セイヨウフジバカマが咲き始めました.
フジバカマは秋に咲くのですが,その名前をもらった品種です.
見かけは弱々しい植物なのに,とても強い品種で,ほとんど目をかけてやらないのに,しっかり毎年咲いてくれます.申し訳ない気持ちもします.面倒を見ないのに,毎年,しかも,秋口までしっかり咲き続けてくれる孝行者ですから.
昼のセイヨウフジバカマ&ハナナス - yachikusakusaki's blog
英語ではmistflower:霧の花.
可愛らしい花です.
シュッコンアスターのビクトリア
いくつかの株に早くもつぼみがついたのですが,暑過ぎたためでしょう.開花したのは一株.
そこへ,キアゲハが長い間とまっていました.
キアゲハとアゲハは羽の前側の黒い部分が縞になっているかいないかで見分けるとのこと.キアゲハに間違いないでしょう.
蜜を吸っているのではなく,夕方の休憩をとっていたようです.昆虫を撮影するのは苦手な私のためにモデルを演じてくれていたのでしょうか.
ビクトリア,そしてクジャクアスターが本格的に咲くのは秋.楽しみです.
今咲いているセイヨウフジバカマは,ユーパトリウムとも呼ばれています.
この名前はかつてこの種が属しているとされた属名Eupatorium.
園芸品種ではよくあることですが,これは末端愛好家としてはややこしい限り.
ユーフォルビアと呼ばれる品種が沢山ありすぎると泣き言を書きましたが,http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2017/07/07/014628
ユーパトリウムも困った名前といえます.
1. 日本のフジバカマ,これによく似たヒヨドリバナの属名は同じEupatorium.
どちらも元からの日本名がありますからユーパトリウムとは呼ばれませんが,こちらは現在もEupatorium(ユーパトリウム)属(日本名はヒヨドリバナ属).
フジバカマ - Wikipedia Eupatorium - Wikipedia
フジバカマ - Wikipedia ヒヨドリバナ - Wikipedia
2. ユーパトリウムと呼ばれるセイヨウフジバカマは現在「コノクリニウム属 Conoclinum」.かつての属名を名前としたため別の属の名前をもらった品種ということに.
GKZ植物事典・セイヨウフジバカマ(西洋藤袴) Conoclinium - Wikipedia Conoclinium coelestinum - Wikipedia
DNA解析に基づく「phylogenic」な(「系統発生的な」と訳していいのでしょうか?素人なのでわかりません)分類がすすんで,以前の属名が変わってくる植物は多々あるようです.アゲハがとまっていた宿根アスターも,アスター属(シオン属)ではなくなってしまいました(シムフィヨトリクム属という舌を噛みそうな名前).
属名を種の名前の代わりに使うとあとで困ることは明白と思うのですが--
園芸家の方々,そして植物分類に関わっている学者の先生方.学問の世界以外に,末端の植物愛好家に,もう少し目を向けてシンプルで,しかも伝統や系統も踏まえた名前を付ける努力をしていただけたら.
(シンプルならいいというわけでもありません.私の好きなトレニアは「夏すみれ」として販売されることがあります.でもスミレとは縁もゆかりもない品種で,かえって混乱してしまいます)
セイヨウフジバカマは,キク科,キク亜科,ヒヨドリバナ連,コノクリニウム属,
Conoclinium coelestinum
Conoclinium coelestinum - Wikipedia GKZ植物事典・セイヨウフジバカマ(西洋藤袴)
Asteraceae - Wikipedia キク科 - Wikipedia
Eupatorieae - Wikipedia キク科 - Wikipedia
最後に,7月17日ブログ(http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2017/07/17/000815)に載せきれなかった,今わが家で咲く花たち.
写真で見るとそれなりに美しいのですが,どれも花はそれほど沢山ついていない植物たちです.