津波の高さや死者数といった数字から,過去の震災に比べ被害が少ないように思えてしまうが,甚大な被害の全体像はまだつかみきれておらず,救助・救援の手が届いていないのが現状 TBS報道特集より:「被害の全体像は,まだつかみきれていないのではないか」「とにかく道路事情が悪い」「救助・救援の手が行き届いていないのが現状」「被災地に人手が足りていない」「深刻な被災の状況,被災地で救援が足りていない状況が,なかなか伝わっていないのではないか」「あまりにも救助が遅すぎた」

能登半島大震災」今日の報道より

・120時間以上たって,一名救出.

・石川県内での死亡確認は,前日より増えて126名に.

(災害関連死を除いた死者数では,既に熊本地震を越えています.熊本地震の死者数は276人ですが,災害関連死が221名.地震で直接亡くなった方は55名.NHKニュース7

・公表された石川県内安否不明者は,昨日からやや減って210名.

・孤立状態/要支援地区の数は,昨日とあまり変わらず.

輪島市で約15キロにわたる地面の隆起を鮮明に確認「予想以上で驚くほどだ」

津波の高さや死者数といった数字から,過去の震災に比べ被害が少ないように思えてしまうが,甚大な被害の全体像はまだつかみきれておらず,救助・救援の手が届いていないのが現状

「被害の全体像は,まだつかみきれていないのではないか」「とにかく道路事情が悪い」「救助・救援の手が行き届いていないのが現状」「被災地に人手が足りていない」「深刻な被災の状況,被災地で救援が足りていない状況が,なかなか伝わっていないのではないか」「あまりにも救助が遅すぎた」

 

地震発生からおよそ120時間以上たった6日夜、石川県珠洲市で倒壊した住宅から高齢の女性が救出されました。女性は脈が確認できる状態で、病院に搬送されて手当てを受けています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240106/k10014312161000.html

 

石川県などによりますと、6日午後4時までに、今回の地震による死者が石川県内であわせて126人確認されたということです。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240106/k10014311621000.html

 

石川県は住民基本台帳をもとに6日午後2時の時点で安否が分かっていない人として、210人の氏名や年齢などを公表し、広く情報の提供を求めています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240103/k10014308261000.html

 

石川県によりますと、6日午後2時現在、能登地方の4つの市と町の少なくとも18の地区が、依然として孤立状態になっているということです。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240106/k10014311961000.html

 

名古屋大の山岡耕春教授(地震学)「予想以上で驚くほどだ」

 

TBS報道特集(2024年1月6日)より

「実際に到達した津波の高さや死者数といった数字で比べますと,過去の震災に比べて被害が小さいように思えてしまいますけれども,そうした数字に惑わされることなく,救援体制をしっかり整えることが必要でないか」

https://www.youtube.com/watch?v=rnyI6bD_gxI

膳場アナ「私は,地震発生から二日後,1月3日の朝に,現地に入りましたが,とにかく道路事情が極めて悪いんですね.落石や土砂崩れで,到るところで通行止めや片側交互通行,地割れも激しくて,大型車両が通れないという道も多数ありました.

そんな事情もあったので,現地に入ったとき,『あ〜自衛隊も,まだ,十分展開できていないな』というのが,最初に気づいたことでした. ARROWS(空飛ぶ捜索医療団)の医師がおっしゃっていたように,これまでの災害現場と比べて,出足で時間も大分くってしまっている印象を強く受けました.

輪島の村瀬さん.そちらの取材はいかがですか?」

村瀬アナ「膳場さんおっしゃるように,被災地へのアクセスの悪さというのが際立っていると思います.

しかも,被災地に来るまでの間,山あいの道を通ってくるんですけれど,その間に,小さな集落がいくつもあるんですけれど,その小さな集落でも,倒壊した建物や,崖崩れにのみ込まれた建物がいくつもありました.

しかも,そうした現場に,救助の手が入っている様子は,見受けられませんでした.

ですから,この被害の全体像は,私たち,まだつかみきれていないのではないかと思います.」

膳場アナ「大雨の翌日,前日になかった土砂崩れがおきているのに気づいたんですけれど,被害は今後も拡大の恐れがありますよね.とにかく道路事情が悪い.空からの救助を増やす等して欲しいと感じました」

村瀬アナ「本当にそうですね.輪島市の被害はかなり深刻で,救助・救援の手が行き届いていないのが現状です.

このわたしの後ろの建物ご覧いただきますと,倒壊したビルが見えますけれども,この建物,非常に不安定な状態で残されていますけれども,ご覧いただいたらわかるように,一切,規制などはされていませんで,今の時点でも,誰でもここに近づいて,中に入っていくことすらできる状態でおかれているんです.

このような状況を見ていただいても,いかに,被災地に人手が足りていないかがわかるかと思います.

また,この現場を取材して思ったのは,この,深刻な被災の状況,被災地で救援が足りていない状況が,なかなか伝わっていないのではないかということなんです.

このビルの倒壊で,妻と娘さんをなくされた男性が,『あまりにも救助が遅すぎた』とおっしゃっていたことが,心から離れません.

実際に到達した津波の高さや死者数といった数字で比べますと,過去の震災に比べて被害が小さいように思えてしまいますけれども,そうした数字に惑わされることなく,救援体制をしっかり整えることが必要でないかと思います

膳場アナ「取材をしますと,被災者の中には,治安の悪化に対する対策が十分ではないと感じている人も実は多いんですね.

珠洲市の避難所で,お子さんのいる女性に話をうかがったところ,『不審者情報や窃盗のニュースも報じられているので安心して外に出ることができないし,子供も遊ばせられない.性犯罪も心配で気が休まらない』とおっしゃっていました.

人命救助が何よりも最優先ですけれども,同時に,こうした切実な声にも早急に対応していく必要も感じています.

今後,避難所などでは,災害関連死のリスクも本当に心配です.迅速な対応も必要ですけれど,同時に対応は長期戦になる様相も見せています」