先日の散歩で,ギンナンが落ちているのを見つけました.黃葉最盛期の少し前に落ちるギンナン.
子供の頃集めた思い出があります.
木になっている姿を見ることはできなかったので,ネット上の画像から.
https://tenki.jp/suppl/m_nakamura/2015/10/12/6671.html
ギンナンのなっている姿,そして種にした白い姿も美しい.そして美味しい.
しかし,落ちた後の臭いが問題.
ただし,この臭い.イエール大学の物学者ピーター・クレイン(「イチョウ 奇跡の2億年史: 生き残った最古の樹木の物語」河出書房新社
https://www.amazon.co.jpイチョウ /奇跡の2億年史 の著者)によれば,動物には好まれている可能性があるとか.
現在,ギンナンを好んで食べる動物はみつかっていないものの,恐竜など絶滅した巨大な動物種が好んで食べたという可能性がなきにしもあらずとのこと.
少し長くなりますが,以下,インタビュー記事の一部をDeepL翻訳で.
インタビュアー:イチョウといえば,扇形の葉が特徴的ですが,独特の匂いもありますね.この匂いは何なのでしょうか?
クレイン:臭いを発するのは種子の外側で,はっきり言って嘔吐物のような臭いがするんです.おそらく,散布生態に何らかの適応や変化があったのでしょう.おそらく,今も昔も,この匂いは動物にとって魅力的だったの でしょう.例えば,犬がイチョウの種を食べるという話はよく聞きますが,その後,あまり気分がよくなかったりして,あまり幸せな結果にはならないようです.しかし,これは拡散システムの一部であるに違いありません.興味深いのは,イチョウの種を拡散させるために適応した生物はまだ存在しているのか,ということです.それとも絶滅してしまったのでしょうか?
ダニエル・ジャンゼンとポール・マーティンが発表した,新熱帯の果物の多くは,現代の動物群には拡散者がいないように見えるという素晴らしい考えがあります.彼らの考えでは,約1万年前に多くの大型哺乳類が絶滅したため,多くの植物が最も重要な分散媒を失ってしまったのです.つまり,ある意味,植物は生き続けているけれども,拡散者自身はすでに絶滅してしまったということです.
インタビュアー:では,彼らの理論では,イチョウの匂いにつられて恐竜が食べてしまったということになるのでしょうか?
クレイン:そうです.あるいは,もっと昔に絶滅した哺乳類が食べた可能性もありますね.しかし,今の木は,その散布者の位相がずれている可能性があるということなのです.アナグマに食べられたという記録もありますし,いろいろな人に話を聞いてみると,今でも種は移動していることがわかります.つまり,何かが種子を動かしているのです.種はとても魅力的で,あの匂いがなくなると,ピスタチオにちょっと似ています.栄養価の高い肉が含まれているので,リスなどの動物を惹きつけるのでしょう.
ギンナン拾いは私にとっては楽しい思い出ですし,毎年の楽しみになっている方もおいでかと思います.先のクレイン先生は,欧米でも一部の方々は盛んに拾い集めていると言っていました.
おそらく,日本人と中国人でしょうね.
グーグルで, "ginkgo nut" "recipes" と検索すると,“銀杏” “レシピ”,もしくは "ginkgo nut" "recipes" "Chinese Cuisine",とほぼ同じような料理にが検索されます.ギンナン料理といえば,和風もしくは中華風になってしまう.
"ginkgo nut" "recipes" "Chinese Cuisine"
ギンナンを詠んだ短歌
古今短歌歳時記(鳥居正博 教育社)より抜粋
街路樹の銀杏(いてふ)のまれになれる実をもぎたのしめる童(こ)の下をゆく 中島哀浪 堤防
高々と空晴れながら寺の庭に銀杏実(いてふみ)おちぬ黄なる銀杏の実 結城哀草果 まほら
銀杏の実しきりに屋根におつる音きくべくなりて寒し夜ごろは 山下陸奥 冬霞
ほたほたと銀杏はおちて幼子の言語のひとつ今朝あらたまる 小高賢 耳の伝説