スパイス(スパイス&ハーブ)について,まとめています(すでに取り上げたシソ目シソ科のハーブは省きます).
スパイス(スパイス&ハーブ)25
シナモン4
マサラチャイ:インドから世界へ
シナモンの利用法としては,スイーツ・お菓子づくり,料理に加え,飲み物への利用がありますね.
https://www.amazon.co.jp/シナモンパウダー-250g
シナモンを利用した飲み物として,最近は,「チャイティーラテ」が,世界のコーヒーショップに広がっています.
(チェーン店にあまり行かない私は,全く知りませんでしたが)
https://www.google.com/search?チャイティーラテ スタバ
https://www.google.com/search? Chai Tea Latte Starbucks
日本のお店の解説では,どのようなスパイスが入っているかよく分かりませんが,英語の解説を翻訳してみると次のように説明されていました:
(ホット)シナモン,クローブなど体を温めるスパイスを効かせた紅茶にスチームミルクを合わせ,泡をトッピング.チャイを象徴する一杯.
このドリンクにはシナモンパウダーを追加注文できます.
https://dyf.starbucks.co.jp/detail/?id=1378
この「チャイティーラテ」は,インドのマサラチャイ(Masala Chai )を,欧米好みにアレンジした飲み物です.
名前の混乱はありますが---
マサラチャイからチャイ・ティーへ
https://www.thespruceeats.com/the-history-of-masala-chai-tea-765836
(DeepL翻訳 抜粋)
アメリカでは,材料や調理法だけがバリエーションではない.長い年月の間に,"マサラチャイ "という呼び名は "チャイ",さらには "チャイティー "へと変化した.しかし,これは少し誤解を招く.「マサラチャイ」は「スパイスティー」を意味するので,「チャイ」は単に「お茶」を意味する.さらに悪いことに,「チャイ・ティー」は「紅茶のお茶」と訳されてしまう.
(「マサラ」は,ヒンディー語で,「インドやチベットで用いる混合香辛料の総称」 日本国語大辞典)
しかし,アメリカでは,マサラチャイは多くの尊敬を集めている.消費者の紅茶に対する期待が高まり続ける中,多くのティーハウスが非常に高品質なルーズリーフのマサラチャイを提供している.
さらに近年では,「チャイティーラテ」と「ダーティチャイ」と呼ばれるマサラ風味の飲み物が,欧米の多くのコーヒーショップで人気を博している.
マサラチャイとは
https://www.google.com/search? Masala Chai in India
マサラチャイは,インドの国民的な飲み物といってよいでしょう.
https://cnalifestyle.channelnewsasia.com/dining/masala-chai-tea-india-history-270526
その歴史は,「数千年前にさかのぼる」という説もあるそうですが,マサラチャイの原型とされるものには,チャイ(茶)は用いられていません.
インドのアッサム茶が発見されてのは1800年代初頭.
初めは全て欧米人,特にイギリス人用に生産され,現地のインド人は飲むことができませんでした.しかし,1929年の大恐慌後,イギリス国内の消費が落ち込み,インド人の消費に活路を求めた結果,インド全土に広まりました.
そして,インド人は,イギリスのミルクティーに独自のアレンジを加え,ショウガ,カルダモン,ナツメグ,シナモンなどのスパイスを加えることは,すぐに一般的になりました.そして生まれたのがマサラチャイです.ただし,マサラチャイ用のスパイス(チャイ・マサラ)の調合や作り方は,地域や家庭,淹れる人によって異なります.
下の記事では強調されていませんが,「シナモン,カルダモン,クローブ,ショウガ,コショウがマサラチャイに欠かせないスパイス」としている記事も見られます.
https://www.deepl.com/ja/translator
この間の経緯をわかりやすく解説したCNA(シンガポールのニュース専門テレビ放送局)の記事をDeepL翻訳して以下に掲載します.
Chai latte, anyone? The history of masala chai and how it went global
By Anjli Raval © 2021 The Financial Times
26 Jul 2021
https://cnalifestyle.channelnewsasia.com/dining/masala-chai-tea-india-history-270526
チャイラテはいかが? マサラチャイの歴史と世界普及の経緯
アンジュリ・ラバル
(DeepL翻訳 抜粋)
ほとんどのインドの家庭では,一日の始まりは入浴,お祈り,朝食の後です.しかし私にとっては,若くて信心深かった頃でさえ,チャイは常に神の前にありました.
単なる紅茶でも,カフェインを摂取するためでもありません.このテラコッタの飲み物が前日の疲れを癒し,次の日の準備を整えてくれます.ほっとさせ,若返らせる癒しの強壮剤なのです.
最もシンプルなマサラチャイは,濃い紅茶の葉,ミルク,そして多くの場合水で作られ,砂糖とジンジャー,シナモン,クローブ,ナツメグ,ブラックペッパーなどのスパイスを加えて煮込みます.
さまざまな作り方
インド亜大陸の主食と同様,スパイスの調合(チャイ・マサラ)や作り方は,地域や家庭,淹れる人によって異なります.
お湯を沸騰させてから茶葉とスパイスを入れ,ミルクと砂糖を入れる(レストラン「ディシューム」が推奨)人もいれば,一気に沸騰させる人もいます.
ホールスパイスを好んで使う人もいれば,我が家もそうですが,トーストしたスパイスと挽いたスパイスのブレンドを好む人もいます.
「ひとつのスパイスが他のスパイスを圧倒しないように,味のバランスをうまくとるのがポイントです」と,紅茶史家のジェーン・ペティグリューは言います.「すべてが調和していなければなりません」.
言い伝えによると,マサラチャイの起源は数千年前にさかのぼり,現在のインドにいた古代の王が薬用飲料を探したことに始まるといいます.彼が作った飲み物には紅茶は入っていませんでしたが,消化を助け,神経を落ち着かせ,血行を促進する抗酸化物質を豊富に含むスパイスがたっぷり入っていました.
マサラチャイの誕生と暗い過去
今日,紅茶,ミルク,砂糖をふんだんに使ったこの飲み物は,インドではどこにでもあります.チャイは,ご近所同士の噂話や政治的な議論のお供です.チャイは客を家に迎え入れ,ビジネスの取引を成立させます.道端や駅のチャイ店では,ポットが絶えず沸騰し,ガラス製のタンブラーや粘土製のクルハールに入ったエスプレッソ風の一杯を一日中提供しています.
しかし,インドで愛飲されている飲み物の近代史には暗い物語があります.
1650年代以降,イギリス人は中国茶を好むようになりましたが,その代金を支払うことを次第に嫌がるようになりました.そして1800年代初頭,ある放浪のイギリス人が北東部のアッサム州で茶葉が自生しているのを発見しました.インドの紅茶産業が誕生したのです.
インドのイギリス人について書かれた『Inglorious Empire』の著者であるシャシ・タロー氏は,地元の人々は紅茶を生産するためにひどい環境で働きましたが,自分たちで飲むことはなく,経済的な報酬を得ることもなかったと語ります.
イギリスがインド人に紅茶を飲むように勧めたのは,1930年代の世界恐慌でイギリス国内の需要が落ち込んだときでした.
莫大な量の紅茶が売れ残り,1世紀にわたって原住民を無視してきたイギリスは,インド市場をターゲットにするしかなかったのです.経済が紅茶の消費を促したのです
地元の業者は,紅茶,ミルク,そしてもちろん砂糖のミックスであるイギリスのカップに独自のアレンジを加えていきました.ショウガ,カルダモン,ナツメグ,シナモンなどのスパイスを加えることは,すぐに一般的になりました.
地域ごとの調合も生まれました.
南インドではトゥルシーと呼ばれるバジルの一種を加え,パンジャブではグリーンカルダモンが好まれ,カシミールではベースとして緑茶が好まれ,シッキムでは「バター」ティーがあります.その他,フェンネル,スターアニス,ミント,サフランなどのバリエーションも生まれました.
インドは2019年の紅茶生産量140万トンの約80%を消費しました.しかし,生産量では中国に次いで世界第2位であるこの業界は,深刻なストレスにさらされています.コロナウイルスに関連したロックダウンは,この1年で生産量を劇的に低下させました.一方,国内供給の半分を生産するアッサム州の労働者は,劣悪な労働環境に抗議してストライキを行なっています.
南部など他の地域では,各農園は長年にわたって労働力を削減し,高い賃金を支払い,生産工程を機械化してきました.しかし,アッサムではいまだに年季奉公労働の遺産が残っており,多くの場合,働き手は茶園で働くために連れてこられた移民です.
インド紅茶委員会のプラバット・ベズボルア委員長は言います.「この構造は持続不可能です」.
世界への伝播
一方,マサラチャイは,1994年の米国オレゴンチャイ製品の発売から,バニラ,シナモン,甘味料,シロップをふんだんに使ったスターバックスのチャイラテまで,世界的な広がりを見せています.
ロンドンでは,パンバン・チャイ&コーヒー・ハウスの共同設立者であるメイフル・ゴンデアは,本格的なマサラチャイ文化の創造を目指してきたと語ります.これを実現するために,創業者たちはインドとスリランカの原点に目を向けました.
「スパイスや主原料を丸ごと使い,口当たりが美しい複雑な飲み物を作っています」とゴンディアは言います.「どのチャイも同じではありません.大事なのは,ルーツに忠実であることです」.
筆者のラヴァル家のレシピでは,シナモンの量はあまり多くないようです.
材料
▽スパイスブレンド(チャイマサラ)
根ショウガ 7センチから8センチ , シナモンスティック 少々,クローブ(ホール) 大さじ2 , カルダモンシード 大さじ2,ホワイトペッパーコーン 大さじ2 , 黒胡椒の実 大さじ2,
▽チャイ
材料
アッサム茶葉小さじ3,または濃いめの紅茶ティーバッグ2袋, 水1/2カップ,牛乳1/2カップ,チャイマサラ 小さじ1 , 砂糖 小さじ2, 生姜のスライス 少々 ,