世界で食べられているオクラとその代表的な料理
オクラは,とても古くからから栽培されていたとされ,今,私たちが目にするのは栽培種ばかり.
(植物学的には,2種類以上のゲノムで構成されている異質倍数体 (allopolyploid) であることから、 異なるゲノムを持つ個体の雑種に由来すると考えられています.)
暖かい地域での栽培が盛んで,日本では何と言っても鹿児島.
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1
日本へは江戸時代に渡来していたと言われていますが,実際によく食べられるようになったのは昭和40年代以降とのこと.
最近でこそさまざまな調理に用いられ,このブログでも,NHKまんぷく農家メシ!に紹介された料理を取り上げてきましたが---
http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2019/08/10/000941
http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2019/08/11/210228
http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2019/08/12/221807
yachikusakusaki.hatenablog.com
最も簡単で良く食べられている和風料理は,生のままでかつお節&醤油でしょうか?
そのレシピは英語でも広く紹介されています.
日本のオクラ料理を英語で検索.
キーワードは“okra, recipes, japanese”とすると----
トップスリー(下記画像①〜③),全てかつお節をかけた生オクラ!
生オクラが上位に来るのは日本風レシピの検索をしたときのみ.
Okraは,英語でも「生で食べられる」と紹介されているものの,多くの外国人はネバネバが苦手なんでしょうね.
okra recipes japanese - Google 検索
世界に目を向けると,世界中で食べられていることは確かで,グーグル検索で,炒め物,フライを中心に沢山のレシピが見つかります.
英語で単に“okra, recipe”で検索
トップスリーは
①焼きオクラ Baked Okra seasoned with paprika, salt, and a pinch of cayenne
②オクラのフライ Fried Okra
③オクラとトマトのシチュー Vegan Stewed Okras and Tomatoes
中華風では?
“okra, recipe, chinese”で検索.
1位2位(① ②)は,同じ料理:オクラの素揚げと卵の混ぜ物.
3位(③)は中国料理ではなく,Chinese Okra を使用したインド風料理,検索用語の選択ミスでした.
①Stir Fried Chinese Okra With Eggs
②Chinese Okra and Egg Stir Fry
③⇒インド風料理:サンバンダ(中国オクラのチャツネ),Sambandha (Chinese Okra Chutney)
okra recipe chinese - Google 検索 秋葵 菜谱 - Google 検索
なお
オクラは中国語で秋葵.
Chinese Okraとされていたものは,若いさやではなく育ったものので,皮をむいて使っていました.
Curry Jingi (Chinese Okra) A Tasty Vegetarian Dish. | CaribbeanPot.com
インドでは,オクラ料理が定番の一つとなっている地方があるそうですが---
“okra, recipe, indian”では,
(オクラはヒンディー語でBhindiビンディ)
①ビンディマサラ Bhindi masala (stir fried Okra)
②オクラのフライ Bhindi fry
③カリカリインドオクラ Crispy Indian Okra(Bhindi)
okra recipe indian - Google 検索
簡単にまとめると
▽日本を除くと,炒め物・フライ中心.
▽香辛料・味付けは各国で好まれるもので.
が世界のオクラ料理定番と言える?
アフリカやアラブ諸国,東南アジアでの食べ方までは調べられませんでしたが---
オクラの栄養
オクラはネバネバで有名.
ネバネバの正体は,主にペクチン.糖の吸収を遅らせる働きが期待され,健康にいいと宣伝されています.
この働きが,健康維持に,どの程度,役立っているかは,まだまだ研究が必要でしょうが---
オクラは,ビタミン・ミネラルが豊富な野菜としてもよく知られています.
同じく栄養成分が高いとして知られるピーマン・ホウレンソウと比べてました.
ミネラル成分では,カルシウムが豊富な事が特徴と言えるでしょう.ホウレンソウ,ピーマンを凌駕しています.
100g中に92mg.
牛乳100g中のカルシウムが110mgですから,かなり近い値.
野菜に含まれる主なビタミンでは,ホウレンソウには及ばない.中でも,ビタミンCは野菜としてはやや物足りません.
しかし,β-カロテン,ビタミンK,葉酸は,かなり多いといえるでしょう.
タンパク質・アミノ酸代謝に関わるビオチンも野菜の中では多い.
そして,食物繊維.5.0g/100g(食物繊維総量).
ゴボウで5.7g/100g(食物繊維総量)ですから,かなり多いといえますね.
ネバネバの主体,ペクチンは食物繊維に分類されますが,オクラの食物繊維中の3.4%.大部分はセルロース(67.5%)で,他にヘミセルロース(15.4%),リグニン7.1%.