昨日のフランスに次いで,今日はイタリアのクリスマスにおけるチーズをとりあげます.
その前に,
イタリアのクリスマスイブの食事は,アメリカやフランスとも,日本とも異なります.
イタリアの伝統的カソリック信者にとって,クリスマスイブは,本来,小斎(禁欲日)にあたる“day of abstinence”.
https://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2017/12/26/003002
http://www.italianlanguageguide.com/christmas/ Christmas in Italy -- Christmas Around the World -- whychristmas?com
従って,肉のない(時には乳製品も)のがイタリアの伝統的なイブ.
「魚(魚介類)中心の食事を摂り,深夜のミサに出かける日.ミサから帰ってもせいぜいココアとスポンジケーキ(パネトーネ)を食べるぐらい」との記事も.
ただし,イタリア系アメリカ人は魚介類中心の晩餐会「 The Feast of the Seven Fishes」をクリスマスイブを催すのが習慣になっていて,かなり豪華なものになってきているとのこと.
「The Feast of the Seven Fishes」のルーツは南イタリアと言われていますが,イタリア本土にこの習慣はありません.
本土南イタリアのナポリのクリスマスイブメニューの一例としてあげられているのはスパゲッティ・ボンゴレ、カピトーネ・エ・バッカラフリット(ウナギのフライと干しタラ)、インサラータ・ディ・リンフォルツォ(野菜とカリフラワーのマリネ)、デザートにはロッココ(アーモンド入りペストリー)、パステ・レアーリ(小麦粉のお菓子)、スサミエッリ(揚げ菓子)、ムスタッチョーリ(あご飴)).
https://www.portanapoli.com/en/culinary/neapolitan-christmas-menu/
イタリアで豪華な食事を摂るのは,クリスマス当日のランチ(il pranzo).
Christmas in Italy -- Christmas Around the World -- whychristmas?com
ローストした肉(子牛肉、羊肉)または煮込んだ牛肉など,肉中心のメインディッシュが並びます.
https://www.google.com/search? What is 'il pranzo' in Italian Christmas?
チーズは,前菜(Antipasto)として,また,一皿目(Primo Piatto)として出されるパスタ料理にふんだんに使われています.
イタリアのクリスマスにおけるチーズの役割をGoogle AIは,次のようにまとめています.
(一部書き加えてあります)
What is the role of cheese in Italian food for celebrating Christmas?
https://www.google.com/search?What is the role of cheese in Italian food for celebrating Christmas?
クリスマスを祝うイタリア料理において,チーズはどのような役割を果たしているのでしょうか?
AIによる概要(一部改変)
チーズは,イタリアのクリスマスを祝う料理において,特に前菜とパスタで重要な役割を果たしています.
前菜Antipasto
前菜は,食事の最初を豊かに,風味豊かに彩るもので,さまざまなイタリアチーズを含む大皿の前菜から始まることがよくあります.
プロシュートprosciutto,サラミsalami,モルタデッラmortadella等の塩漬け肉に,ペコリーノpecorinoやパルミジャーノParmigianoなどの地域特産のチーズが添えられます.
https://www.tasteatlas.com/pecorino-romano
https://www.tasteatlas.com/parmigiano-reggiano
食前酒として最も人気のあるお酒のひとつが,アペリティーボ(食欲を和らげるための軽食とともに食前酒を楽しむも習慣)の代表的なお酒であるアペロールスプリッツです.
https://www.google.com/search? Aperol Spritz
パスタ
パスタは,一般的な最初の一皿Primo Piatto(プリモ・ピアット)として供され,その多くにチーズが含まれています.
例えば,ラザニア・アル・フォルノlasagna al fornoはリコッタricotta Parmigiano-Reggianoとパルミジャーノ・レッジャーノParmigiano-Reggianを特徴とするクリスマスに愛される料理です.
Lasagne al Forno (Italian Beef Lasagna) ラザニア・アル・フォルノ
https://www.insidetherustickitchen.com/classic-beef-lasagne-spinach-pasta/
自家製牛肉のラグーソース,ベシャメルソース,なめらかなパスタを使い,とろけるモッツァレラチーズをトッピングした,熱々のラザニアほど心温まるものはありません.
https://www.allrecipes.com/recipe/233661/chef-johns-lasagna/
トルテッリーニ・イン・ブロドTortellini in brodoは,チーズと肉またはプロシュートを詰めたトルテッリーニを澄んだスープで煮込んだもので,北イタリアのクリスマスの定番料理です.
https://www.tasteatlas.com/tortellini-in-brodo
トルテッリーニ・イン・ブロド
https://www.tasteatlas.com/tortellini-in-brodo
黄金色に輝くガチョウのスープに肉入りパスタを入れたもので,パルミジャーノ・レッジャーノのすりおろしチーズを添えることもあります.公式レシピでは,生地は卵と小麦粉から,詰め物は豚ロース肉,プロシュート,モルタデッラ,パルミジャーノ・レッジャーノ,卵,ナツメグから作るものとされています.
スープで煮込むことで,この究極の家庭料理の風味がさらに高まります.調理に時間がかかるため,かつてはクリスマスなどの特別な機会にしか食べられない料理でした.今日では,ボローニャを訪れたら,作りたてのトルテッリーニは欠かせないグルメの定番です.
クリスマスランチの残りのパスタは,多くの場合,卵やチーズと混ぜてフリッタータ・ディ・パスタに作り変えられます.