昨日視聴したNHKの番組二つで,気になるデータが放映されていました.
番組は,首都圏ニュース.そして録画してあった「NHKスペシャル 新型コロナ 市民と専門家の緊急対話(9月19日放映)」.
昨日のブログでは,前半の二つについて記載しました.
①「今回の第5波で,先月以降,自宅療養中に亡くなった人はこれで49人になりました」
②「2回の接種後に亡くなった人はことし7月19日以降,都が把握しているだけで50人になりました」
今日は後半.
「NHKスペシャル 新型コロナ 市民と専門家の緊急対話(9月19日放映)」から.
このNHKスペシャルの番組紹介は,次の通り.
「今,日本のコロナ対策は,新たな局面を迎えています.国民の半数が2回目のワクチン接種を終える中,行動制限緩和の議論がスタート.一方で,デルタ株などの出現で,いつ収束に向かうのか先行きは見通せません.
今回,1000人規模の緊急アンケートを実施.長引くコロナ禍にどう向き合っていくのか.市民と専門家が本音で語り合いました」
気になるデータ③は,番組中で紹介されたアンケート結果の一つ.
③ 自粛の度合いに変化があるのか,去年4月に出された最初の緊急事態宣言のときと比較して尋ねましたところ,『変わらない』が54.0%と最も多く,『当時より自粛するようになった』が26.6%.一方,『当時ほど自粛しなくなった』は19.4%.
全体のおよそ8割の人は去年の緊急事態宣言のときと同じくらい,あるいは,それ以上の自粛を続けている
WEB特集 新型コロナ 緊急アンケート 浮き彫りになる“世代間ギャップ” | 新型コロナウイルス | NHKニュース
このデータを受けて,政府分科会の尾身会長は.
「『これ以上の自粛はもうごめんだ』というふうに多くの人が思っていると思っていたので、私はこの数字を見て、驚きと同時にちょっと感謝したい気持ちもあります」
と番組中で語っています.
私も驚きましたが,同時に納得.私の周りの方々は,まじめに自粛していました.
そして,このアンケート結果は次のことを明らかにしているといえるでしょう.(証明にはなっていませんが)
「現在,新規感染者が急速に減少しつつあるのは,多くの人たちが昨年の4月と同様かそれ以上に外出を控え,人との接触,飲食の場での会話を最小限にしようと努力した結果である」
感染者の急速な減少をもたらした原因がよく分からないと各種メディアが伝え,専門家でもそのように考えているようです.一人一人の行動や意識を追うことは難しく,繁華街での人出などを指標にして説明しようとしたため原因特定ができないでいると推測します.
気になるデータ④は,番組中で小林慶一郎さん(マクロ経済学が専門,政府分科会 委員)が紹介した,自殺者に関するデータ.
元のデータは東大の仲田准教授らのグループが算出した数値.
④コロナによって増えたであろう自殺者というのは,だいたい3600人ぐらいいる.
そのうちの3分の1ぐらいは,コロナによって経済的な困窮が起きて,その結果亡くなったという方.
残りの2400人ぐらいはそれ以外の理由.つまり,ストレスであるとか,DVであるとか,コロナによって誘発されたかもしれない社会的なひずみによって亡くなっている.
コロナ禍の自殺・コロナ後の自殺 #2 | COVID-19 AI・シミュレーションプロジェクト
新型コロナ 市民と専門家の緊急対話(後編) - NHKスペシャルまとめ記事 - NHKスペシャル - NHK
コロナ禍での規制の中,「失業」に代表される経済的理由での自殺者が増加,そして,経済的な理由以外での自殺者はその2倍にもなっている!
「新型コロナの社会経済への影響」と言ったとき,「社会」が抜け,つい「経済」ばかりを思い浮かべて,金銭での補償のみを求めがち..
しかし,私たちの生活で,経済は高々1/3強.
この自殺者のデータは,そんなことを改めて私に教えてくれているような気がしました.