立つところがない大根ですが,白菜同様大量に食べることができるのが強み.
生食から煮物,時には焼き物にまで,調理法もバライティーに富んでいます.
特に嫌われているわけではなく,むしろ大人は好きな野菜.もっともっと大根を食べて良いのでは.
大根の生産量の動向
直近の農水省統計データ2017年の野菜生産量では,大根はジャガイモ(ばいれいしょ),キャベツに次いで第3位.
作物統計調査 作況調査(野菜) 確報 平成29年産野菜生産出荷統計 年次 2017年 |
しかし,約20年前の1998年のデータでは
3位キャベツをかなり引き離して.第2位.
ジャガイモを「いも類」と見なす考え方では,堂々の1位といえるでしょう.
作物統計調査 作況調査(野菜) 確報 平成15年産野菜生産出荷統計 年次 2003年
野菜全般の生産量は減少傾向にあります.
白菜・ジャガイモと共にこの減少に大きく貢献?しているのが大根.
一方,キャベツの生産は現状維持の傾向にあります.
そのため,この10年の間に生産量第2位の座を明け渡してしまいました.
このまま行くと,タマネギに抜かれる日も近い?
最も食べられている野菜.大根
生産量を急激に落としている大根ですが,最も沢山食べれている野菜としても知られています.
2012年の国民栄養調査のデータをもとにしたランキングでは堂々の1位.
日本人がたくさん食べている野菜は? |報道発表資料|厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000096137.pdf
しかし,第2位のたまねぎとほぼ並んでいて,いつ追い抜かれてもおかしくない(既に追い抜かれている?).
しかし,タマネギがこれほど食べられているのはやや意外な感があります.
カレー,シチューを沢山食べているためでしょうか?国民栄養調査のデータを改めて検討する必要がありますね.
付録
1. 野菜の生産 1998 vs 2017
サラダを食べて野菜を食べた気になってしまっている現代人?
作物統計調査 作況調査(野菜) 確報 平成15年産野菜生産出荷統計 年次 2003年
作物統計調査 作況調査(野菜) 確報 平成29年産野菜生産出荷統計 年次 2017年 |
コメント:
この間,大きく増加しているのはブロッコリーで,次いで小さな幅ながらレタス.
サラダ全盛の折,煮物,漬け物として用いられる割合が高い野菜の消費が減少し,サラダ用の野菜は増加または現状維持といった傾向があるように思われます.
野菜全体の生産・消費量の減少は,
『サラダを食べて野菜を食べた気になってしまっている現代の食傾向』
の反映?
2. 2012年日本人の野菜摂取傾向
日本人がたくさん食べている野菜は? |報道発表資料|厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000096137.pdf