ハハコグサ  最後に出会ったのが線路脇にポツンと花を咲かせていたハハコグサ.春の七草「ごぎょう(御形おぎょう)」は.このハハコグサ(母子草,ほうこぐさ/そきくそう 鼠麹草)のこととされています.また,ヨモギを使うのが一般化する以前は,草餅はこのハハコグサが本流.中国の風習だったとか.ハハコグサを食べる部分は,若苗(茎が立っていないもの)や,花のかたまり.「採取する期間は,秋から翌春の3月〜4月ごろまでである.食べ方は,若い葉や茎を天ぷらにする」有岡利幸

1週間前の鎌倉街中花巡り散歩.

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 最後に出会ったのが,線路脇にポツンと花を咲かせていたハハコグサ

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せり なずな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろ これぞななくさ (年中故事要言 蔀遊燕著 1697)

 

の「ごぎょう(御形)」は.このハハコグサ(母子草,ほうこぐさ/そきくそう 鼠麹草)のこととされています.

(「春の七草有岡利幸によれば,「御形は,オギョウと呼ぶべし」と牧野富太郎博士が言っているそうですが---)

 

そして,ハハコグサは七草だけではなく,草餅に入れて食べる習慣がありました.

ヨモギを使うのが一般化する以前は,このハハコグサが本流.

これは,中国の風習を受け継いだと思われます.

 

日本大百科全書 

ハハコグサ

kotobank.jp

文化史

中国では3月3日の節句ハハコグサ(鼠麹草(そきくそう))の草餅(くさもち)を食べる風習は古くからあり,『荊楚歳時記(けいそさいじき)』(6世紀)には,黍麹菜(しょくきくさい)の名で出る.

それが日本にも平安時代に伝わったとみえ,『文徳(もんとく)実録』には嘉祥(かしょう)3年(850),母子草が生えず,草餅がつくれなかったところ,3月に文徳天皇の父仁明(にんみょう)天皇が,また5月に祖母の嵯峨(さが)皇太后が没し,母子草はその予言をしたという流言を記録する. 

 ハハコグサの語源は,母子(ははこ)の人形(ひとがた)を3月3日に飾り,供えた母子餅(ははこもち)にハハコグサを使ったからと『大言海』は説く.ハハコグサの別名である春の七草の御形(ごぎょう)も,人形(ひとがた)に関係することばとされる.御形の名は鎌倉時代後期の『年中行事秘抄』に初見する.

「花のさく心もしらず春の野にいろいろつめる ははこもちひぞ」 和泉式部(いずみしきぶ)

[湯浅浩史]

 

私はまだハハコグサを料理したことはもちろん,食べたことがありません.

いつ頃どこを食べたらいいのか?

春の七草有岡利幸によれば

ハハコグサを食べる部分は,若苗(茎が立っていないもの)や,花のかたまりである.

採取する期間は,秋から翌春の3月〜4月ごろまでである.食べ方は,若い葉や茎を天ぷらにする.

 

 

ウェブ上のハハコグサのレシピは,七草以外あまり多くありませんが,天ぷらはキッチリ公開されています.

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春の山菜、ハハコグサのてんぷら by たぁさんだよ 【クックパッド】 簡単おいしいみんなのレシピが353万品

 

ハハコグサは,

キク目 Asterales,キク科 Asteraceae,キク亜科 Asteroideae,ハハコグサ連 Gnaphalieae,

ハハコグサ属 Gnaphalium,

ハハコグサ G. affine

 

ハハコグサ属の近縁には,エーデルワイスが属するウスユキソウ属があります.

 

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https://www.pharm.or.jp/flowers/post_34.html

 

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