タラ(2) スケトウダラの卵巣を加工したタラコ.今では通常のタラコを凌駕する人気の辛子明太子.タラコ消費量第1の都市は,やはり,明太子を広めた福岡市. 付録 タラ目の食用魚 / タラとホキ・メルルーサ

タラコと辛子明太子.

スケトウダラ(介党鱈、鯳、英: Alaska pollock,またはスケソウダラ 介宗鱈・助惣鱈)の卵巣を加工した,日本人の食卓には欠かせない食材.

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たらこ - Wikipedia 辛子明太子 - Wikipedia

 

タラコは江戸時代から食べられてはいたようですが,本格的に広まったのは,明治後半とのこと.たらこ - Wikipedia 日本の辛子明太子の原点 たらこ

梅干し・塩ザケと並んで,長い間おむすびの具の定番.

 

「卵」ですから,昨日とりあげたタラの白子に比べると栄養価は圧倒的に高い.タンパク質,ビタミンA(レチノール活性当量),ビタミンE(α-トコフェロール),ビタミンB1----.

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https://fooddb.mext.go.jp/

 

タラコの消費量

タラコの県庁所在地+政令指定都市の消費量を比較すると.1位は福岡市,2位は北九州市

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統計局ホームページ/家計調査(二人以上の世帯) 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(平成26年(2014年)〜28年(2016年)平均)

さすがは,辛子明太子の福岡県!

私が初めて辛子明太子という名前を知ったのは,マンガ「博多っ子純情(長谷川法世作;朝ドラ「走らんか」(菅野美穂中江有里出演)の原作」.

1976年からの連載という事ですが,その頃,関東地方で明太子はほとんど見る事がなかったように記憶しています.

現在はタラコ以上の人気なのが隔世の感?私もどちらかといえば辛子明太子の方が好み.

 

辛子明太子の由来

辛子明太子 - Wikipedia 明太子の元祖、樋口商店 戦後の明太子業界を支える朝水会 明太子の呼び名は誰がつけたか

などに,詳細に記載されていますので,参照して下さい.

ここでは,業界団体による紹介を以下に引用しておきます.上記サイトの内容全ては必ずしも反映されていませんが----

 

辛子めんたいこの由来

辛子めんたいこの話 | 全国辛子めんたいこ食品公正取引協議会

規約では、「辛子めんたいこ」を、「すけとうだらの卵巣に唐辛子を主原料とする調味液等で味付けしたもの」と定義しています。

すけとうだらの卵を加工して食べる食文化は、17世紀ごろには朝鮮半島で広まっていたとされており、辛子めんたいこは古くから唐辛子を使用した朝鮮半島の伝統的食品の1つとなっていました。

昭和の初期から、この唐辛子やニンニクでまぶした辛子めんたいこが日本に輸入されるようになりました。 「めんたいこ」の語源については、すけとうだら朝鮮語で「ミョンテ」と言い「明太魚」、「明太」と書くことから、すけとうだらの子(卵)を「めんたいこ(明太子)」と呼ぶようになったものです。

博多の町の名物になった理由

以上のとおり、辛子めんたいこは、もともと朝鮮半島から輸入されており、福岡、北九州、下関などの朝鮮半島との交流が盛んな地域では、日常の惣菜として魚屋の店頭などに並んでいました。

これが「博多の辛子めんたいこ」として博多の名物食品になったのは、第二次世界大戦後、朝鮮で育った川原俊夫氏(「㈱ふくや」の創業者)が博多に引き揚げてきて、朝鮮で食べた美味しい辛子めんたいこの味を日本人に伝えたいとの想いで、昭和24年頃から唐辛子を用いた調味液等で味付けする独自の加工方法で製品化し、博多中洲で販売したのがきっかけと言われています。

辛子めんたいこは、当初は、食卓に並ぶ惣菜の一つという存在でしたが、博多の辛子めんたいこは朝鮮半島の原形のものより日本人の味覚に合うように工夫されていることから、徐々にその美味しさが広く浸透することとなりました。それに伴い福岡市内を中心にメーカーも増え、競争による製品開発も活発化します。特に、昭和51年の山陽新幹線の博多乗り入れを契機に「博多名物辛子めんたいこ」として全国的にその名が知られ、土産品、贈答品としても高い評価を得るようになりました。

 

ふくやの創業者さんも,ここまで全国に広まるとまでは思っていなかったかもしれません.

 

 

付録 タラ目の食用魚:タラとホキ・メルルーサ

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タラ目 | 市場魚貝類図鑑 Merluccius bilinearis, Silver hake : fisheries

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タラ目 - Wikipedia