玄関先の植栽.
卯の花(赤花)は,かなり散ってきましたが,バイカウツギは真っ盛り,
美しい白い花で,人目を引きつけています.
このブログで何回も取り上げましたが,大好きな花なので,同じ内容になってもいいと
呼び名の部分をさらに調べていったら,やや退屈な話になってしまいました---
バイカウツギは,
ミズキ目 Cornales,アジサイ科 Hydrangeaceae,
Subfamily Hydrangeoideae
Philadelphus連(バイカウツギ連?)
バイカウツギ属 Philadelphus,
バイカウツギ P. satsumi(Philadelphus satsumanus)
ウィキペディアバイカウツギ - Wikipedia には「本州,四国,九州に分布」
(ただし,学名の元となった薩摩=鹿児島には分布が見られないとのこと バイカウツギとは - 育て方図鑑 | みんなの趣味の園芸 NHK出版 )
と書かれているのに,原産は南東ヨーロッパ/小アジアとのこと.日本にいつ来たのか不明ということでしょうか?
英語では,“mock orange” とあります.
しかし,よく調べると,mock orange は日本のバイカウツギそのものを指す言葉ではありません.
mock は模倣品の意.
オレンジの花はなかなかのもの.
しかし"mock orange"を「オレンジの模倣品」と訳するとあまりいい感じはしませんね.
欧米でもとても愛されているようで,"mock orange"検索すると,苗木の販売広告を中心に沢山の画像が.
ただし,どれも我が家のバイカウツギとはどこかが違う---
セイヨウバイカウツギ(Philadelphus grandiflorus)とその園芸種が中心のよう.
mock orangeは,バイカウツギ属Philadelphusの植物を指す言葉で,それぞれが美しい花を咲かせる上,園芸品種も沢山作られているということでしょうか.
そして, mock orangeという言葉は,更に広範囲の植物
「バイカウツギ属の花に似た花をつける植物(ランダムハウス英語辞典)」
「オレンジの花に似た花をつける植物(Merriam-Webstar)」
についても用いられているとのこと!
例えば,"日本のバイカウツギは,"Japanese mock orange"とどこかに書いてあったのですが(URLをメモし忘れました),"Japanese mock orange"で検索すると,
Japanese mock orangeはトベラ(セリ目,トベラ科,トベラ属,トベラPittosporum tobira)のことであることが判明.この植物トベラもmock orange!
なお,mock orangeと同じ意味で用いられている(た)英語にsyringaがあります.
syranga は,今でこそライラックなどハシドイ属を意味していますが,もともとはバイカウツギを指していたとのこと.
大もとは,ギリシャ語のsŷrinxy=管/管状のものを指す言葉.(ランダムハウス英語辞典)
バイカウツギ属植物が管を作るのに用いられた!
古代ギリシャで木の管は何に使われたのでしょうか? 笛,例えば,パンパイプに用いられた?
いずれにせよ,日本人がウツギ(空木)と命名した植物が,同じような着眼点から,古代ギリシャでは"管”と呼ばれていたんですね.
バイカウツギは,ウツギの近縁.
DNA解析の進歩で,アジサイ科の属は,アジサイ属を中心に今後さらに変更がありそうな気配ですが,バイカウツギ属については大きな変更の必要はなさそうです.
phylogenetic Philadelphus Hydrangea Deutzia - Google 検索 https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1055790302002671 アジサイ科 - Wikipedia Hydrangeaceae - Wikipedia
我が家の庭の花
バイカウツギと同様に,我が家で今盛りを迎えているのがヤマアジサイ.ガクアジサイはまだですが.
アスチルベ.手入れを怠った赤花が芽を出さなかったのに対し,白花は元気.
冬場に氷点下の日がなかったこともあって,小さなサンルームで冬越しできたユーフォルビア(ダイヤモンドフロスト)とインパチェンス.
今年は早くから立派に咲き誇っています.
小さな花が,ひっそりと咲き始めたのはナンテン,シモツケ,そしてホウライムラサキ.