まんぷく農家メシ「梅沢東野びっくり!ネバネバオクラ料理 鹿児島・指宿市」2
さあ,続いては,
2軒目「テントウムシのおかげです!オクラギョーザ&オクラ丼」です.
出迎えたのは,
オクラ農家歴45年の澤山岩重さんと息子の健志さん.
「“テントウムシのおかげ”っていうのを聞いたんですけど」
「何ですか?そのテントウムシのおかげって」
「あの〜,中に入ってみますか?」「オクラって結構アブラムシがつきやすいですよ」
「アブラムシがつきやすい?」「そのアブラムシを食べてくれる」
「テントウムシが?」「はい.これ,小さいのがヒメカメテントウムシというんです」
これがオクラの栽培を手助けしてくれる心強い味方,ヒメカメテントウムシ.
ヒメカメノコテントウ | 昆虫写真図鑑 Jewel Insect Life
オクラの害虫となるアブラムシを食べてくれるんです.
指宿では5年ほど前から,このテントウムシを使っているそうです.
「これは一匹80円します」「80円!こんなちっちゃいやつ!」
「これ,宝塚産ですよ」「え〜うちの地元!うちの地元テントウムシ作ってんの?マジで?」(東野さんは宝塚出身)
「結構,役に立ってますか?宝塚」「そうですね」
「宝塚ね.でも実際,これでだいぶ効果があったってことですか?」「あります」
「すごいですね.それまではどうしてたんですか?」
「農薬散布してたんです」
「あ〜.だから,毎日収獲ですので,やはり,消費者に安全安心なものを届けるためには---」
「食べる我々,消費者というか,食べる側からすると,安心安全じゃないですか.なおかつ,農家の皆さんからすると,いうたら,農薬代も---.どっちが高いですか?農薬買うか,こっち買うか?」
「いや,こっちの方がずっと安いですよ」
「ほんなら,これ,いいですよね.お財布にもやさしいし」「そうですよ」
それでは,オクラギョーザとオクラ丼,作っていただきましょう.
「奥さんは地元で知り合ったんですか?」「いや,埼玉です」
「え!何か,どんどん---千葉とか埼玉から,女性引っ張ってきてますよね」
「お邪魔いたします」「お邪魔いたします」「どうぞ」
お料理を作ってくれるのは岩重さんの妻・和子さん,健志さんの妻葉子さん.
「どこで知り合ったんですか?」「胡蝶蘭の研修に行った時に,つかまえて」「いやいや,つかまえてって」「虫みたいにいわんでも」
「でも,旦那,いい男だから」「いやいや」
「男前ですよね」「男前よ〜」「ありがとうございます」
「男前ですよね?これはこれは,モテたでしょう?」「いや〜,そんなことないです」
「どうだった?来た時に.ホント,正直言って,来た時に」「えらい,田舎に来たな〜みたいな感じ?」
「いや,雰囲気的には一緒.見た目はこんな感じなので.雰囲気はそんなかんじなんですけど」
「お父さんもうれしいでしょ?継いでくれるっていうのは」「そうですね」「うれしいよね〜そりゃあんた」「毎日喜んでます」
「息子には見せへんけど,毎日喜んでる?」「喜んでます」
「いい親孝行してんじゃない」
「結婚資金として,ここのオクラはお前にやるからって」「え〜結婚資金の代わりに」
「それで,ためました(結婚資金を)」「あ,なるほど」
「さあ,今日はですね.オクラギョーザとオクラ丼なんですけど,まずはどちらから作ってくれるんですか?」「オクラギョーザ」
「お願いします」
料理1 オクラギョーザ
https://www4.nhk.or.jp/manpuku/24/
材料:オクラ(12本),豚ひき肉(100g),キャベツ(100g),ニラ(100g) 塩(小さじ1/3),こしょう(少々),鶏がらスープのもと(小さじ1)おろしショウガ(小さじ1),ごま油(小さじ2),焼き用油(少々)
作り方
①豚ひき肉に刻んだキャベツとニラ,調味料をすべて入れ,よく練る.
②軽く洗ったオクラの水けを取り,縦に切れ込みを入れタネを出す.
③②のオクラに①をたっぷり詰める.
④サラダ油を引き熱したフライパンに,オクラの詰めた面を下にして並べる.軽く火を通したあと蓋をして,中火で3分半ほど蒸し焼きに.具に火が通ったら完成.
食べ方はしょうゆにお酢などお好みで付けて召し上がってください.
「オクラに,タネを入れてるの.ギョーザの」「はい」
「ギョーザの皮は使わずに,オクラのそのままを--」「てっきりオクラを切り刻んで,オクラを細かくしてあんにしてんのかなと思ったら,皮代わりにオクラを使うっていう」「そうです」
「これ斬新だね」
「おやっさんとお母さんのなれそめ?」「見合いじゃない」
「どこで知り合ったの?」「お見合いじゃないの?」「妻の兄貴がいてね.私と同級生で,それで妹--」
「いるから,どうだって?」「(妻の)体が大きくて私が小さいから,ガキだけは大きいのを作ろうと思って」「なるほど」「それで,母ちゃんだけは大きいのをと---」
「怖ろしい結婚の理由ですね」(笑い)「こんなん,芸能人が言ったら大炎上ですよ.嫁に選んだ理由が『でかいから』」
「私も化粧もしない,何にも飾り気のない女でも,もらって下さるっていうから」「何をおっしゃいます」「『もらって下さる』いやいやいや」
オクラギョーザ.焼き上がりましたよ.
https://www4.nhk.or.jp/manpuku/24/
「さあ,そして,食べるのは待って下さい.まずは次,オクラ丼---作って」「はい!」
「あら来た!お願いします」「お母さんの.お父さんの大好きなオクラ丼」
「お待たせしました.オクラ丼です」「オクラ丼が完成しました」
「オクラ丼の完成です!よいしょ.お〜,すりつぶしてるんだ!」
https://www4.nhk.or.jp/manpuku/24/
「そうです」
「あ〜そう」「ミキサーにかけて」
オクラ丼の作り方は簡単.
料理2 オクラ丼
https://www4.nhk.or.jp/manpuku/24/
材料:オクラ(10本),めんつゆ※希釈したもの(100cc),かつお節(少々),温かいご飯(適量)
作り方
①軽く洗ったオクラの水けを取り,ガクを切り落として半分に切ってミキサーに入れる.
②①にめんつゆを入れ,オクラの形が無くなり鮮やかな緑色になるまでミキサーにかける.※よく混ざらない場合は少しずつ水を加えミキサーの回りをよくする.
③②をボール容器に移し,箸で空気を入れるようによくかき混ぜる.※よく混ぜることでネバリが増しとろろのようになる.
④③を温かいご飯の上に乗せ,かつお節をふりかけて完成.※味が足りない場合はしょうゆなどを少量回しかけて召し上がってください.
「とろろみたいな感じで食べるっていうことで?これは,よく食べてるんですか?皆さん」
「夏は,夏バテで--.さっぱり食べたい」
「いけるわ.夏ね」「そん時,喉の方に,ツルツル入っていく,っていうような感じなんです」
「どうですか?」「夏,食欲ない時に,これ実にいいわ」「うん,おいしい」
「おいしい?よかった〜!」「こりゃ,うまい!」「指宿定食」「よかった〜」「おいしい」
一方のオクラギョーザはどうですか?
「ギョーザのたれ,こんなふうに作るの久しぶりやわ」「ちょっと酢多かったかもです」「いいですよ」
「どうですか?」「うん,いける!」「あっ,これ,絶対まねしてほしいわ.オクラギョーザ.ねえ?オクラそのものを使ったギョーザだから」
「美味しい!めちゃまちゃうまい!」「あ〜よかった」
「うん!これなんぼでもいけますね」
「これ,子供とかは---」「大好きですね」
「無限にいくでしょ?これ」「いくら作っても足りないって感じですね」
「でも考えてみればですよ.テントウムシがアブラムシ食べて育ててくれたオクラが,こんなに美味しくなるわけですから,宝塚の80円は高いですけど」
「宝塚のテントウムシ,よろしくお願いしますね.うちの地元ですから.頑張って飛んでるんですよ.ほんとに」「一役買ってんですよ.宝塚が」
オクラ農家ならではのアイデア料理.ごちそうさまでした.