カタクリが咲きました.「水を汲む娘子(をとめ)ら」が似合う花です.このカタクリを含め「春先に花をつけ、夏まで葉をつけると、あとは地下で過ごす一連の草花」を,欧米に倣って,スプリングエフェメラル(Spring ephemerals)と呼ぶようになっています.野の花に及びませんが,わが家の庭の花たちも頑張っています.

カタクリが咲きました.

苗を購入して,2回冬を越した株です.

f:id:yachikusakusaki:20180313231310j:plain

初めて出会った時に,何とか自分でも育てられたらと---

購入したのは3回.前2回は翌年まで持たず,3度目の正直です.

 

カタクリは以前このブログでも採り上げました.(写真を取り損ね添付できませんでしたが)

yachikusakusaki.hatenablog.com次の万葉の歌(かたかご=カタクリ)と共に.

 

かたかご(堅香子) / 万葉集

もののふの,八十(やそ)娘子(をとめ)らが,汲み乱(まが)ふ,寺井の上の,堅香子(かたかご)の花 大伴家持 (第19巻 4143)

 

斎藤茂吉「万葉秀歌」では,

多くの娘らが入れ替わり立ち替わり水汲みに来る様子を描いた歌とし,

「寺に泉が湧くところがあって,そのほとりに堅香子の花が群生している.その泉に多くの娘が水を汲みに来て,木良くとおる声で話し合う,それが可憐でいかにも楽しそうである」と解しています.

 

山田卓三「万葉植物つれづれ(大悠社)」では,

娘たちは幻想と解し,「この可憐な花が咲き乱れている群落の情景に若い娘たちの群像を重ねた幻想はすばらしいものです」としています.

 

いずれをとったとしても,このカタクリの花が見事に詠まれている歌であることは万人が認めるところ.

カタクリの花が家持に詠ませたともいえる?

日本の代表的な歌人が何人もこの花を詠んでいるとのこと.

f:id:yachikusakusaki:20180313232702j:plain

カタクリ 山野草 霊峰月山の恵み【庄内の恵み屋】

 

カタクリを含め,「春先に花をつけ、夏まで葉をつけると、あとは地下で過ごす一連の草花」を,欧米に倣って,スプリングエフェメラル(Spring ephemerals)と呼ぶようになっています.

 

英語では,Spring ephemeral wildflowers と言った方が誰にでも分かる言い方のようですが.

日本語では,春植物(はるしょくぶつ),春の妖精とも.

 

 ephemeralは

「はかない存在,短命なもの(昆虫など),(数日だけの)短命植物.

[<ギリシャ語 ephḗmer(os)短命の,ただ1日限りの+-AL1](ランダムハウス英語辞典)」

「他の植物の葉が出て居ない時に,日差しを十分に受けて開花し,他の植物の生育と木々の葉により暗くなった時には葉を落とす.その間に養分を蓄えて,次の春まで地下茎や球根で過ごす」とのこと.

スプリング・エフェメラル - Wikipedia http://www.geocities.jp/msdkthr/springephe1.html

 

 

f:id:yachikusakusaki:20180313233429j:plain

スプリング エフェメラル 代表 種 - Google 検索

 

カタクリのほか,

セツブンソウ フクジュソウ オオミスミソウ イチリンソウ ニリンソウ アズマイチゲ キクザケイチゲ アマナ ユキワリチゲ エゾエンゴサク、ヤマエンゴサク、ムラサキケマン など.

ユキワリソウショウジョウバカマを入れている場合もありますが,夏まで葉をつけるためスプリングエフェメラルに入れないとする意見の方が多そうです.

フクジュソウは,わが家にもあるように,広く栽培されています.

イチリンソウ,ニリンソウはショップで見たことがあるものの--

f:id:yachikusakusaki:20180313234917j:plain

イチリンソウ - Wikipedia ニリンソウ - Wikipedia

残念ながら,名前を知っているものが半分程度.大部分は見たことがない植物ばかり.どの花も可憐.特に野外で見たなら何と美しいだろうと思います.

http://www.geocities.jp/msdkthr/springephe1.html

に美しい写真が.

 

野の花に及びませんが,わが家の庭の花たちも頑張っています.

梅は咲き終わりましたが,沢山の花々咲き始め,木々の芽も膨らんできています.

手入れの悪いわが家の庭ですが---.春です.

 

f:id:yachikusakusaki:20180314005237j:plain

f:id:yachikusakusaki:20180314005252j:plain

f:id:yachikusakusaki:20180314005316j:plain

f:id:yachikusakusaki:20180314005400j:plain

f:id:yachikusakusaki:20180314005604j:plain