ハス(蓮)2  ハスとスイレンの見分け方は,ウェブ上にも沢山載っていますが---例えば,ハスの葉には切れ込みがないがスイレンの葉には切れ込みがある.ハスの根は地下茎が細く長く伸びるが,スイレンはわさびのような根であったり塊状.等々.しかし,両者は似ています.実際「ハス属は,かつてスイレン科Nymphaeaceaeに属していた」.しかし「遺伝子解析の結果,ハス科とスイレン科の類似性は収斂進化の一例であることが判明した」とのことで,現在,ハスはヤマモガシ目ハス科ハス属.

ハスは,昔も今もハス属ですが,このハス属,かつてはスイレン科に属していました.

 

ハスとスイレン.見た目はそっくりです.

Nelumbo nucifera - Wikipedia

 

ヒツジグサ - Wikipedia

 

見分け方は,ウェブ上にも沢山載っていますが,

https://shop.takii.co.jp/flower/bn/pdf/201505_25.pdf 湯浅浩史 植物ごよみ(朝日新聞社

http://garden.kikuchisan.net/lotus.html

ハスを中心に改めて整理すると:

 

 

ハス

地下茎が細く長く伸びる.食用にするレンコンは花後に先端が肥大したもの.

スイレン:耐寒性種:ワサビのような根,熱帯性種:塊状)

 

葉に切れ込みがない.スイレン:切れ込みがある)

撥水性があり光沢がない.スイレン:撥水性はなく,光沢がある)

葉茎/葉柄が固く立ち上がり多くは水上に伸びるが,浮き葉もあるスイレン:葉茎/葉柄は柔らか水深の変化とともに伸び,葉は水面に浮かんでいる.)

 

花茎は立ち上がり水面から離れて咲く.スイレン:耐寒性種は水面に浮かんで咲く.熱帯性種は花茎が立ち上がる)

午後閉じて,開閉を繰り返した後,4日目に水上で花びらが散る.スイレン:約3日間開閉した後,閉じて水中に沈み,結実する.夜咲きもあるが,多くは夕方に花を閉じる)

 

 

花弁よりずっと短く長さがそろっていない.スイレン:花弁と同じ長さにそろっていて,形もほぼ同じ)

 

種(タネ)

花後,水上でタネができる.タネは大きくかたい外皮に包まれている.スイレン:タネは小さく,初めは水に浮かび,その後沈む)

数の子房が集まった果実.タネは一つの子房に一つ.スイレン:子房は一つでタネは一つの子房に多数)

 

ハスの生育状況を模式図で描いたものをお借りします.下のスイレンの水槽の図と比較するとわかりやすいかなと思いますが---

【ハス・はす・蓮】ハスの季節ごとの苗の状態と管理(育て方) | 株式会社 杜若園芸|水草の生産販売【通販ショップ】

 

 

睡蓮の栽培方法(温帯睡蓮・熱帯睡蓮・姫睡蓮):草花:栽培ガイド 『園芸ネット』本店 通販 engei.net

 

このように見た目は似ているのですが---,現在の分類では,

ハスは

ヤマモガシ目 Proteales,ハス科 Nelumbonaceae,

ハス属 Nelumbo

 

スイレン

スイレン目 Nymphaeales,スイレン科 Nymphaeaceae,

スイレン属 Nymphaea

 

英語版のウィキペディアのハス科(Nelumbonaceae)には次のような解説が載っています(DeepL翻訳,一部抜粋.記載順変更)

 

ハス科(Nelumbonaceae)

Nelumbonaceae - Wikipedia

ハス科は水生顕花植物の科の一つである.現存する唯一の属はハス属Nelumboで,北アメリカ原産のNelumbo lutea(キバナバス)とアジアに広く分布するNelumbo nucifera(ハス)がある.

紀の国 城下町便りと観光地めぐりの画像|エキサイトブログ (blog)

 

2016年のAPG IVシステムでは,ハス科はヤマモガシ目Proteales,真性双子葉類に位置づけられる.

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ハス属は,かつてスイレン科Nymphaeaceaeに属していた.

遺伝子解析の結果,ハス科とスイレン科の類似性は収斂進化の一例であることが判明した.

ハス科はヤマモガシ目(Proteales)に属する高度に進化した真性双子葉植物であり,その最も近い現生縁はスズカケノキ科(プラタナス科 Platanaceae)とヤマモガシ科(Proteaceae)である.

 

 

このWikipedia記載中の収斂進化」という言葉は専門用語でなかなか理解できないのですが--

例えば,「イルカ,セイウチ,マナティといった海洋哺乳類は,系統進化的には元々かなり離れたものであっても,水生に戻ることに成功し同時に姿形は似てくる」といった例で理解に近づけるかと思います.(私も十分には理解できていませんが)

象と同じアフリカ獣類からマナティーが、ネコや犬と同じネコ目からセイウチ、そして牛や羊と同じ鯨偶蹄目より鯨やイルカと、それぞれの種は別々に進化していても、最終的に魚と同じように泳ぐのに適した形態にたどりついている。このような進化の形式は収束進化と呼ばれ、強い選択圧を研究する一つのモデルとして研究されてきた。

ゲノムのConvergent evolution:収束進化 | JT生命誌研究館

 

ハスもスイレンも,沢山の園芸品種が開発されています.

池がなくても水槽で栽培できるため,例えば多くの寺院でハスの花を楽しめます.スイレンは私も栽培したことがありますが,より家庭向きかと思います.

 

ハス

https://www.karenkaren.info

 

スイレン

https://item.rakuten.co.jp/ishidaseikaen/mm-164/ https://item.rakuten.co.jp/ishidaseikaen/mm-096/ https://item.rakuten.co.jp/ishidaseikaen/mm-160/