鷺を詠んだ短歌3  昨日まで,大晦日に出会った白鷺に始まるブログでしたが,この正月二日には,青鷺にも出会いました.海蔵寺の屋根にじっと止まり続けていました.鎌倉では珍しいことです. 槙もやや光る葉がひを秀(ほ)に佇(た)ちて青鷺の群のなにかけうとさ 北原白秋  鷺の群かずかぎりなき鷺のむれ騒然として寂しきものを 古泉千樫  高々と没(い)り日をさりてゆく鷺のひたすらに翔ぶ茜に染めて 大岡博  みづからの原風景をさがしつつこの冬川にきたらむ鷺か 築地正子

能登半島大震災の死者数は,石川県で94人に.どこまで増えていくのでしょうか---

その数に輪をかけて増えているのが,石川県「安否不明者」数.昨日の179名が今日の発表では242名.

(転居などのためわからない人も含まれる可能性がある.複数カウントしている可能性もあり)

そろそろ減り始めても良いかと思わる不明者数が,さらに増え続けている!この震災の痛ましさを象徴する現実かと思われます.

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240105/k10014309671000.html

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240103/k10014308261000.html

情報が集まってこない・集められないという今回の災害の悲惨さは,孤立状態地域の数の多さからも推定できます.そして,この「孤立状態の地域の数」も把握できていない!

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240105/k10014309991000.html

「石川県によりますと,5日午後3時現在,能登地方の4つの市と町の23の地区で孤立状態になっているということです.」

そして,

NHKに寄せられた情報からは,更に多数の地区が孤立状態になっている可能性が高いことがわかります.

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240105/k10014309991000.html

 

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昨日まで,大晦日に出会った白鷺に始まるブログでしたが,この正月二日には,青鷺にも出会いました.

場所は鎌倉海蔵寺.田んぼがほとんどなくなった鎌倉で鷺に会うことは,珍しくなっています.年末年始,得をした気分でした.

 

正月の海蔵寺.カエデの葉はほとんど散っています.

1月の庭を彩るのはスイセンマンリョウ

 

そして,本堂の屋根に止まっていたのは,

 

青鷺でした.

 

アオサギ あおさぎ / 青鷺 grey heron

ニッポニカ  https://kotobank.jp/word/アオサギ-24120#

(抜粋)

[学] Ardea cinerea

鳥綱コウノトリ目サギ科の鳥.大形のサギで,全長約95センチメートル.背は青灰色で,頭頸(とうけい)部と下面の大部分は白く,目の後方と長い冠羽は黒い.風切(かざきり),胸側,腹側も黒色.

日本では北海道,本州,四国で繁殖し,北海道では夏鳥,本州以南では留鳥か漂鳥である.湖畔,沼沢地,水田,川岸,干潟などに生息し,浅い水中で魚,カエル,ザリガニその他の動物を捕食する.巣は高木の頂上近くにつくり,集団繁殖する.繁殖期は4~7月.

https://www.google.com/search?q=アオサギ

日本には,このアオサギや,昨日紹介したコサギチュウサギダイサギの他,アマサギゴイサギ等を見ることができるそうです.

 

鷺を詠んだ短歌3

(古今短歌歳時記より)

 

なよなよと霞(かすみ)のなかよりあらはれて青鷺づれの顔のしたしさ  吉植庄亮 くさはら

 

槙もやや光る葉がひを秀(ほ)に佇(た)ちて青鷺の群のなにかけうとさ  北原白秋 白南風

 

秋ちかき月夜の空に声ほそく五位鷺啼けばそよぐ木々の葉  四賀光子 藤の実

 

鷺の群かずかぎりなき鷺のむれ騒然として寂しきものを  古泉千樫 屋上の土

 

高々と没(い)り日をさりてゆく鷺のひたすらに翔ぶ茜に染めて  大岡博 春の鷺

 

氷りたる泥地(ひぢち)にたてる鷺いち羽まなこつむれど見てゐるらしも  福田栄一 この花に及かず  

 

みづからの原風景をさがしつつこの冬川にきたらむ鷺か  築地正子 鷺の書

 

光りつつ鷺の翔びたるその日へて若く貧しさを庇ひあひたる  河野愛子 草の翳り

 

歌はただ此の夜の外の五位の声端的にいま結語を言へば  岡井隆 鳶卵亭