毎日暑い日が続いています.
わが家の庭で夏に咲く花は限られていて,日本に以前からあった植物としてはムクゲ,そして秋の花といわれるオミナエシ・キキョウぐらいのもの,と思っていたら---
密かに咲く小さな花を見つけました.
いずれも秋になると美しい実をつけるので目立って来る植物たち.
ムラサキシキブの写真<2> - 育て方図鑑 | みんなの趣味の園芸 ホウライムラサキ マンリョウ - Wikipedia ヤブコウジ - Wikipedia
ヤブコウジは既に花が散って青い実をつけていますが,マンリョウは満開.ただ,余り美しい花とは言えない気も.
それに比べるとムラサキシキブは,小さな花に目をこらせてみると,なかなか美しい.
ムラサキシキブと同属で中国南部・台湾・フィリピン・沖縄に分布するホウライムラサキの花は色が更にあでやか.
実を楽しむ前に,花が散るまで毎日見てやることにしましょうか.
ムラサキシキブは,多くの人に愛されいる植物です.以前にこのブログでも取りあげました.一部繰り返しになりますが---
和歌や俳句にはそれほど多く取りあげられていないようです.ニッポニカに湯浅先生が次のように書いておられます.ムラサキシキブとは - コトバンク
一般には『源氏物語』の作者紫式部とのつながりを思われているが、直接の関係はない。いけ花では江戸時代から使われ、『立華正道集(りっかしょうどうしゅう)』(1684)や『抛入花伝書(なげいればなでんしょ)』(1684)には実紫(みむらさき)の名で載る。後者は「植木売は紫式部といふ」と、ムラサキシキブの名が、商売上の美飾名から広がったことを示す記述がある。『大和本草(やまとほんぞう)』(1709)は、玉むらさきとして、紫しきみ、小紫の方言もあげる。この「しきみ」を敷実(しきみ)あるいは重実(しげみ)や茂実(しげみ)の転訛(てんか)とみて、紫敷実か紫重実(茂実)からムラサキシキブの名が由来したとする説もある。[湯浅浩史]
シソ目 Lamiales,シソ科 Lamiaceae,ムラサキシキブ属Callicarpa,ムラサキシキブ C. japonica
欧米でも愛でられているようで,
ムラサキシキブ属のラテン名Callicarpaのcalli- はbeautiful(Calli- | Define Calli- at Dictionary.com )(-carpaの意味を探せませんでした).
また,英語名はなんと「beautyberry」です!
従って,日本原産のムラサキシキブの英語名はJapanese Beautyberry となりますね.Callicarpa - Wikipedia
ムラサキシキブがシソ科.やや信じがたいのですが----.(以前はクマツヅラ科とされていたそうです)
ホウライムラサキ,コムラサキも同じ属で,学名はそれぞれ,
Callicarpa formosana と Callicarpa dichotoma.
ホウライムラサキ ムラサキシキブとは - 育て方図鑑 | みんなの趣味の園芸 NHK出版
シソ科と言っても,青ジソやスペアミントなどが属するイヌハッカ亜属とは,系統的にかなり遠く,ムラサキシキブ属に近縁の植物としては,例えばチーク材でよく知られるチークがあります.花が似ている気がします.
Tectona grandis /チーク :タイの植物チェンマイより
Lamiaceae - Wikipedia シソ科 - Wikipedia
最後にわが家に咲く花たちです.