はっきりしない天気が続きすが,昨日は,曇り空の中,安国論寺まで散歩.
先日長寿寺行きの際にも見かけたススキ.そして,柿の実.10月だな〜と感じさせてくれます.
安国論寺の山門の前のイチョウと松.なんとなく黄色みを帯びているイチョウですが,紅葉といえるまでにはなっていません.
安国論寺は裏山を含めれば,とても緑の多いお寺です.
庭はキチンと手入れされていますが,秋の花はあまり見当たりません.そんな中.珍しい花に出会いました.調べてみるとサラシナショウマ(多分).
キンポウゲ科サラシナショウマ属の植物でこの不思議なかたちは,残った雄しべ(こちらも,多分).
サラシナショウマ(ニッポニカ):細長い総状花序をつけ、白色で径約1センチメートルの花を開く。花弁、萼片(がくへん)は早い時期に落ち、白色の多数の雄しべが残る。
そして,もう一つ咲いていた花は,サザンカ(こちらもまたまた多分).
もうサザンカの咲く季節なんですね.
今年の追い込みの花粉集めでしょうか?スズメバチが来ていました.
ニッポニカによれば,中国名「山茶花」はツバキとのこと.中国でのサザンカは茶梅だそうです.サザンカとは - コトバンク
サザンカを「山茶花」と間違え,さらにこの「山茶花」を日本語読みし,結果としてたどり着いた名前がサザンカということのようです.語誌は日本国語大辞典に次のように詳しく掲載されています.
さざんか語誌(日本国語大辞典)
[語誌](1)「山茶花」の表記は中世後期に見られるが,当初は「さんざか」と読まれていた.「日葡」や「俳諧・毛吹草」などにその形がみえる.群書類従本「尺素往来」には「茶」の右に「サ」の音注が見えるが,「さんさか」という清音形の存在は不確実である.同書の東京大学国語研究室蔵本(室町時代写)には「茶」に「チャ」とあり,「さんちゃか」という読みがあった可能性もある.
(2)訛形「さざんか」は一七世紀から見える語形である.「書言字考節用集」では「サンザクハ サザンクハ」と,両形を挙げ,かつ「サンザクハ」を第一としているが,その後,「さざんか」が「さんざか」に取って代わった.
サザンカを詠んだ短歌を載せようと思ったのですが,季節は十一月十二月を思わせる歌が多く,またサザンカの散る姿が歌人たちの心を惹いたようです.今日は次の一首だけ挙げて,もう少し秋が深まったときに,また採り上げたいと思います.
山茶花はつぎつぎ紅き蕾もてり咲きをはるべきときの知らなく 中村憲吉 軽雷集以後