昨日は,浄光明寺に行ってきました.
近くで所用を済ませた帰途にちょこっと立ち寄ったので,「行ってきた」という言い方は余り適当ではありませんが.
境内に入ったのは今年の二月以来.
https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2022/02/13/232755
近くの英勝寺や海蔵寺が花の寺としてそれなりの参拝客を集めているのに比較して,立ち寄る人はあまりいませんが,「北条氏の菩提所」という,格式はかなり高いお寺です.
浄光明寺
浄光明寺 - 鎌倉市観光協会 | 時を楽しむ、旅がある。~鎌倉観光公式ガイド~
1251(建長3)年,真阿を開山,第6代執権北条長時を開基として創建された諸宗兼学の寺です.亀ヶ谷坂の切通近くに位置し,鎌倉の交通上および防御上,重要な地域に営まれた寺院といえます.
鎌倉時代は北条氏の菩提所であり,その後,室町時代には鎌倉公方(※1)の菩提寺となりましたが,この寺の興隆に力を注いだのは足利尊氏と弟・直義で,寺領や仏舎利(※3)の寄進(※4)を行い,鎌倉御所の保護のもとで栄えたといいます.
本尊は収蔵庫に納められている阿弥陀三尊像で鎌倉地方独特の装飾技法である「土紋」が施されており,国の重要文化財に指定されています.
花は少ないのですが,ここには泰山木(タイサンボク)があって,丁度花が咲いていました,
泰山木の花は,実は,初めて.ナイスタイミングでした.
大きな花です.
タイサンボクは,
モクレン目 Magnoliales,モクレン科 Magnoliaceae,
モクレン属 Magnolia,
タイサンボク M. grandiflora
泰山木という名前から,いかにも中国から渡来,しかもかなり以前に---と思ってしまいますが,実は,言葉としては中世に見られるものの,どのような植物か分かっていないとのこと.
現在目にする泰山木は,アメリカの植物で,明治初期に渡来したとのことです.
このような言葉の変遷等について,日本国語大辞典に詳しい解説があります.
泰山木・大山木(読み)たいさんぼく
精選版 日本国語大辞典「泰山木・大山木」
語誌
(1)語としては中世にも見られるが、品種は特定できない。「広益地錦抄‐一」(一七一九)には、蘭香木すなわちハクモクレンに関して「花のかたち大盞の表のごとくにて白し」という記述が見られる。牧野富太郎はこの記述に触れ、泰山木と同様の花を開く渡来植物を「大盞木」と呼んだものであろうと説いている。
(2)今日タイサンボクと呼んでいるものは、明治初期に渡来した北アメリカ原産のもので、当初は「大山木」と書かれた。しかし、松崎直枝の「趣味の樹木」(一九三二)に「大山木とあれども、自分が茲に敢て泰山木の字を用ゆる所以のものは、義は泰山よりも重しと云ふ詞に因む」とあり、そのころから「泰山木」という表記が定着したという。(深津正・小林義雄「木の名の由来」)
今の季節は,浄光明寺には花は余り見られないのですが,ハナショウブがきれいに咲いていました.
また,境内には萩が沢山植えられていて,ここでも,一部花を付けていました.萩が今の季節一部花を咲かせるのはどこでも見られる光景のようです.以前私が育てていたハギではこのようなことはなかったのですが.