昨日は,鎌倉での所要のついでに,妙本寺まで足を伸ばしました.
ソメイヨシノ,カイドウの花は終わっていましたが,4月5月の妙本寺の楓の新芽はとても美しくて大好きです.
ヤマブキが所々に咲いていて,日蓮上人像横の灯籠を飾る八重の花は,とても鮮やか.
この日,一番華やかで目立っていたのは,本堂横の八重桜.かなりの大木です.
シャガ.何年か前は,本堂脇に群生していたと思うのですが,今は,本堂から鐘楼にかけての道沿いに沢山花を咲かせていました.
所々でみかけた,様々な色合いのツツジ.今年はツツジの開花が早いように思いますが---
そして,満開のドウダンツツジ.
漢字には灯台躑躅と満天星の二つがありますが,満開の花をつけた場合は,満天星を当てるのが似合っていると思います.
ドウダンツツジとは,やや奇妙な名前のように思っていましたが,もとはトウダイ(灯台)躑躅だったものが転訛してドウダンツツジと呼ばれているとのこと.
かつてトウダイ(灯台)躑躅と呼ばれたのは,「樹形が結び灯台に似ているから」とする説と,「枝の状態が結び灯台に似ているから」という説の二つがあるそうです.
https://www.keisen.ac.jp/extension/research/gardening/pdf/e3_miyauchi2.pdf
ニッポニカは枝が似る説を採用しています.
名は、放射状に出る枝の状態が、昔夜間の明かりに用いた結び灯台の脚に似ることから、灯台ツツジといわれ、それから転訛(てんか)した。(ニッポニカ)
ドウダンツツジに満天星を当てるのは,中国の故事に由来するとのこと.
https://www.uekipedia.jp/落葉広葉樹-タ行/ドウダンツツジ/
「漢字表記の「満天星」は何とも奇妙だが,中国の道教の神である太上老君が天上で薬を練っていた時,誤って霊水をこぼし,水滴がこの木にかかって壺状になり,満天の星のように輝いたという故事に由来する.」
:下記の花を詠んだ歌は,満天星と表記しています.この故事を意識してのことと推測しますが---推測の根拠はあやふやながら,満天星が似合う花です.
ドウダンツツジの花を詠んだ短歌
(古今短歌歳時記より,なお,満天星は,ドウダンツツジともドウダンとも読みます.以下の短歌中の満天星の読みは全て「ドウダン」)
どうだんの花のこぼれのしろじろと月夜になりし庭松の露 太田水穂 冬菜
春梅雨(はるつゆ)の止むとしもなき満天星のうつむく花に明らけく降る 福田たの子 桐壺
筒花(つつばな)のうすべにに垂り花ゆれゆれて水の辺さらさどうだんの夢 加藤克巳 石は叙情す
もの言はぬ花をあはれと谷に咲く更紗満天星を仰ぎゆくかな 稲葉峯子 桜昏
https://ja.wikipedia.org/wiki/サラサドウダン