NHK BSプレミアム 梅沢富美男と東野幸治のまんぷく農家メシ!
1軒目「絶妙な甘みと酸味!勝沼の黒いぶどう」
「下も---ここまで運転してきましたけども,ブドウ,ブドウ,ブドウ,ブドウ」「袋かぶってるから,もう取り頃だとか,わかんないんじゃないですか?」「ほぼ,もう色がきてれば,こう触ってみれば」「何を見て120点なんですか?教えて下さい」「球張り,色,粒つきも揃ってる」粒の数は大体同じ:ブドウが小さいときに,粒の数が35個ぐらいになるように間引いているんです.
http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2019/10/15/235057
取れたての巨峰をいただきましょう.
「うまい」「おいしい?」
「やっぱり自分で収穫した味はどうですか?」「いや,うまいわ.甘みと酸味っていうけど,酸味もふや〜っとした,『あ,すっぱい』じゃなくてフワ〜っとした.あ〜いいな」
「甘みと酸味が適度に---」
巨峰以外にも,黒いぶどうを用意してくれました.
「何か品種が違うんですか?」
「これが今収穫した巨峰.
これが,それをかけ合わせて作ったピオーネ.
これが今,山梨県のオリジナルで出始めて,まだ,皆さんの口には数年かかると思うんですけども,新品種のブラックキングです」
「ブラックキング!」
「これは,おとうさん.ブラックキングのことしゃべるとき,えらい,眼に力がありましたから,これは,ちょっと売り出していこうと?」「そういうことです」
「ハハハハハハ」
山梨県で10年以上かけて開発された,その名もブラックキング.
巨峰を改良した山梨46号とピオーネをかけ合わせたもので,色づきがよく,粒が大きいのが特徴です.
「どうですか?」
「メッチャ甘っ!」
「これはえぐいですね」「そうですか」「これはうまい!」
「すごいよ」
「え〜!こっち来たら買えるんですか?」「まだ,そこまで木が大きくないんで,どうでしょう」
「ちなみに,今年は何個ぐらい,何房ぐらい,収穫する予定があるんですか?」「うちでは,20房くらい,あるかないかですね」
「20房の中の2つ出してくれたんですか.ありがとうございます.もう1個いいですか?」「どうぞどうぞ」
「これ食べて帰って下さいよ.皆さん.東京に」
「これ,女房に食わせたいな」
「これをず〜っと食べて,甘いなってなったときに,たまにこっち戻ると,また酸味が程よくっていいですし,ぐるぐるぐるぐる.ブドウ地獄ですよね」
さらに,農家さん,とっておきの食べ方を教えてくれるそうです.
「あ〜うまそう.絶対うまいわ」「これはですね----」
「凍らせたブドウを」
1軒目「絶妙な甘みと酸味!勝沼の黒いぶどう」
レシピ(BSプレミアム) - 梅沢富美男と東野幸治のまんぷく農家メシ! - NHK
料理①:アイスぶどう
材料 ぶどう(適量)
作り方 ①ぶどうを冷凍庫で凍らせる。
*ワンポイント:冷凍庫から出したぶどうは、軽く水に浸すと皮がむきやすくなる。
レシピ(BSプレミアム) - 梅沢富美男と東野幸治のまんぷく農家メシ! - NHK
(ガラス容器に入った水が登場.清美さんが,凍ったブドウを入れようとすると--利一さん:)「イヤイヤ,そんないっぺんに---ちょこっと入れて」
「いいじゃないですか.お母さん,ごめんなさいね.そんな偉そうな,お父さん.言い方あきませんよ」
「これで溶けますんで,そしたら皮をむいて」
「これは,もう地元の方は,こういうふうにして食べたりしてるってことですか?」「はいそうおうことで」
「もういいですか?」「もう大丈夫です」「もういいですか」「もうむけますんで」「あっ,もうむける?」「むきやすくなるんですよ」「あ〜むきやすい,むきやすい」「むいて頂いて」
「あ〜冷たくてひんやりしてる」
「おいしい!これ,家で出来ますね.これいい,これいい」「残ったのを冷凍庫に入れさえすれば」
「うまい」「うまいでしょ?」「私,シャーベットみたいなものは,あんまり好くじゃあいんですけど,これなら好き」
「奥さんの言うとおり--」(全部水に入れる梅沢さん)「そうですよね!」「ハハハハハハ」「ね〜やっぱしね」「これでいいですよね.そうなると.豪快な方が」「そうそうそうそう」「派手やし.分かってるわ.テレビのこと」(笑い)
「農家メシ!出るっていう時,やっぱし嫌じゃなかったですか?テレビやし」「梅沢さんに会いたかったていうのが」
「お前ら聞いたか?」
「ちょっと待って下さい.よう,目の前で,よう言えますね」「お前ら聞いたか」
「実物はどうですか?梅沢富美男は?」「普通ですね」(大笑い)
付録
日本で人気の生食用ブドウ
日本で人気の生食用ブドウについて,主に
葡萄の家系図を見ながら選ぶ ブドウの品種と産地や特徴【果物ガイド】
の2つのサイトの記事からまとめてみました.
特産果樹生産動態等調査 確報 平成28年産特産果樹生産動態等調査 年次 2016年 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
巨峰
https://agri.mynavi.jp/2018_11_07_47040/
巨峰の生みの親・大井上康が目指したブドウは,「雨の多い日本でも栽培できるおいしい大粒のブドウ」で,着目したのが,枝変わりにより大粒化したブドウ(⇒*)を掛け合わせて,新たな大粒品種を作出すること.
そこで,岡山県で発見された「キャンベルアーリー」の大粒枝変わりである「石原早生」と,オーストラリアで発見された「ロザキ」の大粒枝変わりである「センテニアル」を掛け合わせてみることにしました.
しかし,「センテニアル」は南半球のオーストラリアにあるため,赤道を通って輸入しなければなりませんでした.輸送手段が船舶しかなかった時代なので,輸送中の枯死が多く,苦労の末,やっと自分の圃場に根付かせることに成功しました.その後交配し,そのうちの優れた1本を研究所から見える富士山に因で「巨峰」と名付けました.
高い糖度でジューシーな味わいがあり,紫黒色の大きな果粒が特徴の「ブドウの王様」です.皮には渋みがあるため,皮は取り除いて食べます.国内での人気も高いため,4~10月と長期間出回りますが,最盛期は9月頃です.主な産地は,山梨県,長野県,福岡県などです.
ピオーネ
https://agri.mynavi.jp/2018_11_07_47040/
ピオーネを育種したのが,井川秀雄です.
井川は,巨峰よりも栽培容易で,巨峰以上の品質のブドウを作りたいと考え,それにはまず,日本で交配し選抜した品種でなければ日本の気候風土に合わないという思いがありました.
そこで,巨峰にカノンホールマスカット(マスカット・オブ・アレキサンドリアの4倍体芽条変異⇒*)を交配し,ピオーネを作りました.
ピオーネは巨峰より花ぶるい(花が咲いた後,結実せず落花してしまうこと)が激しい品種です.このため,ジベレリン処理による結実向上を図り,さらに種なしで大粒になることで消費者の嗜好をつかみました.このことが現在主流となった,多くの大粒種なし4倍体品種の栽培方法を確立したきっかけとなりました.
「黒い真珠」とも呼ばれる大粒ブドウで,見た目は巨峰に似ていますが巨峰よりも締まりのある実と甘みが特徴です.種無しタイプもあり,皮ごと食べられます.5~12月にかけて長期出荷されます.主な産地は岡山県,山梨県,長野県です.
皮近くに甘さがあるので,むきにくい場合は皮のままでも食べられます.
https://agri.mynavi.jp/2018_11_07_47040/
シャインマスカット
https://agri.mynavi.jp/2018_11_07_47040/
安芸津21号(スチューベン×マスカット・オブ・アレキサンドリア)に白南(カッタクルガン×甲斐路)を交配した品種で,農研機構 果樹研究所ブドウ・カキ研究拠点で開発されました.
マスカットの中では珍しい種なしで,強い甘みと芳香が特徴の品種です.
近年,日本では人気がある品種で,比較的値段も高い高級ブドウです.6月から出始めますが,8月中旬が最盛期となります.主な産地は山梨県,長野県,岡山県などです.
https://agri.mynavi.jp/2018_11_07_47040/
アメリカ原産の自然交雑種(**)で,1855年にオハイオ州デラウェアで命名発表,日本には1872年(明治5年)に初めて輸入されました.
小ぶりな果粒で,種なしブドウの代表的品種です.濃厚な味わいと皮の取りやすさが特徴です.ハウス産のものが4月下旬から出回り始め,6月下旬には無加温のものが出回ります.露地栽培のものは,4月下旬~9月にかけて出荷されます.主な産地は山形県,山梨県,大阪府です.
種がないため食べやすく,喉に詰まる心配も少ないので,小さなお子さんから年配の方まで老若男女とわずオススメです.
甲斐ベリー3(商標名:ブラックキング)
ピオーネ×山梨46号(巨峰自殖)
大粒で着色良好な紫黒色の四倍体品種.満開期は育成地(標高:450m)において6月上旬で,成熟期は育成地において8月上中旬である.
2回のジベレリン処理(1回目はフルメット加用)により種なし化した果房の果粒形は円形で,果粒重は22g程度になり,摘粒30粒前後に調節すれば,果房重600g程度の果房になる.
糖度は18%程度,酸度は0.6%程度であり,多汁で食味は優れる.はく皮性は巨峰と同程度である.アントシアニン含量が巨峰に比べて多く,着色性に優れる.
⇒*枝変わりと4倍体ブドウ
枝変わりとは,ブドウにはまれにみられる現象で,枝の途中で突然変異し,その先の果実や葉が,品種本来の形状より大きくなることです.
このブドウを四倍体と言い,ピオーネや巨峰など,現在の生食ブドウ主流となっています.
四倍体ブドウは,葉などが大きいので,どうしても樹勢が強くなる特性があります.このため,結実しない「花ぶるい」を起こすことが多く,巨峰も当初は,経済栽培ができる品種として認められませんでした.しかし,大井上康やその門弟の努力で,樹勢を抑え,安定して栽培する方法を確立されたことにより,その高品質の果実が世に認められるようになりました.
その後,ジベレリン処理による花ぶるいを抑制し,なおかつ種無しにできる技術が開発されてことにより,巨峰を親とした四倍体ブドウの育種が盛んになりました.
⇒**
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk/64/5/64_273/_pdf
http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2018/03/26/000420
栽培種のブドウは,次の二系統に由来するものがほとんどです.
Vitis vinifera L. - ヨーロッパブドウ(ヴィニフェラ種)
Vitis labrusca L. - アメリカブドウ (ラブルスカ種)
例えば,
;ラブルスカ種に由来するサブグループとされ,種名としてVitis × labruscanaが使われています.
現在は,上記の二系統,さらには下記の様々なブドウ属の種を掛け合わせたものが,生食用に,またワイン用に生み出されています.
Vitis davidii (ダヴィディ系:中国野生種)
Vitis aestivalis(エースティバリス)
Vitis linsecomii
例えば,
マスカット・ベリーAは,Linsecumii-Labrusca-viniferaと表されています.
そして,現在の日本では,上記の「4倍体」(⇒*)を使用した,大きくて甘い生食用のブドウ品種が,次々に生み出されています.