鎌倉おんめさま(大巧寺)でシャリンバイに出会いました.見過ごしてしまいそうな植物ですが--- フランスの「ゴブラン織」,イランの「ペルシャ絨毯」と並び世界三大織物に数えられる大島紬.この大島紬に必須な「泥染め」の染料として世界的にも名前が知られている!知りませんでした.植物分類としてはビワに近いバラ科シャリンバイ属の植物.

連休の鎌倉は,人出が半端ない状態.しかし,集まる場所は限られていて,一歩外れれば,また,時刻を少しだけずらしさえすれば,休日をゆったり楽しむこともできます.

私が訪れたおんめさま(大巧寺)もそのような場所.

ただ,春も終わって,咲いている花も少ない.人が少ないのも当然と言えば当然.

今日見た花はシャリンバイとマンシュウキスゲという地味な花たち.マンシュウキスゲは明日紹介することにして---

今日はシャリンバイ.

 

白花のシャリンバイと紅花のもの,2種類咲いていました.

シャリンバイ 新・花と緑の詳しい図鑑 

車輪状に出る葉と,花序のひとつひとつの花が梅に似ているとのことでこの名がつきました.花は白色で初夏に咲きます.秋に黒紫の実をつけます.

大気汚染や潮害に強いので,高速道路や海岸に近い公園などにもよく植栽されています.変種に葉が丸みを帯びたマルバシャリンバイや,葉が小さいヒメシャリンバイがあります.

 

見過ごしてしまいそうな植物ですが---

フランスの「ゴブラン織」,イランの「ペルシャ絨毯」と並び世界三大織物に数えられる「大島紬」.この大島紬に必須な「泥染め」の染料として世界的にも名前が知られている!知りませんでした.(英語版ウィキペディアにも紹介があります Rhaphiolepis indica - Wikipedia )

 

大島紬村・大島紬製造工場観光庭園

 

奄美大島の紹介記事から二つ取り上げておきます.

 

島中を潤わせた樹木 シャリンバイ

島中を潤わせた樹木 シャリンバイ | あまみじかん

2020/3/25 オキナワシャリンバイ, シャリンバイ, テーチギ, ホソバシャリンバイ, マルバシャリンバイ, モッコクモドキ, 大島紬, 方言, 染料材

投稿者: 南海日日新聞

みちくさ312

奄美の人々にたくさんの恵みをくれた,ありがたい樹木.

本場奄美大島紬の重要な染料材で,島中のいたる所に生え,数も多いのだが,需要の多い時代には盗伐騒ぎもあった.

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和名は,枝先に集まる葉が車輪状に付き,花がウメ(梅)に似ることから.

奄美では方言名のテーチギ,テーヂギの方が通りがいいだろう.

咲き始めは白かった蕊(しべ)の付け根が,時がたつと紅色に.その変化が華やかさを添えている.

子ども時代には,径1センチほどの黒熟した果実をよく食べていたので,今でも時々口にしてみるのだが,中身はほとんどが硬い種子.わずかな果皮は渋味だけで決しておいしいものではない.

生える場所によって葉の形に変化が多く,変種ホソバシャリンバイ(オキナワシャリンバイ)やマルバシャリンバイ,モッコクモドキなどとして分けることもあるが,分類にも諸説あり,変種の分布状況ははっきりとはしていないらしい.

名瀬市誌によると,本種が大島紬の染料材として落ち着くまでには,さまざまな植物が試されたらしい.オヒルギ,ホルトノキ,シイノキ,ガジュマル,ハゼノキ,クチナシ等々.毎日,山々を巡り,木々を集めて煎じ,試験を繰り返した方々の記録が載っている.計り知れないご苦労の中にもワクワクとした喜びの瞬間もあったにちがいない,と思いたい.

 

 

泥染めとは

泥染めとは|奄美大島紬村・大島紬製造工場観光庭園

世界中で奄美大島だけでおこなわれている天然の染色方法です.

絹糸の蚕白質の上にシャリンバイ(バラ科の植物)に含まれているタンニン酸色素と泥田の中の鉄分(酸化第2鉄)等が化学結合を85回以上繰り返し染色することにより堅牢(色落ちしない)で深く光沢のある渋い黒色に染まることです.絹の美しい光沢は動物性,シャリンバイ染の柔らかさは植物性,鉄分による鉱物性の3つの特徴を兼備えた強い繊維になりしっとりと柔らかな肌触りは親子3代譲り受ける事ができる世界で類を見ない染色技法が奄美大島紬の泥染です.

 

シャリンバイはバラ科シャリンバイ属の植物.

ビワと極めて近縁.

Evolutionary and phylogenetic aspects of the chloroplast genome of Chaenomeles species

    July 2020Scientific Reports 10(1):11466