大型連休も半ばとなりました.
NHKニュースは「3年ぶり制限なしの大型連休.人の移動は感染拡大前の8割近くに」と報道しています.
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/longholiday_2022/detail/detail_16.html
鎌倉の人出も半端ないように感じます.「制限なし」は「喜ばしい」ものの,これが,将来に禍根を残してはもともこもありません.
山際大志郎・経済再生担当相は「普通に通常のゴールデンウイークとしてお過ごしいただければ」と言ったそうですが,これに青野由利さんが反論しています.(毎日新聞 土記 2022/4/30)
“「基本的な感染対策は重要」と言ってはいるが、「通常通り」はいくらなんでも楽観的では? それに「分散化」はどこへ?
そこには、欧米が規制をとっぱらっているのだから、日本も、という気分がうかがえる。”
” 感染せずワクチンも未接種なために、免疫のない人の割合は欧米に比べまだまだ高いはず。
そこで一気に気が緩むと?
「元通り」は、その後の感染拡大につながるはず。休暇の分散化が忘れ去られるとすれば、それも残念だ。”
青野さんの懸念も尤もだと思います.
そして,
新たな変異株がみつかったという報も.
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220502/k10013609421000.html
日本でみつかった新規変異株は,どのようなものかまだはっきりしていません.
しかし---
南アフリカで主要オミクロン株になりつつある新規変異株(BA.4,BA.5)は,「従来のオミクロン株に比べ強い感染力を持つ」と報告されています.
オミクロン株の亜種「BA.4」「BA.5」見つかる-南ア解析担当者 - Bloomberg
世界全体ではコロナ感染者数が減少している中,南アフリカでは再び増加に転じていて,これがBA.4,BA.5によるものとのことです.
このオミクロン新規変異株は,アメリカでもみつかっていて,今後感染拡大につながるのか,研究者たちは固唾をのんで見守っているようです.
BA.4 and BA.5, two new Omicron variants sweeping South Africa, detected in U.S. | Fortune
そして,日本では?
覚悟だけはしておく必要がありそうですね.
ワクチン接種は必須でしょう.
"我々は皆このウイルスにうんざりしていますが、彼(ウイルス)は我々にうんざりしていないかもしれません"
"私たちは今、これまでの感染による免疫力の低下を真剣に受け止めなければなりません.そして @sigallab は、ワクチン接種の方が感染だけよりもはるかに確実に免疫を維持できることを示しています。"
(クワズール・ナタル大学/ステレンボッシュ大学研究所長で、南アフリカのCOVID専門家トゥリオ・デ・オリベイラ氏のツイート) BA.4 and BA.5, two new Omicron variants sweeping South Africa, detected in U.S. | Fortune
https://twitter.com/Tuliodna/status/1520123573192568832
Summary of what we know about Omicron BA.4 & BA.5:
— Tulio de Oliveira (@Tuliodna) 2022年4月29日
- Suggesting a discrete reservoir, such as chronic human infections and/or animal reservoirs
- BA.4 and BA.5 have a growth advantage over BA.2
- Escape BA.1 infection & potential new wave
オミクロン株の亜種「BA.4」「BA.5」見つかる-南ア解析担当者 - Bloomberg
オミクロン株の新たな派生型、ワクチンすり抜ける公算大-南ア研究者
Antony Sguazzin
2022年4月29日 23:13 JST
「BA.4」と「BA.5」、先に発見されたBA.2より感染力強い
90%以上が免疫保護持つ南アで、感染拡大はそれしか説明付かない
新型コロナウイルスのオミクロン変異株で、南アフリカの科学者が今月発見した新たな派生型はワクチンや以前の感染で獲得した免疫をすり抜ける能力を持っている可能性が高い。この派生型に関するリポートを発表した遺伝子配列解析チームのトップが語った。
南アのクワズールー・ナタール大学とステレンボッシュ大学の複数の研究所から成るチームのトップを務めるトゥーリオ・デオリベイラ教授は、新たな派生型「BA.4」と「BA.5」は、先に見つかった「BA.2」よりも感染力が強い様子だと説明。「BA.2」も従来のオミクロン株に比べ強い感染力を持つ。
南ア市民のほぼ全員が、ワクチンを接種済みか過去に感染歴がある。それにもかかわらず感染者数が現在増えているのは、これらの派生型が単により強い感染力を持つだけでなく、免疫を突破する能力があるためだと考えられると、デオリベイラ氏は指摘した。
デオリベイラ氏は「この派生型には免疫のすり抜けを可能にする変異」があるとの考えを表明。「この派生型は再感染を引き起こす恐れがあり、一部のワクチンを突破する能力を持つとみている。人口の90%以上が一定の免疫保護を得ていると考えられる南アで、感染が広がるのはそれ以外に説明が付かない」と述べた。
同氏はまたツイッターでの投稿で、現在の南アの新規感染ではこの派生型が約7割を占めると明らかにし、「『BA.4』と『BA.5』で感染件数は増えているが、入院者数と死者数の大規模な発生にはつながっていない。それがこの派生型に関するわれわれの中心シナリオだ」と見方を示した。