水仙の香や菊の香や
菜の花の香やほろにがき
すぎこしかたの薫(くん)ずなる
おほかた黄なる花の蕋(しべ)
ワーズワースが黄水仙(ラッパスイセン Narcissus pseudonarcissus)を詠っているのに対し,
https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2021/12/25/235800
三好達治が詠んでいるのは我が家でも咲いている和水仙(ニホンスイセン Narcissus tazetta var. chinensis ).
和水仙の花弁は白〜クリーム色なのに対し,蕋(しべ 雌しべと雄しべ)は「おほかた黄なる」.
ただし,厳密に言えば,黄色が目立つのは「蕋」よりも副花冠と呼ばれる構造ですね.水仙の場合は雄しべの付随物と考えられているそうです.
副花冠
ふくかかん
ニッポニカ
https://kotobank.jp/word/副花冠-617160
花冠または花被(かひ)の内部にある花冠状のものをいい、副冠ともいう。形態的由来はさまざまであり、マンテマ(ナデシコ科)では花冠上の突起、スイセンでは雄蕊(ゆうずい)(雄しべ)の付属物と考えられている。
[田村道夫]
水仙の副花冠は「私はスイセン」と主張しているようで,かわいらしいものです.
https://www.senteiyasora.com/post/水仙のくちばしって?副花冠の名前は!?
他に,リンドウ,トケイソウなど,副花冠が特徴的な花は数多くあるようですが----
https://kotobank.jp/word/フデリンドウ-866033
今までほとんど注意してみたことがありません.
これから,もう少し注意深く観察していこう!
---といつも思うのですが,なかなかできません.「ああ,きれい」で終わってしまいます.