今日は全国で真夏日続出との報.片瀬海岸には,水着姿の方も出ていたと伝えていました.
https://news.ntv.co.jp/category/society/4a9c564c22404943b21872fa8a52f008
鎌倉に用事があって,片瀬海外に戻ってきたのは夕方6時頃.昨日よりは雲が多いものの,上空は晴れ.
遠景の山々には,昨日同様,霞んでいて,今日は富士山の稜線も全く見えませんでした.
昨日も記したように,霞とは「空や遠景がぼんやりする現象」.「かすむ」の連用形が名詞になつた言葉.
そして,「霞」を「かすみ」とするのは国訓(中国での用法に合致しない、日本でのよみ方).
漢語の「霞」はあさやけ・ゆうやけ,赤く美しい雲の意味なんですね.日本の辞典にも意味は載つていますが,今ではほとんど使われないように思います.
なお,大和絵に雲のように描かれる「霞」は,別名すやり霞.場面の転換,空間の奥行きなどを示す独特の表現方法として用いられています.
霞
角川字源
意味
❶あさやけ。ゆうやけ。赤く美しい雲。「朝霞」
❷はるか。とおい。同遐か
❸衣服などの赤くあざやかなことのたとえ。
国
❶かすみ。
㋐特に春さき、細かい水滴が空中に浮遊するために空がぼんやりする現象。
㋑かすみあみ。
❷かすむ。遠くがぼんやりとしてはっきりと見えなくなる。
かすみ【霞】
精選版日本国語大辞典
一(動詞「かすむ(霞)」の連用形の名詞化)
①空気中に広がった微細な水滴やちりが原因で,空や遠景がぼんやりする現象.また,霧や煙がある高さにただよって,薄い帯のように見える現象.
比喩的に,心の悩み,わだかまりどをいうこともある.《季・春》
②朝または夕方、雲や霧に日光があたって赤く見える現象。朝焼け。夕焼け。
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⑦大和絵で時間的経過,場面の転換,空間の奥行きなどを示すために描かれる雲形の色面.多くは絵巻物に用いられた.
すやり霞
https://hokusai-kan.com/blog/3071/
http://ehon-emaki.meisei-u.ac.jp/heike/column/c5.html
霞を詠んだ短歌2
(古今短歌歳時記より)
ほのぼのと春こそ空に来にけらし天の香具山霞たなびく 後鳥羽院 新古今集
あはれなりわが身のはてや浅緑つひには野ベの霞と思へば 小野小町 新古今集
冬霞はたけのなかに枯草の山ある国ぞ相模のくには 太田水穂 螺鈿
春霞こめたる町のゆかしくてみおろしつつも高きに登る 窪田空穂 明闇
みほとけ の うつら まなこ に いにしへ の やまと くにばら かすみて ある らし 会津八一 鹿鳴集
春がすみとほくながるる西空に入日おほきくなりにけるかも 斎藤茂吉 あらたま
ふるさとの尾鈴の山のかなしさよ秋もかすみのたなびきて居り 若山牧水 みなかみ
ゆうがすみうすくつつめるこの岡野社の町に灯はともりたり 古泉千樫 屋上の土
わが居る 天の香具山。/おともなし。/春の霞は、谷をこめつつ 釈迢空 春のことぶれ
春がすみいよよ濃くなる真昼間のなにも見えなば大和と思へ 前川佐美雄 大和
ちちのみの父を葬りし日の晩霞濃かりしことはのちも思はむ 葛原妙子 橙黄