アルテミス(12) ギリシア最大最古の古典『イーリアス』では,アルテミスはアポローンらとともにトロヤ方に味方します.そして,ギリシャ方に加勢したヘーラーにたたかれるという場面が描かれています.ヘーラーは,ゼウスの妻というだけではなく,圧倒的に強い女神なのです. そして,ヘーラーにたたかれたアルテミスは,父ゼウスの許で泣き伏します.その時の彼女はかわいい小娘のようです.

オデュッセイア』とともに、ギリシア最大最古の古典『イーリアス』.

 

この物語は,10年にわたるトロヤ攻防戦も終末に近いころの、約50日間のできごとを扱って,ギリシア方ではアキレウス、トロヤ方ではヘクトルがもっとも重要な人物で、物語もこの2人を中心にして進行するが、そのほかアガメムノン、メネラオスオデュッセウス、ディオメデスらの諸将もそれぞれの特性を発揮して活躍し、さらにヘレネ、アンドロマケ、ブリセイスらの女性も彩りを添える。(ニッポニカ)

イリアスとは - コトバンク

 

そして,オリュンポスの神々もトロヤ方(アプロディーテー,アレース,アポローン,アルテミス),ギリシャ方(ポセイドーン,アテーナー,ヘーラー,ヘーパイストス)に別れて争いを繰り広げます.

 

現在このブログで取り上げているアルテミス.

彼女はトロヤ方に味方していますが,神々の女王ヘーラーにこっぴどくやられてしまう場面が描かれています.

ヘーラーは,ゼウスの妻というだけではなく,圧倒的に強い女神なのです.

そして,ヘーラーにたたかれたアルテミスは,父ゼウスの許で泣き伏します.その時の彼女はかわいい小娘のようですね.

 

 

the Theoi project にある英語版のDeepL 翻訳で.

ARTEMIS MYTHS 2 GENERAL - Greek Mythology

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ホメロス,イリアッド 21. 470 ff :

"[トロイをめぐる神々の争いにおいて,アポロンはポセイドンとの戦いに参加することを断った :].しかし,彼の姉である野のアルテミス(アグロテラ),野獣の女王(ポトニア・テロン)は,彼を激しく叱り,次のような非難の言葉を口にした.

「お前はポセイドンに勝利をもたらした.彼は何も起きていないのに,自慢することができる.愚か者よ,ではなぜあなたはその弓を身につけているのか,それは風であって何でもない.私の父の広間で,以前に神々の集まりで言ったように,ポセイドンと堂々と闘ってみせるなどという広言を二度と聞かせないでくれ」.

彼女はそう言ったが,遠矢を放つアポロンは彼女に何も言わなかった.しかし,ゼウスの貴い妃であるヘラは怒りに満ちて,降り注ぐ矢の女性を侮辱的な言葉で叱った.

「恥知らずの尻軽女よ,私の前に立ちはだかる勇気があるのか?ゼウスがあなたを女の中のライオンにして,好きな時に誰でも殺すことができるようにしたとはいえ,たとえ弓を身につけたとしても,あなたの力を私に合わせるのは難しいでしょう.あなたより強い者と力で戦おうとするよりも,山の猛獣や荒野の鹿を狩る方が良いでしょう.しかし,戦いの意味を学びたいのであれば,かかっておいで.私と力比べをしてみれば,私がどれだけ強いかがわかるでしょう」.

彼女はそう言うと,左手で彼女の両腕の手首を捕らえ,自分の弓で,微笑みながら,アルテミスが身をよじろうとすると耳を塞ぎ,矢はこぼれて地上に落ちる.鷹に捕まるのはまだ運命ではなかったので,鷹に飛ばされた鳩が岩のくぼみや洞穴に入っていくように,彼女は弓を地面に置いたまま,泣きながら逃げた.

レトは,曲がった弓と,砂埃の中に落ちていた矢を拾い上げた.弓を取り上げると,彼女は娘のもとに戻った.

しかし,乙女はオリンポスの青銅でできた家に来て,アンブロジオールのヴェールが彼女の周りで震えていた.彼女の父クロニデス(ゼウス)は彼女を捕まえて優しく笑い,彼女に尋ねた:「かわいい娘よ,オウラニオンズ(天の神々)の中で,誰があなたにそのようなことをしたのか,まるで悪いことをしているところを捕らえられたかのようではないか.軽率なことをしたのか?」

冠うるわしく,大声で獲物を追う狩りの女神アルテミスは,彼に答えた:「父よ,私を殴ったのはあなたの妻,白い腕のヘラです」