二月になれば梅が楽しみですが,待ちきれず,今年も早咲きの梅を見に八幡宮へ.
源平池の近くの白梅.
白旗神社に向かう道,国宝館の前の紅梅.
白梅は三分咲き,紅梅は5分咲きといったところでしょうか.今年の寒さで開花が遅いようです.
しかし,つぼみも美しい梅です.今が見頃と言っていいでしょう.
和歌歳時記(鳥居正博編著 教育社)によれば,古来,詩歌では寒中に咲く梅を「寒梅」と言い習わしてきたとのこと.
以下,和歌歳時記から,冬の梅,雪中の梅,寒紅梅,冬至梅など,冬に咲く早咲きの梅を詠んだ歌をいくつか引用させてもらいます.
今日降りし雪に競(きほ)ひて我が屋前(やど)の冬木の梅は花咲きにけり 大伴家持(万葉集・八・一六四九)
梅の香の降りおける雪にまがひせば誰かことごとわきて折らまし 紀貫之(古今集・冬・三三六)
この家に冬至梅の花すでに咲けり掌(たなそこ)に沁みて我は折りつる 島木赤彦(柿陰集)
こがらしの吹ききよめたる朝空にはじけて梅の花しろく咲く 太田水穂(螺鈿)
冬至梅の固き蕾に朱(あけ)注(さ)せば霧吹きかけて年迎えせむ 滝口(宮)英子(婦負野)
北国に育ちし妻が仰ぎゐるひかりのなかの一月の梅 島有道(自然)