ギボウシを詠んだ短歌  わが家のぎぼうしは,まだ蕾.鎌倉おんめ様(大巧寺),そして日朝さま(本覚寺)にも立派なギボウシがあり,こちらはきれいに咲きそろっています.  ぎぼうしゅに愛(かな)しき小花(こはな)むれ咲て白日光(はくじつくわう)に照らされ居たり 斎藤茂吉  擬宝珠のみどり葉を裂き降りし雹(ひょう)ひかりつつあり土に静かに 鹿児島寿蔵  擬宝珠は手鈴(しゅれい)のごとき花もてり水ひかりつつ落つるかたへに 生方たつゑ

早くも木槿が咲き始めました.

昨日の夕方,覗いた梅雨晴れをバックに撮ると,夏が来たように見えます.

 

毎年買い求める八重のインパチェンス.根もしっかり張り,これからつぎつぎ花を咲かしてくれると期待しています.

 

澄んだ青色に魅せられて衝動買いしたサルビア

オーストリアで育成された最新ミクロフィラ系品種 で,'So Cool Pale Blue'と命名されています.

以前からあるサルビアたちも花を付けています.


ギボウシの花ももうすぐ開きそうです.

ギボウシは属名で,いくつかの種類が出回っていますが,わが家のギボウシの種名は不明.

PictureThisはオオバギボウシ(トウギボウシ Hosta sieboldiana)と判定しましたが---.

サガエギボウシ H. fluctuans ‘Sagae’ という園芸種と似ています.

https://ja.wikipedia.org/wiki/サガエギボウシ

 

鎌倉おんめ様(大巧寺)にも立派なギボウシがあります.下の画像は,今日買い物の帰りに,暗くなってから撮影したもの.蕾の状態ですが,かなり以前から開花していました.

昨日,日朝さま(本覚寺)で撮影したギボウシ.美しく咲きそろっていました.

PictureThisの判定では,ムラサキギボウシ Hosta ventricosa.おんめ様のものと同じ種だと思います.

 

ギボウシは,漢字で擬宝珠.「ぎぼうしゅ」とも.

元々の擬宝珠の意味は「高欄や,橋などの親柱の上にかぶせた,ネギの花の形をした飾りの金物.如意宝珠の形に似せて作ったもの(日本国語大辞典」をさします.また,ネギの花=ねぎぼうずのことも擬宝珠と呼ぶとのこと.

堤中納言物語(11世紀中頃〜13世紀)に植物のギボウシが登場しているそうです.

本覚寺前夷堂橋の擬宝珠

https://www.google.com/search? 如意宝珠


オオバギボウシの若芽は「うるい」と呼ばれる山菜で,山菜愛好家の方々にとても人気があるとのこと.

一度食べてみたいものです.

https://www.google.com/search?うるい

http://www.forest-akita.jp/data/sansai/12-urui/urui.html

 

一方,ギボウシは海外の園芸愛好者にも人気で,育種も盛ん.日本でホストの名で販売されています。

英語版ウィキペディア https://en.wikipedia.org/wiki/Hosta には英国王立園芸協会ガーデンメリット賞を受けた品種が37も記載されていました.

検索すると葉の画像ばかり出てきます.花よりも葉の姿が人気なのだと思います.近縁のリュウゼツラン同様,葉の形が注目される植物と言えます.

 

ギボウシを詠んだ短歌

(古今短歌歳時記より)

 

ぎぼうしゅに愛(かな)しき小花(こはな)むれ咲て白日光(はくじつくわう)に照らされ居たり  斎藤茂吉 あらたま

 

夕べかぜ木したに吹けば擬宝珠草あまた光りて広葉(ひろば)をもたぐ  中村憲吉 林泉集

 

擬宝珠のみどり葉を裂き降りし雹(ひょう)ひかりつつあり土に静かに  鹿児島寿蔵 麦を吹く嵐

 

擬宝珠は手鈴(しゅれい)のごとき花もてり水ひかりつつ落つるかたへに  生方たつゑ 春尽きず

 

梅雨の雨くらき暁の木陰にはたらの黄葉(もみじ)散りぎぼうし花咲く  小市 巳世司 一つ灯を

 

 

 

 

ギボウシは,

キジカクシ目 Asparagales,キジカクシ科 Asparagaceae,リュウゼツラン亜科 Agavoideae,ギボウシ属 Hosta

属名ホスタの名前でも園芸店で販売されていて,様々な品種を楽しめます.