前回まで取り上げてきたミントは,シソ科Lamiaceaeに属します.
シソ科の学名Lamiaceaeは,オドリコソウ属Lamiumを“タイプ属”としたためつけられた名前.
英語ではthe mint family(ミントファミリー),deadnettle family(ヒメオドリコソウファミリー)もしくはsage family(セージファミリー)などと呼ばれるようです.
和名ではシソ科と呼ぶような感覚ですね.
上記の植物のうち,オドリコソウ,ヒメオドリコソウはハーブとして利用されませんが,ミント,シソ,セージは誰もが知るハーブ.
シソ科はハーブの宝庫です.
これからシソ科のハーブをいくつか取り上げていきたいと思いますが,今日は---
オレガノ(和名ハナハッカ)
オレガノ属Origanum,O. vulgare
オレガノ/Oregano|スパイス&ハーブ検索|S&B エスビー食品株式会社
どのように利用したらよいかほとんど知らないため,使わないし使えない多くのハーブ類.
しかし,このオレガノは,トマトスープ,トマトソースに使うと美味.ということで,私が使用している数少ないハーブの一つ.そして,育てた経験もあります.
なかなかかわいらしい花で,栽培しても楽しいハーブ.
Oregano - Wikipedia オレガノ/Oregano|スパイス&ハーブ検索|S&B エスビー食品株式会社
アメリカハーブ協会のサイト http://www.herbsociety-stu.org/oregano.html をみると,アメリカではオレガノとして流通している種が何種類もあるとのこと.
Origanum vulgareはスパニッシュオレガノまたはワイルドオレガノと呼ばれることもあり,ギリシャ産オレガノはOriganum vulgareの変種扱い.
キューバ産やメキシコ産のようにオレガノ属ではないハーブがオレガノと呼ばれることも.
オレガノ属にはスイートマジョラム(Origanum majorana)も属し,これもまたオレガノと呼ばれる事があるそうです.
このアメリカハーブ協会のサイトはなかなか充実しています.
以下,オレガノの語源/歴史や使い方の部分をDeepL翻訳で.
オレガノの歴史・フォークレア
http://www.herbsociety-stu.org/oregano.html
オレガノのいくつかの品種が,ギリシャの山腹を鮮やかな緑色で覆っていることが,このハーブの名前の由来を説明しているようです.
オレガノはギリシャ語のoros(山)とganos(喜び)に由来しており,文字通り「山の喜び」を意味しています.ギリシャやローマでは,結婚式の際に新郎新婦にオレガノの小枝をかぶせていましたが,これはオレガノが悲しみを追い払うと考えられていたからです.
もともとオレガノは,料理ではなく薬として使われてる場合が多かったようです(*).
ギリシャ人は葉を湿布にして,筋肉痛に塗っていました.ローマ人は,サソリやクモに刺されたときにオレガノの湿布を勧めていました.
オレガノはヨーロッパの植民者とともに北アメリカに渡り,庭園を抜け出して自生しました.
アメリカではオレガノは標準的な薬となりました.オレガノのティサン(ハーブティー)は,慢性的な咳や喘息に使われました.痛む歯には,オレガノのエッセンシャルオイルを数滴たらしました.禿げた男性は,オリーブオイルとオレガノを混ぜたものを頭皮に塗りたくっていました.このオイルは手足のリウマチや捻挫にも使われました.
アメリカでオレガノを料理に使うようになったのは,第二次世界大戦後,地中海から帰還した兵士たちがイタリアの調味料,すなわちオレガノを好んで使ったことがきっかけでした(**).
オレガノの葉は,イタリア,ギリシャ,スペイン,メキシコ,ブラジル,キューバ,コロンビアなどの料理の味付けに欠かせません.
(*)
しかし,S&Bのサイト
オレガノ/Oregano|スパイス&ハーブ検索|S&B エスビー食品株式会社
では,ローマ時代の美食家アピシウス(紀元前一世紀?)の言葉として次の言を紹介したいます.
ローマ時代の美食家アピシウスが、
「おいしいソースには欠かせないスパイス」
と言ってその香りを愛したといわれています。
(**)
特にピザに使う香辛料として使われたことがきっかけのようです.
oregano | Origin and meaning of oregano by Online Etymology Dictionary
オレガノが日本で使われるようになった時期は調べきれていませんが,おそらくアメリカと同じようにイタリア料理が一般的になった時期と重なるのでは?
オレガノの料理等については明日.