雑草が少なくなるのは冬だけ! の我が庭で,今,最も目立っているのがこのハコベ.
どの鉢にも元気に育っています.勝手に入り込んだのですが.
このハコベ.どこにでもあり,春の七草の一つとして良く知られているためか,雑草の中ではかなり愛されているように思います.
思いつくまま,気がつくまま,ハコベのあれこれを調べ,綴っていきます.
ハコベあれこれ
1. ハコベとは,どんな種?
ハコベは,古来からある名前で,何も考えなければ何の問題もありません.ハコベはハコベ.
でも,どの種を指しているの?と改めて問いかけると,ハコベを「種」(植物学上分類されている)としては特定できないように思われます.
下にネット上の情報を書き出してあります.情報はとても混乱しています.
結論を先にまとめてみると:
・一方,ブリタニカ国際大百科事典では,「コハコベ」.
どちらかが,間違っている?
⇒
「日本大百科全書が正しい(ただしこの記事が書かれた時点では)」
「ブリタニカ国際百科事典は英語版の “Chickweed”(ハコベの英語とされています)を日本語に訳したもの」
という可能性が高いと思われます.
⇒**注
「属」の名前としてはハコベ属があり,改めて定義するとすれば,ウィキペディアにある「ハコベ属の総称」とするのが無難でしょう.
しかし,これでは,私たち日本人が昔から使ってきた「ハコベ」という言葉とは別物になってしまう,という問題点があるように思います.
◎古来からある名前と折り合いを付けて
日本薬学会のサイトにある,
「日本で通常ハコベと呼ばれるのは,コハコベ(S. media),ミドリハコベ(S. neglecta),ウシハコベ(S. aquatica)の3種になります」
が無難.
古くからあるハコベという言葉との矛盾も解消しているように思われました.
ネット情報
https://kotobank.jp/word/%E3%83%8F%E3%82%B3%E3%83%99-114033
日本大百科全書(ニッポニカ)
ハコベ はこべ
[学]Stellaria neglecta Weihe
ナデシコ科の越年草.春の七草の一つ.茎が緑色なのでミドリハコベともいう.
▽ブリタニカ国際大百科事典では,コハコベのこと.
https://kotobank.jp/word/%E3%83%8F%E3%82%B3%E3%83%99-114033
ブリタニカ国際大百科事典
ハコベ Stellaria media; chickweed
本種の変種であるコハコベ S. media var. minorは全体に小型で緑色が濃い.またウシハコベ S. aquaticaは全体に大型で茎が赤みを帯びる.
ハコベ(繁縷,蘩蔞)とは,ナデシコ科ハコベ属(Stellaria)の総称のこと.単にハコベというときは,ハコベ属の1種であるコハコベのことを指す場合が多い.
ハコベ属は世界中に約120種があり,日本で通常ハコベと呼ばれるのは,コハコベ(S. media),ミドリハコベ(S. neglecta),ウシハコベ(S. aquatica)の3種になります.
**注
実際の所はどうなのか,素人の私には分かりませんが---.
「ミドリハコベ」とする日本大百科全書の記事は,三木栄二先生の署名原稿ですから,少なくとも以前は,ハコベと言えば「ミドリハコベ」のことだったのだと思います.
しかし,現在は,「ミドリハコベ」が種名として採用されているのに対し,「ハコベ」という種名はなくなっています.
一方のブリタニカの記事.ハコベの英語とされるChickweed,もしくはCommon Chickweedをしらべると,Stellaria mediaという学名が検索されてきます.
ブリタニカの記事は,英語版ブリタニカ "Chickweed"を日本語に訳したものと考えるととても合点がいく説明になっています.例えば,日本にあるコハコベを変種として扱っているのは,その証拠と考えられます.
ウィキペディアや日本薬学会の記事も,この英語 "Common Chickweed"=Stellaria mediaに大なり小なり引っ張られた記事と考えると,これまた理解しやすい.
松江の花図鑑のサイトの画像を拝借して,我が家のハコベと比較してみました.
ミドリハコベでしょう.
まだ,冬なので,葉と茎を比べるだけで,花を比較できないので,断定できない部分が残りますが.
我が家のハコベ
比較した画像
https://matsue-hana.com/hana/hakobe.html https://matsue-hana.com/hana/kohakobe.html