「救荒作物」としてのサツマイモ
現代は美味しい食材として認められ,現在は“第4次焼き芋ブームだそうですが---
http://yachikusakusaki.hatenablog.com/entry/2018/11/21/031120
https://www1.nhk.or.jp/asaichi/archive/181112/1.html
生産量は減少傾向にあり,2014年(平成26年)には100万トンを切っています.( 統計表一覧 政府統計の総合窓口 GL08020103 )
最近では1970年以降の落ち込みが激しいのですが,それ以前に目を向けると----
戦中戦後の生産量は半端ない.
例えば1955年のサツマイモ生産量は700万トン強!現在の7倍強.
戦中戦後の食糧難を救ったのはサツマイモだったあかしです.
「沖縄100号」という“水っぽい大きないも”,“とにかくまずい” 品種が大量に作られました.この沖縄100号は,中国にも渡って,飢餓を救ったとか.
(山川 理「サツマイモの世界,世界のサツマイモ」 現代書館)
更にずっと時代をさかのぼれば,サツマイモが,江戸時代の度重なる飢饉を救った「救荒作物」であることはご存じの通り.
有名な青木昆陽は,関東への普及に特に貢献したことで知られていますが,鹿児島から日本国内への伝播はいくつかのルートを通って行われてきたようです.「薩摩芋」の名とともに.
https://www.kagoshima-shoku.com/2266
サツマイモの栄養
飢餓を救ったサツマイモ.そのようなサツマイモの栄養は,単なるエネルギー供給作物であることを越えています.
▽炭水化物が多いことは,その結果としてエネルギー供給作物となっているのはご存じの通り
(以下の表中の値は,食品成分データベースより,全て100g中の量)
▽ミネラルも豊富です.
カリウム,カルシウムは穀物・イモ類の中でもかなり多い.特にカルシウムは注目に値します.
▽脂溶性ビタミンの中では,ビタミンA(レチノール活性当量),ビタミンE(αートコフェロール).
▽水溶性ビタミン全般も,穀類・イモ類の中ではそれなりの量ありますが,何といってもビタミンC.これだけあれば,ビタミンC供給源としての役割を果たすことができます.
▽食物繊維の量は,思ったほど高くありません.ご飯(水稲めし)の食物繊維が少なすぎるのが問題の本質?
▽そして,サツマイモの特徴となっている甘さ.しょ糖,麦芽糖がその正体.保存方法や,調理の仕方によって,量が変わります.